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ケネディクス Research Memo(6):商業施設やホテル、インフラなど、新規分野が順調に拡大

2017/9/5 15:50 FISCO
*15:50JST ケネディクス Research Memo(6):商業施設やホテル、インフラなど、新規分野が順調に拡大 ■成長戦略 1. 中期経営計画 ケネディクス<4321>は、2015 年12 月期から3ヶ年の中期経営計画を推進してきた。「ケネディクスは不動産の限りなき可能性を切り拓きます」というミッションステートメントのもと、自ら不動産を所有せず(グループで組成・運用するファンドが保有)に、安定的な収益力を追求する「ケネディクスモデル」の確立に取り組み、いよいよ本格稼働のフェーズに入ってきた。a)アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長、b)共同投資を中心とする不動産投資事業の推進、c)財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追求を重点施策として、最終年度である2017年12月期には、「ベース利益」4,000百万円、3年平均ROE8.0% の実現を目指す内容となっている。 (1) アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長 引き続き、受託資産残高の成長を目指す。特に、市場拡大が見込めるヘルスケア分野やインフラ分野等、新たな対象資産への取り組みを強化するとともに、ノンアセットの不動産関連サービスの拡大や受託資産の価値向上につながるサービスの提供などにも注力する方針である。加えて、投資家の開拓や海外不動産投資など海外展開の推進、運用力とサービスの質向上の基本となる事務管理体制の更なる強化についても掲げている。 (2) 共同投資を中心とする不動産投資事業の推進 顧客投資家との共同投資の推進を図る方針である。特に、同社ファンドビジネスの成長に資する投資として、商業施設及びヘルスケア関連施設への重点投資を目指す。また、投資ポートフォリオのモニタリングとリスク管理の強化、市場の変化を先取りした資金アロケーションにも取り組む。 (3) 財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追求 単体有利子負債水準の健全なコントロールや不動産投資と自己資本の健全なバランスの確保により財務の健全性の更なる強化を図るとともに、「ベース利益」に基づく配当の継続や機動的な株主還元に向けた内部留保の充実にも取り組む。 2. 成長戦略の進捗 (1) 開発事業 a) ホテル開発ファンド 需要が拡大しているホテルの開発案件については、六本木ホテル案件(Re-Seed機構との開発ファンド)が2017年2月に竣工(3月にオープン)したほか、同社単独の案件として、銀座(2019年3月竣工予定)及び新浦安(2018年1月竣工予定)でのプロジェクトが進行中である。また、インバウンド需要に対応するため、オペレーターを設定した宿泊特化型ホテルを対象としたファンド組成により、札幌(2018年5月竣工予定)や宮古島(2018年10月竣工予定)、名古屋(2018年1月竣工予定)でパイプラインの拡充を進めている。プロジェクト規模は開発6 案件合計で500億円程度を予定している。 b) 商業施設への取り組み KRRとの共同出資案件である習志野台(船橋市)の既存1件(KRRが2017年4月取得済)に加えて、千葉市矢作町(KRRが2017年5月取得済)、横浜市(2017年10月竣工予定)、板橋区ときわ台(2017年8月竣工)の開発3件を進めてきた。プロジェクト規模は合計で200億円程度となる予定である。 (2) ファンド組成 a) インフラファンド 自然電力(株)との共同により再生可能エネルギー発電所へ投資するファンド(ケネディクス自然電力ファンド)を組成し、2017年6月末時点では1号ファンドから3号ファンドまで合計8物件の太陽光発電所を投資対象(受託資産残高約100億円、合計パネル出力25.6MW)とするプロジェクトが進行している。また、4号ファンド(約8MW)及び5号ファンド(約11MW)の組成準備にも着手している(2017年中の組成を予定)。新たなディールソースの獲得や新資産の発掘により、中期的には受託資産残高1,000億円程度を目指す。 b) 物流施設ファンド 国内最大規模の物流不動産特化企業である(株)シーアールイー(以下、CRE)と資本業務提携(CRE株式の15%相当を取得)を締結した。不動産ファンド事業における協業、CREとの物流施設の共同開発、CREロジスティクスファンド投資法人の上場及び同社のノウハウ活用による成長を目指す内容となっている。 c) 商業施設ファンド 伊藤忠商事<8001>との業務提携により、消費者ニーズの高い生活密着型商業施設の開発などを目的とするファンドを組成(2016年8月)した。KRRへの物件供給パイプラインの強化に狙いがある。 d) ホテル開発 みずほ証券(株)との初のタイアップにより、国内事業法人を中心としたホテル開発ファンドを組成した。 e) 不動産再生 三菱UFJリース<8593>とMUL不動産投資顧問(株)(同社出資比率33.4%)を設立した(2016年4月)。不動産再生投資に関するアセットマネジメント事業を展開することにより、AMプラットフォームの拡大とバリューアップ投資の強化につなげる狙いがある。 (3) 海外展開 a) アジア 2016年10月に、AIRA Capital(タイの上場金融グループ)の不動産開発会社であるAIRA Property(AIP)へ20%の出資を実行し、タイにおけるREIT組成・運用に向けた足掛かりをつけた。さらに、2016年12月には、AmanahRaya REIT(マレーシアの上場REIT)の投資口15%とその資産運用会社であるAmanahRaya- REIT Managers株式49%の取得契約を締結し、日本企業として初のマレーシアREITへのスポンサー参加を実現している。成長の期待できるASEAN地域で、「ケネディクスモデル」の展開を目指す。 b) 米国西海岸の賃貸住宅(Multifamily)のファンド組成 将来的なファンド組成を念頭に置き、米国西海岸(シアトル近郊)に所在する安定稼働の賃貸住宅(Multifamily)への投資を行った。中期的には受託資産残高を1,000億円程度に拡大する方針である。 (4) その他 a) 「民泊」拡大を見据えた先行投資 民泊需要の拡大による投資機会を見据え、スペースデザインと共同で賃貸住宅(東京都中央区)への投資を行う(2016年8月)とともに、渋谷区でも新たにサービスアパートメントを開業(2017年3月)した。スペースデザインによるサービスアパートメント業務拡大に向け、「民泊」新法との親和性による収益機会の追求に取り組んでいる。また、将来的には系列REITとの協業可能性も検討しているようだ。 b) 不動産クラウドファンディング事業の立ち上げ 2017年8月には、野村総合研究所との協業により、不動産を対象とした投資型クラウドファンディング事業の立ち上げを開始した。インターネットを通じて、不動産への幅広い投資機会を様々な投資家に提供することが目的である。特に、個人にとって不動産への投資の機会はJ-REITやマンション投資などに限られていたが、個人にも小口化された不動産金融商品に対して、インターネットを通じて投資できる仕組みを提供するところに狙いがある。両社は、この仕組みに、他の不動産資産運用会社や不動産デベロッパー会社等が参画し、業界標準になることを目指している。また、将来的には、人工知能やビッグデータ分析、ブロックチェーン等を応用し、投資アドバイスを行うロボットアドバイザー(ロボアド)など不動産テック事業における新たなサービスの提供も予定している。 3. 長期ビジョン 同社は、さらに「Kenedix Vision 2025」と銘打ち、10年後のビジョンとして、受託資産残高4兆円、グループ時価総額2兆円(2017年6月末時点では6,557億円)、ROE15%を掲げている。注目すべき点は、総資産の規模や財務レバレッジ(有利子負債比率)を現状から大きく拡大することなく、受託資産残高を積み上げることで収益性(資本効率)を高める方向性が示されているところであり、まさに「ケネディクスモデル」ならではの独自の成長シナリオとなっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《NB》
関連銘柄 3件
4321 東証1部
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独立系の不動産ファンド運営会社。不動産管理・運営も。20.12期はコロナ禍に伴う運営ホテルの一時休業などが痛手に。三井住友F&リースによるTOBが成立。3月19日付で上場廃止に。伊藤忠との業務提携は解消。 記:2021/03/09
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8593 東証プライム
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