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ベルシス24 Research Memo(5):AI等の新テクノロジーを活用した新たなサービス展開を目指す

2016/12/8 16:28 FISCO
*16:28JST ベルシス24 Research Memo(5):AI等の新テクノロジーを活用した新たなサービス展開を目指す ■中長期的な経営戦略 ベルシステム24ホールディングス<6183>では、継続業務の拡大、伊藤忠連携、新テクノロジーを活用した新たなサービスの展開、海外展開、採用と拠点展開を成長戦略に掲げている。同社が極めて重要だとしているAI等の新テクノロジーを活用した新たなサービスの展開、及び「拠点×人材」戦略の推進による採用・リテンションの強化について以下に記す。 (1)未来型の「Advanced CRM Partner」として 従来の消費者からの問い合わせに対応するといった業務だけでなく、AIを導入した自動対応や、ナレッジマネジメント、アナリティクスまでをプラットフォーム化し、クライアント企業に提供することを目的としたのが「Advanced CRM構想」である。従来型の業務では、クライアント企業内で行っていた消費者対応の業務を同社が受託することで、クライアント企業に対しコスト削減というメリットを提供していた。しかしながら、現在、クライアント企業は自身のコア業務へリソースの集中を進めており、ノンコア業務のアウトソースニーズが顕在化してきている。こうしたニーズに対し、同社はクライアント企業における課題の発掘やビジネスプロセスの変革を手掛けることで、クライアント企業の「Partner」として、業務領域を拡張している。今後は、さらに、新たなビジネス機会の創造をクライアント企業のニーズと位置付け、「Advanced CRM Partner」への進化を進めている。今後は、AI等の新技術を活用した新たなプラットフォームを提供し、同社とクライアント企業が保有する情報やデータを融合することで、消費者一人ひとりに最適な対応ができるようになるなど、これまでにない付加価値が提供できると考えている。特に、AIによる自動対応、消費者の価値観分析や行動予測、消費者別の最適モデルの提案を提供していくようだ。 同社には、多くの消費者とのやり取りの膨大なデータがノウハウとして蓄積されており、今後、AIに学習させるための重要な要素となる。こういった膨大なデータを利活用できるのが同社の大きな強みであり、AIをビジネスに活用する素地を有していると言えるだろう。 今後、消費者対応において、AIなどのテクノロジーは欠かせないツールとなってくるだろう。ここで、日本語の自然言語処理が重要となってくる。英語など他の言語と比べると、日本語は曖昧さの取り扱いが難しく、音声だけを拾っても文字や漢字変換の問題があるため、英語などよりもハードルが高い。同社では、必要なテクノロジーを有している企業との幅広い提携や協業に注力する方針である。電話等の音声対応におけるAIの活用は、比較的近い時間軸での実現を見込んでいるようである。 同社が保有する消費者対応の膨大なノウハウに、AIなどの新しい技術を連携させることで従来にないCRMプラットフォーム(Advanced CRM Platform)を創出し、新しい価値をクライアント企業に提供するといったビジネスモデルの進化を目論んでいる。ここで重要なのは、他社との提携や協業である。伊藤忠グループのCTC(伊藤忠テクノソリューションズ<4739>)との連携、AI技術を活用したEC等でのWeb接客サービスを提供する(株)空色への資本業務提携はもちろんだが、今後も様々な協業を進めていくようだ。 効率化や自動化が進むと、同社の事業において規模の縮小が懸念されるが、同社では新たなプラットフォームをクライアント企業に提供することによるレベニュー・シェアやプロフィット・シェアによる収益獲得を考えているようだ。守りだけでなく攻めの姿勢も打ち出していく積極性は評価できるだろう。同社の基幹事業はCRM事業であり、迷うことなく同分野を深耕することを選択している証左とも言える。 伊藤忠グループとは人的交流も含めて連携を深めているようだ。特に「Advanced CRM構想」においては、社内のノウハウだけでなく、社外の広範なビジネスノウハウを活用する必要がある。同社は経営陣の強いリーダーシップに加え、伊藤忠との人的交流や情報交換も含めて環境整備を迅速に進めている。 (2)人材の確保 小規模分散型のコールセンター「スモールオフィス」を2016年11月より開始した。住宅地に隣接したホームセンター等の中の利用率の低いスペースを利用し、50~100席規模のコールセンターを設置する。小売り店舗としてはスペースを有効活用でき、同社としては、同社のクラウドプラットフォームを活用し短工期かつ低コストでコールセンターを設置できることに加え、これまで雇用機会の少なかった郊外に居住している女性やシニア層も人材として取り込めるというメリットがある。将来的には在宅コールセンターの拡大まで見通している。働き方の改革を目指しているとも言えるだろう。 上記2点のほか、海外展開では、ベトナムのコンタクトセンター大手企業で、ベトナム国内8拠点でコンタクトセンター事業を展開するHoa Sao Group Joint StockCompanyの株式49%を取得、日本国内の多国籍企業のベトナムマーケット進出支援やオフショアニーズへの対応を視野に、ベトナムにおけるコンタクトセンター事業の展開を進めている。既にでき上がった事業を多額の資金で投資するのではなく、少額で成長性の高い企業への投資を行い、協同で大きく育てていくという方針のようだ。 (執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら) 《SF》
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時価総額 1,035,600百万円
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時価総額 92,413百万円
国内コンタクトセンター大手。カスタマーサポートやセールスサポート、BPO等のCRM事業が主力。伊藤忠商事が筆頭株主。通信系企業との取引比率が高い。配当性向50%目標。基礎業務のクライアント数は順調に拡大。 記:2024/07/02