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サカタインクス Research Memo(3):印刷インキ事業が主力で環境配慮型の高機能・高付加価値製品に強み

2017/10/16 15:38 FISCO
*15:38JST サカタインクス Research Memo(3):印刷インキ事業が主力で環境配慮型の高機能・高付加価値製品に強み ■サカタインクス<4633>の事業概要 1. 印刷インキ事業を主力としたグローバル展開 印刷インキ事業は、日本・アジア・北米及び欧州の各市場向けに、紙媒体用インキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷物印刷用のオフセットインキ)、及びパッケージ用インキ(段ボールや紙器などパッケージ印刷用のフレキソインキ、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルム製包材パッケージ印刷用のグラビアインキ、飲料缶など金属印刷用のメタルインキ)を製造・販売している。 印刷用機材事業は主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。 機能性材料事業は、日本・アジア・北米及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるカラートナー・モノクロトナー)、画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。売上高はデジタル印刷材料が約7割を占めている。 その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))、及び色彩機材関連事業(サカタインクスエンジニアリング(株))などを行っている。 主力の印刷インキ事業及び機能性材料事業は、グローバル展開加速と各地域特性に応じた製品戦略推進、環境配慮型高機能・高付加価値製品拡販による数量増で、収益拡大を目指している。 なお、連結決算における報告セグメントは、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(北米)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他事業としている。 2. アジアと北米が収益柱に成長 2017年12月期第2四半期累計の連結売上高は77,272百万円で、セグメント別売上高(連結調整前)構成比は、印刷インキ・機材(日本)が33.7%、印刷インキ(アジア)が17.9%、印刷インキ(北米)が26.8%、印刷インキ(欧州)が5.4%、機能性材料が6.6%、その他が9.6%だった。2017年12月期第2四半期累計の営業利益は4,558百万円で、セグメント別営業利益(連結調整前)構成比は、印刷インキ・機材(日本)が28.4%、印刷インキ(アジア)が26.1%、印刷インキ(北米)が23.7%、印刷インキ(欧州)が3.3%、機能性材料が14.0%、その他が4.5%だった。 グローバル展開加速や環境配慮型高機能・高付加価値製品拡販によって、市場拡大余地の大きいアジアと北米が収益柱に成長している。 3. 日本で3位、北米で3位、世界で4位の印刷インキメーカー 売上高ランキングで見ると、同社は日本で3位、北米で3位(出典:INK WORLD「North American Top 20 Ink Industry Report」2017.3.7)、そして世界で4位(出典:INK WORLD「The 2016 Top International Ink Companies Report」2017.7.28)という大手印刷インキメーカーである。 4. 環境配慮型高機能・高付加価値製品が高シェア 1896年の創業以来、120年の歴史の中で培われた環境配慮型の高機能・高付加価値製品の開発力、製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。 新聞インキでは自然の色・鮮やかな発色性を求め、色再現範囲の拡大・網点再現性の向上・ドットゲインの最適化によって高紙面品質を追求した高発色性インキ「ニュースウェブマスター エコピュア」を開発し、高評価を得ている。また、カラー紙面の高品質化や、新聞製作システムの上流から下流までの、色に関する管理を行うカラーマネジメントシステムの技術力と実績が、新聞社から大きな信頼を得ている。 オフセットインキでは、業界に先駆けて環境に配慮した製品の市場導入を図り、高速オフ輪インキや枚葉インキなど多様なニーズに対応できるインキを始め、近年普及が進む高感度UV印刷機に対応した紫外線硬化型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの展開も進めている。 パッケージ用インキの分野では、業界に先駆けて早くから開発を始めた段ボール用水性フレキソインキで国内シェア1位を誇り、製紙業界に機能性コーティング剤など多様な新技術を提供している。また、主に食品包装などに使用されるフィルムパッケージ用のグラビアインキでも、環境に配慮した高性能・高品質なインキを提供している。 特に、植物由来材料を使用した「ボタニカルインキ」は2016年末から展開を始め、大手コンビニエンスストアのPB商品(食品)のパッケージに採用されるなど好評を得ている。なお「ボタニカルインキ」が使用された印刷物には独自のロゴマークが印刷されている。 国内・海外とも、ミドルレンジ以上の環境配慮型高機能・高付加価値製品を主力として展開し、各市場で高シェアを誇っている。環境配慮型高機能・高付加価値製品の分野は、世界的に地球環境問題への取り組みを強化する流れも背景として、市場拡大余地そして市場開拓余地が大きい。 紙媒体用インキの分野では、新聞インキ、及び雑誌・パンフレット用などのオフセットインキで、いずれも環境配慮型製品の比率がほぼ100%に達している。またパッケージ用インキの分野の市場シェアは、段ボールや紙器などパッケージ印刷用フレキソインキが国内1位、食品・日用品などフィルムパッケージ印刷用グラビアインキが国内2位、飲料缶など金属印刷用メタルインキが世界1位と高シェアを誇っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展) 《MW》
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時価総額 83,208百万円
1896年創業の印刷インキメーカー。各種印刷インキ、粉体トナーなどの機能性材料を手掛ける。アルミ缶用インキで世界トップシェア。総還元性向50%以上目指す。パッケージ分野中心に環境配慮型製品を積極展開。 記:2024/07/01