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TOKAI Research Memo(2):LPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」が主力

2017/6/19 15:01 FISCO
*15:01JST TOKAI Research Memo(2):LPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」が主力 ■事業概要 TOKAIホールディングス<3167>は静岡を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を主軸に事業を展開しており、経営ビジョンとして「Total Life Concierge(TLC)」構想を掲げている。暮らしに関わるあらゆるサービスをワンストップで提供し、顧客やその先の地域・社会・地球環境とのつながりを深めながら、人々の豊かな生活、地域社会の発展、地球環境保全に貢献し、日本を代表する生活総合サービス企業として成長していくことを目指している。 現在の事業セグメントは、「ガス及び石油事業」「情報及び通信サービス事業」「CATV事業」「建築及び不動産事業」「アクア事業」「その他」の6つに分けて開示している。事業セグメント別の売上構成比(2017年3月期)で見ると、祖業である「ガス及び石油事業」が41.1%、「情報及び通信サービス事業」で27.7%、「CATV事業」で14.2%となっており、これら3事業で全体の80%を超える格好となっている。事業セグメント別の内容は以下のとおり。 1. ガス及び石油事業 ガス及び石油事業では、売上高の約90%をLPガス事業、約10%を都市ガス事業で占めている。主力のLPガス事業は(株)TOKAIで家庭・業務用を主に展開している。サービスエリアは静岡県や関東圏を中心に、2015年以降は南東北エリア、中部・東海エリアにも進出しており、顧客件数の拡大に注力している。契約件数は2017年3月末時点で588千件となっており、直販では岩谷産業<8088>、日本瓦斯<8174>に続く3番手となる。市場シェアは、地盤である静岡県で約22%とトップで、競争の激しい関東圏でも約8%と2番手に位置する。LPガス利用世帯数は全国で約2,000万世帯あるため、全国シェアで見ると3%弱の水準であり、今後、営業エリアの拡大やM&Aなどによってシェアを伸ばしていく方針となっている。 一方、都市ガス事業は東海ガス(株)で静岡県の焼津市、藤枝市、島田市で都市ガスの供給を行っている。サービスエリアが限定されるため契約件数もほぼ一定で、2017年3月末時点で54千件となっている。都市ガスについては全国で203事業者あり、このうち大手4社を除けば地域限定の中小規模の事業者がほとんどとなっている。同社では2017年4月の都市ガス小売自由化解禁を契機に、M&A等を積極的に進めていくことで、顧客件数を拡大していく方針となっている。 2. 情報及び通信サービス事業 (株)TOKAIコミュニケーションズで展開する情報及び通信サービス事業には、ISP(インターネットサービスプロバイダ)事業のほかモバイル事業(携帯電話販売事業)、企業向け通信サービス・システム開発事業などが含まれている。2017年3月期の売上構成比で見ると、ISP事業と企業向け通信サービス・システム開発事業でそれぞれ4割強を占め、残りがモバイル事業となっている。 ISP事業は、全国をエリアとする「@T COM(アットティーコム)」、静岡県をエリアとする「TOKAIネットワーククラブ(TNC)」のサービスを展開しており、静岡県内でのシェアは約23%とトップを占める。また、2015年2月よりNTT<9432>から光回線の卸提供を受け、自社の光インターネット接続サービスとセットで提供する「@T COMヒカリ」「TNCヒカリ」のサービスも開始している。2017年3月末の顧客件数は、従来型ISPサービスで528千件、光コラボサービスで299千件となっており、従来型から光コラボへの転換が進んでいる。両サービス合計で見ると、827千件と2期連続で減少しているが、これはNTTの光回線卸の開始によって、光コラボサービスにおいて携帯電話事業者等との競争が激化していることが要因となっている。 モバイル事業は、ソフトバンク(株)の代理店として静岡県内を中心にモバイルショップを展開しており、2017年3月末の顧客件数は233千件となっている。また、2014年よりMVNO(仮想移動体通信事業者)として低価格SIMカードの販売を開始したほか、2017年2月より格安スマホサービス「LIBMO(リブモ)」を開始し、モバイル通信におけるサービスの拡充を進めている。 3. CATV事業 CATV事業は、静岡県、神奈川県、千葉県、長野県、岡山県の5県で、グループ会社7社が放送及び通信サービス(インターネット接続サービス)を提供している。2017年3月末の顧客件数は、放送サービスで508千件、通信サービスで225千件と順調に拡大しており、都市型CATV売上高では業界第3位(顧客件数では第6位)に位置している。なお、CATV放送視聴世帯数は全国で約3,000万世帯、自主放送を行うCATV事業者数は約500社(うち、インターネット接続サービスを提供する事業者は318社)となっている。 CATV業界は、大手通信キャリアが光通信回線を使った放送サービスを提供するなど競争環境が厳しくなるなかで、高精細な4K放送や8K放送に移行していくための光ファイバー投資が必要となってくる。同社グループのエリア内光化率は71%と高いが、中小事業者では今後、光化投資を行う余力のない企業も多く、大手事業者のグループに入る動きが活発化していくものと予想される。2017年3月には同社が東京ベイネットワーク(株)の株式25.8%を取得し、持分法適用関連会社としている。東京ベイネットワークは加入契約件数で約25万件と業界第9位であり、今後も同様の動きが続くことが予想される。 4. 建築及び不動産事業 建築及び不動産事業では、TOKAIが、戸建や集合住宅、店舗やオフィスビル等の設計・建築、建物管理サービス、住宅設備機器の販売、セキュリティサービス(ガス及び石油事業に区分)、保険代理店(その他事業に区分)、不動産の開発・売買等を行っている。また、TOKAIと東海ガスがリフォーム事業を展開している。 5. アクア事業 アクア事業とは、2007年に静岡県でサービスを開始した宅配水事業を指す。静岡県ではリターナブルボトル(ボトル回収型)サービスを行っているが、2011年から静岡県以外のエリアでもワンウェイボトル(ボトル使い切り型)サービスを開始し、顧客件数を伸ばしてきた。富士山の天然水を自社工場で製品化している。工場は静岡県内に2つあり、合計で約17万件相当の生産能力を有する。宅配水市場全体が成熟してきたこともあり、ここ1~2年は顧客件数の増加ペースも緩やかとなり、2017年3月末の顧客件数は135千件となっている。業界全体の2016年の顧客件数は350万件となっており、同社のシェアは4%弱の水準となっている。 6. その他 その他には、TOKAIライフプラス(株)の介護事業、トーカイシティサービス(株)の婚礼催事事業、東海造船運輸(株)の船舶修繕事業などが含まれる。 介護事業は2011年より開始しており、2017年3月時点で静岡県内にデイサービス施設、ショートステイ施設、介護付き有料ホームを合計7ヶ所運営している。また、婚礼催事事業は静岡県内の2施設で運営を行っていたが、2017年3月に1施設を閉館し、現在は1施設のみとなっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《TN》
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