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インヴァスト Research Memo(5):独自サービスで他社と差別化

2016/11/14 16:06 FISCO
*16:06JST インヴァスト Research Memo(5):独自サービスで他社と差別化 ■会社概要 (4)各種取引サービス 一般消費者がテレビやパソコンを購入しようとした場合、A社、B社、C社によって性能、デザイン、価格等が異なるため、他社製品との差別化を行うことは可能だ。しかし、株式売買においては、トヨタ自動車<7203>の株式をX証券で買ってもY証券で買っても「商品」は同じであるため、この点でX証券とY証券に差はない。せいぜい取引手数料が異なるくらいだ。インヴァスト証券<8709>が提供しているFX取引も同様に金融商品であるため、商品という点では同業他社と違いはなく、差別化はできない。同社では、より多くの顧客に取引を行ってもらうために以下のような様々な取引ツール(システム)を提供することで差別化を図っており、これが同社の特色、強みとなっている。 a)シストレ24 株式やFX取引で多くの投資家が悩むのが売買のタイミングや次の投資先(銘柄、ポジション等)であろう。「トレンドに乗り遅れたがどうしたらよいか」、「既に損が出ているが損切りのタイミングがわからない」、「利益が出ていたがいつの間にか損になってしまった」等々で投資家が悩むことは数多い。条件を設定しての自動売買も、その条件が満たされなければ次の投資(ポジション)には進まない。 これらの悩みを解決するために世界中で数多くの自動売買システム(ストラテジー)が開発、提供されている。これらのストラテジーの多くは、科学者(物理学者、数学者等)、元ファンドマネージャーやトレーダーなどが過去の経験則や各種のアルゴリズムに基づいて独自に作成したもので、投資家は1度初期投資およびストラテジーの選択を行えば、後はシステムが自動で売買を行ってくれる仕組みだ。言い換えれば、投資助言および執行をシステムが自動で行ってくれるのだ。 同社のシストレ24は、これらの世界中の投資のプロが考案した「ストラテジー」と呼ばれる自動売買プログラムを提供するプラットフォームであり、現在は世界中から集めた約6,500のストラテジーが提供されており、ストラテジー数では世界No.1のシストレプラットフォームである。同社では「質は数に宿る」との考えに基づき、世界中から多くのストラテジーを集め、どこよりも優秀なストラテジーを提供している。同社の顧客はこれらの中から好みのストラテジーを選んで投資の初期設定をするだけで、後は自動的にFX取引(売買)を繰り返してくれる。もちろん、いつでも投資を中止することも可能である。 一方でこれだけ多くのストラテジーが提供されていると、投資家側はストラテジーを選択するのも大変であるが、同社のシステムでは独自の精査により1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、稼動以来のストラテジーのランキング(必ずしもパフォーマンスだけではない)を提示すると同時に、同社が独自に定めた各種のステータス(調子が良い、悪い、得意な相場傾向、トレードスタイル等)を表示し、投資家のストラテジー選考の補助を行っている。この結果、同社の「シストレ24」はFX初心者をはじめ幅広い層から人気を集め、リリースから約 5 年で総口座数90,000口座を突破するサービスとなっている。 さらに同社では、2016年9月12日から、この「シストレ24」を一段と進化させた「シストレ24・フルオート」のサービス提供を開始している。上記のように同社の「シストレ24」では世界中から数多くのストラテジー(自動売買プログラム)が提供されているが、ある特定のストラテジーが永遠に収益を上げ続ける(勝ち続ける)ことはなく、一方で別のストラテジーが負け続けることもない。そうであれば、ある時点でストラテジーの入れ替えを行うことでより高い投資収益を上げることが可能になるはずである。 同社ではその考え方に基づき、提供するストラテジーの過去6年間のパフォーマンス及び傾向を分析し、相場動向によってその相場に合うストラテジーへ自動で入れ替えを行うシステムを自社で開発した。これが「シストレ24・フルオート」である。 b)トライオートFX 通常のFX取引注文だけでなく、各種条件を設定してオートパイロット(AP)注文を行うことができるサービス。オートパイロットとは人間の裁量取引を補助するという意味で、注文+セーフティ設定を行うことで自動売買、自動停止を実現している。条件を設定するだけで、「新規⇒決済⇒新規」を繰り返すIf Done型の注文システムで、事前条件に基づいた半自動型の取引システムとも言える。 c)トライオートETF トライオートFXのETF版。各種条件を設定して世界各国に上場されているETFに対してAP注文を行うことができるサービス。同社の調べでは、ETF特化型証拠金取引としては世界初のサービスである。日本ではまだあまり注目されていないが、ETFは近年最も高い成長率を誇る金融商品の1つで、これまでの一般的な投資信託に代わるものとして世界中で人気を集めている。言い換えれば、ETFとは金融のプロフェッショナルによる努力と改善によって開発されたポートフォリオで構成された株式と言える。 トライオートETFでは現物のETFを売買するのではなく、差金決済(CFD)の仕組みを採用することにより、実際の有価証券を保有しないことで購入代金の為替リスクを排除し、配当を受ける権利や差損益を受け取る権利、つまり経済的な便益だけを得る仕組みになっている。投資対象は、売買する際のスプレッド等のスペックに影響する流動性、信頼に足る十分な純資産規模、そしてETFのパフォーマンスに影響するコスト率などから厳選した26銘柄が採用されている。 d)「くりっく365」及び「くりっく株365」 「くりっく365」とは、東京金融取引所が取扱っている為替証拠金取引(FX取引)の愛称である。同社の顧客がFX取引を店頭(同社との相対)ではなく、東京金融取引所での取引を希望する場合には、この「くりっく365」を通して同社が顧客の注文を同取引所へ取り次ぐ。これは株式の取引と同様で、同社は顧客から一定の手数料を徴収する。現在は米ドル/円など人気の24通貨での取引が可能になっている。 「くりっく株365」は「くりっく365」の株価指数版で、FX取引の替わりに株価指数の取引を行うもの。 e) FX24 同社が提供するFX取引サイトで、顧客は同社が提示したレートに対して取引する。店頭取引であるため手数料は無料、主要12通貨で取引が可能。 (5)特色、強み a)「シストレ24・フルオート」 記述のように同社では「シストレ24」のストラテジー選択および入れ替えも自動化した「シストレ24・フルオート」のサービス提供を開始した。 このサービスでは、投資家が一度ストラテジーを選択して投資を開始するとそのストラテジーに基づいて自動売買が繰り返されるが、ある時点での相場局面の変化によって、より最適なストラテジーへ自動で入れ替えてくれるものだ。これによって投資家はFX取引の売買タイミングに悩むこともなく、また次のストラテジーの選択や入れ替えタイミングに悩むこともなくなる。まだサービス開始から間もないので、結果に対する検証はまだ先になるが、シミュレーション上では「シストレ24」よりさらに高いパフォーマンスを達成出来る見込みである。FX取引は行いたいが、常に売買タイミングやストラテジーの入れ替えを考えることに躊躇する投資家にとっては魅力的な取引ツールと言える。 現在、このようなストラテジーの自動選択・乗換えが行えるサービス(システム)を提供しているのは国内では同社だけであり、提供しているストラテジーの豊富さと合わせて同社の大きな強みであり、今後の展開は大いに注目する必要があるだろう。 b)投資家ニーズに合った様々の取引ツール 記述のように同社では、FX店頭取引において投資家のレベル、経験、好み、要望等に応じて様々な取引ツールを提供している。 このように様々な取引ツールが提供されているので投資家は自分の投資スタンスやリスク許容度に応じて好みのツール選択が可能で、これも同社の特色であり強みと言えるだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》
関連銘柄 2件
7203 東証プライム
2,607
11/28 15:30
+36(1.4%)
時価総額 41,177,531百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8709 JQスタンダード
683
9/28 14:34
+3(0.44%)
時価総額 4,032百万円
FXが主力の金融商品取引事業者。ETF、くりっく365も手掛ける。シストレ24、トライオートFXなど自動売買に特徴。国内金融事業は堅調。トレーディング損益は横ばい。受入手数料は増加。20.3期通期は増収。 記:2020/07/17