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カドカワ Research Memo(10):新書籍工場の稼働により収益力が一段と向上する見通し
2017/6/14 15:40
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*15:40JST カドカワ Research Memo(10):新書籍工場の稼働により収益力が一段と向上する見通し ■新中期ビジョンと「ところざわサクラタウン(仮)」プロジェクト 2. 「ところざわサクラタウン(仮)」プロジェクト カドカワ<
9468
>は2016年12月に「ところざわサクラタウン(仮)」プロジェクトに関する、今後の固定資産取得予定額を発表した。「ところざわサクラタウン(仮)」はKADOKAWAが所沢市と連携して進める文化コンプレックスと街づくりを目指す「COOL JAPAN FOREST構想」の基盤となるもので、旧所沢浄化センター跡地(約3.7万平方メートル)に、KADOKAWAが書籍製造・物流工場、所沢キャンパス(オフィス)、新規事業施設(イベント会場・商業施設)を建設するプロジェクトとなる。 固定資産の取得価額は399億円(書籍製造・物流工場246億円、所沢キャンパス64億円、新規事業施設89億円)となり、2018年2月に着工、2020年4月の竣工予定となっている。建設費用は前期に長期借入金として調達済みで、すべて自己資金で賄う予定だ。このうち、書籍製造・物流工場についてはオンデマンド印刷が可能となる製造・物流一体の最新鋭デジタル設備を導入する。同工場が稼働すれば、書籍の小ロット製造や適時製造・適時配送が可能となるため、印刷費用や資材費用等の削減が図れるだけでなく、返品率の改善にもつながり利益率の向上に寄与することが期待される。 現状は大手印刷会社に印刷を発注しているが、書籍等の重版を行う際は一定以上のロットでないと採算が取れなかった。しかし、新工場が稼働すれば、小ロットでも製造できるため需要に合わせたフレキシブルな製造体制が実現することになる。もちろん、オフセット印刷のほうがコスト優位となる場合もあり、すべてを新工場で製造するわけではないが、新工場の稼働によって返品率は20%台半ばまで低下する可能性があると見ている。生産能力に余力がある場合、同業他社からの受注も可能と見られることから、同社の収益力はさらに強固なものになると考えられる。稼働当初は減価償却負担から利益面ではマイナス要因となるが、中長期では増益要因となり、同社の収益に貢献するものと予想される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NB》
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