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TOKAI Research Memo(2):顧客件数の拡大と間接コストの削減効果で、営業利益は計画を上回るペース

2017/9/4 15:40 FISCO
*15:40JST TOKAI Research Memo(2):顧客件数の拡大と間接コストの削減効果で、営業利益は計画を上回るペース ■業績動向 1. 2018年3月期第1四半期の業績概要 2017年8月4日付で発表されたTOKAIホールディングス<3167>の2018年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比2.2%増の42,531百万円、営業利益が同25.0%減の2,152百万円、経常利益が同24.0%減の2,204百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同33.1%減の1,182百万円となった。顧客件数の増加等による増収効果で3億円の増益要因となったが、顧客件数の拡大を目的とした新規顧客獲得及び解約防止コストを中心に費用が10億円増加し、営業減益となった。ただ、会社計画比では各セグメントにおける間接コスト削減が想定以上に進んだことで、計画を4億円程度上回ったと見られる。 2018年3月期第1四半期末のグループ全体の顧客件数は2,570千件となり、前年同期末比で13千件増、前期末比で6千件増となった。2017年3月期は年度で6千件の増加にとどまったが、2018年3月期は第1四半期だけで同水準の顧客を積み上げたことになる。主要サービス別の契約件数を見ると、ガス事業が前年同期末比で11千件増、光コラボ事業が同59千件増、MVNO※事業が同6千件増、CATV事業が同22千件増、アクア事業が同4千件増と拡大した。MVNOについては2017年2月より新たに開始した低価格SIM「LIBMO」の新規顧客獲得が寄与した。従来型ISP事業等については同86千件の減少となったが、これは光コラボへの転用が進んだことが主因となっている。なお、顧客の囲い込みやグループ内の複数サービス利用率拡大を目的として、2012年12月より導入した「TLC会員サービス」の会員数については、2018年3月期第1四半期末で前年同期末比98千件増の613千件と順調に拡大した。 ※MVNO(Mobile Virtual Network Operator):携帯電話等の無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者。 2.事業セグメント別動向 (1) ガス及び石油事業 ガス及び石油事業の売上高は前年同期比0.5%減の17,392百万円、間接費用等配賦前営業利益は同39.7%減の1,324百万円となった。主力のLPガス事業の顧客件数は前年同期末比11千件増の591千件となった。新規進出エリアである仙台や愛知エリアを中心に新規顧客の開拓が順調に進んでいることが要因だ。ただ、ガス販売量は前年同期並みで推移したため、売上高は同0.1%減の14,679百万円と横ばい水準にとどまった。一方、都市ガス事業の顧客件数は前年同期末比横ばいの54千件となったが、産業用における使用量が減少したことなどにより売上高は前年同期比2.5%減の2,712百万円となった。 利益面では、新規顧客獲得及び解約防止のためのコストが前年同期比で約5億円増加したことや、仕入コストが若干上昇したことが減益要因となった。 (2) 情報及び通信サービス事業 情報及び通信サービス事業の売上高は前年同期比5.7%増の12,447百万円、間接費用等配賦前営業利益は同15.2%減774百万円となった。このうち、コンシューマー向け事業に関しては、ブロードバンドサービスのうち光コラボについては、新規顧客獲得及び既存顧客(従来型ISPサービス)からの転用が進んだことで顧客件数が前年同期末比59千件増の310千件と拡大したが、大手携帯キャリアとの競争激化によりブロードバンドサービス全体では同43千件減の784千件となった。また、携帯電話販売事業については格安スマートフォンとの競争激化もあって、顧客件数は同3千件減の232千件となった。一方で、2017年2月より本格参入したMVNO事業では、低価格SIMカード「LIBMO」の拡販に取り組み、8千件の顧客を獲得した。ブロードバンドサービスの顧客件数が減少したものの、顧客単価の高い光コラボの構成比率上昇により、コンシューマー向け事業の売上高は前年同期比1.7%増の7,869百万円となった。利益面では、光コラボ事業が前年同期比2億円の増益となり若干の黒字に転換したものの、従来型ISP事業が顧客件数の減少により同2億円の減益、MVNO事業が顧客獲得のためのコストを積み増したことで同2億円の減益となった。 法人向けサービスについては、クラウドサービス等のストック型ビジネスが着実に成長していることに加えて、システム開発案件の受注も好調に推移したことで、売上高は前年同期比13.3%増の4,577百万円となり、利益面でも増収効果によって同1億円の増益となった。 (3) CATV事業 CATV事業の売上高は前年同期比2.6%増の6,406百万円、間接費用等配賦前営業利益は同22.0%増の875百万円となった。顧客件数は放送サービスが前年同期末比9千件増の510千件、通信サービスが同14千件増の229千件と順調に拡大した。放送及び通信サービスのセット販売による割引施策や大手携帯キャリアとの連携によるスマートフォンのセット割引の継続により新規顧客が増加したほか、解約防止策としてカスタマーサポートの体制強化に取り組んでいることが顧客件数の増加につながった。間接費用等配賦前営業利益率が前年同期比で2.2ポイント上昇したが、これは増収効果に加えてのれん償却費及び減価償却費が減少したこと、放送と通信のセット販売の比率が上昇していることにより、1顧客当たり獲得コストが減少していることが要因と見られる。放送サービス契約者のうち、通信サービスも契約している顧客の比率は2017年3月期第1四半期末の42.9%から2018年3月期第1四半期末は44.9%と2.0ポイント上昇している。 (4) 建築及び不動産事業 建築及び不動産事業の売上高は前年同期比5.9%増の3,617百万円、間接費用等配賦前営業利益は同11.1%増の90百万円となった。太陽光発電設備機器の販売は減少したものの、住宅販売や建物管理サポート事業の売上増によりカバーした。 (5) アクア事業 アクア事業の売上高は前年同期比2.2%増の1,456百万円、間接費用等配賦前営業利益は同194.7%増の56百万円となった。顧客件数が前年同期末比4千件増の138千件と増加したことが増収要因となった。前期から販売エリアを需要が見込める主要都市の大型商業施設等に絞り込み、販売効率を高めたことが収益性の向上につながっている。 (6) その他・調整額 その他の事業の売上高は前年同期比5.1%減の1,211百万円となった。内訳を見ると、介護事業は施設の利用者数増加に伴い同16.7%増の245百万円となり、造船事業についても修繕工事量の増加により同6.1%増の393百万円となった。一方、婚礼催事事業については2017年3月末に2施設のうち1施設を閉館したことで、同24.8%減の380百万円となった。なお、内部調整額も含めた間接費用等配賦前営業損失は969百万円(前年同期は1,060百万円の間接費用等配賦前営業損失)となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MW》
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時価総額 128,785百万円
静岡県地盤にLPガスを中心とするエネルギー・住生活関連事業、情報通信事業を展開する総合生活インフラ企業。LPガスの顧客件数は業界3位。情報通信部門の法人向け事業はキャリアサービス、クラウドサービスが順調。 記:2024/06/13