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3Dマトリック Research Memo(3):ターゲット施設数の拡大とともに、施設当たりの売上高増加にも注力していく

2016/10/24 8:51 FISCO
*08:51JST 3Dマトリック Research Memo(3):ターゲット施設数の拡大とともに、施設当たりの売上高増加にも注力していく   ■業績動向 (2)吸収性局所止血材(TDM-621)の地域別取組状況と今後の計画 a)欧州地域 欧州市場では、2014年1月にCEマーキングを取得後、前第1四半期よりドイツ、フランス、英国等の有力医療施設をターゲットに販売代理店を通じた販売を開始している。販売代理店は当第1四半期末で14社と前期末比で横ばいであったが、ターゲット医療施設数は同5件増の125件へと拡大した。ただ、医療施設での導入姿勢が想定以上に慎重なこともあり、売上高は6百万円と当初計画を若干下回った。止血材の使用状況に関しては、従来と同じく心臓血管外科手術や内視鏡的手術が中心となっており、製品評価についても変わりなく良好なもようだ。 第1四半期の販売は計画を下回ったものの、8月は計画を超過しており5月−8月の販売実績は計画比で約87%の水準となっていること、また、第2四半期にはドイツ、フランスで各1社と新たな販売契約の締結を予定しているほか、スペイン、イタリア、北欧各国で販売が開始される見込みであることから、第2四半期の売上高については前四半期比で3〜4倍増が予想される。とはいえ、現状はまだ販売代理店向けのトレーニングやプロモーション活動に注力している段階であり、売上高が顕著に増えてくるのは第3四半期以降となりそうだ。 スリー・ディー・マトリックス<7777>では今後の課題として、ターゲット医療施設数の拡大もさることながら、医療施設当たりの売上高増加(使用医師数の増加)に注力していくことを挙げている。止血材は競合品も多く、既存製品で不便を感じていない医師に対して、同社止血材への切り替えメリットをいかに提案できるかが重要となる。そのために販売代理店へのトレーニングやプロモーション活動を今後も積極的に行っていく方針だ。なお、販売代理店数については今期末までに25社、ターゲット医療施設数は250件、欧州向けの売上高としては294百万円(前期28百万円)と期初計画を据え置いている。 一方、欧州エリアを対象とした販売契約交渉については、候補先企業3社との協議を継続している状況に変わりない。契約締結に向けて、欧州やアジア・オセアニア地域での更なる販売実績データの積み上げ等が必要であり、2018年4月期中の契約締結を目指している。 臓器出血領域においては症例実績の積み上げに時間を要しそうなことから、適用領域を心臓血管外科や内視鏡的手術などに絞った格好で販売契約を締結する可能性もある。契約締結による契約一時金としては、従来と同じく2,000百万円を見込んでいる。また、欧州向けの止血材の売上計画としては、2018年4月期に約1,800百万円、2019年4月期に約3,800百万円を見込んでいる。 なお、止血材とは別に内視鏡的手術後の後出血予防材に関して、CEマーキングの登録申請を行っており、早ければ2017年4月期中にも承認される見込みとなっている。欧州では食道や胃、大腸等の内視鏡手術後に約5~20%の割合で術後出血があり、創傷治癒の遅延や治療部位の症状悪化によって、再入院するケースがある。患者のQOLの維持や医療費・医師の負担軽減なども含めて、術後出血予防に対する潜在的なニーズは高いと思われる。 欧州市場における止血材市場は年間約1,000百万ドル程度とみられ、このうち消化器内科の需要は14.6%程度と同社では推定している。現状、消化器内科の内視鏡手術において止血材はなく、止血方法としては電気的な焼灼止血処置が一般的に普及している。同社は同領域において止血材の販売開拓を行っているが、術後出血予防材のCEマーキング承認が得られれば、同用途での販売も開始する方針となっている。潜在需要は同領域における止血材の需要とほぼ同程度の規模が見込めることになる。また、同用途での承認が得られれば、販売パートナー契約の実現性が高まるものと弊社ではみている。 b)アジア・オセアニア地域 アジア・オセアニア地域についてはCEマーキング適用国において製品登録申請等を行い、また、販売提携なども進めながら売上を拡大していく計画となっている。当第1四半期の売上高は0.8百万円と期初計画の10百万円を下回った。主因は前述したようにMaquet社向けを中心に出荷が第2四半期以降にずれ込んだことによる。Maquet社向けには前第4四半期に17百万円、インドネシアのTeguhsindo社向けには同様に27百万円の初期ロットの出荷を行っており、これらの在庫消化が進めば第2四半期以降に出荷される見通しとなっている。現地の販売状況については想定よりも立ち上がりは遅れているものの、評価そのものはおおむね良好との意見を得ているようだ。また、シンガポール、マレーシア向けに関しては現地販売代理店であるTransmedic Healthcare Sdn. Bhd(以下、Transmedic社)向けに第2四半期以降、出荷が開始される見込みだ。 アジア・オセアニア地域の2017年4月期の売上高は172百万円(前期52百万円)を計画している。このうち約6割はMaquet社向け等の年間最低購買契約で決まった数字となっているが、残りの4割は販売見込み額となっており、今後医療施設への導入ペースが想定を下回るようだと下振れ要因となるリスクがある。ただ、東南アジアでは競合品が先進国と比較して少ないことや、同社止血材の長所である「透明で視認性が良く、操作性に優れる」といった点も受け入れられやすいポイントであるだけに今後の成長期待は大きい。 なお、2017年4月期に関しては、韓国で下期にCEマーキングでの製品登録承認が得られる見通しとなっており、販売パートナーであるDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd.(以下、Daewoong社)向けの初期ロット販売とマイルストーン収益50百万円を計上する見込みとなっている。 その他、中国では販売パートナー候補先との契約交渉が進んでいる。当第1四半期の事業進捗としては最も前進した案件と言える。現在、現地の医療機器メーカーや病院グループなど複数社と具体的な協議を進めている段階で、契約締結後に治験を進めていく予定となっている。契約締結の時期は早ければ2017年4月期中となる可能性もあるが、今回の業績計画では2018年4月期に契約一時金600百万円を織り込んでいる。中国市場は潜在的な需要が大きいだけに、今後の動向が注目される。 c)中南米地域 中南米についてもCEマーキング適用国において製品登録申請等を行い、また、販売提携などを進めながら売上を拡大していく計画となっている。当第1四半期はチリでの販売が開始され、売上高は0.6百万円となった。また、ブラジル、メキシコ、コロンビアでも販売代理店契約を締結しており、当第2四半期から第3四半期にかけて販売が開始される予定となっている。ただ、経済情勢等から急速な需要の立ち上がりは見込んでおらず、2017年4月期の売上高は30百万円を計画している。 d)日本 国内においては2015年3月に製造販売承認申請を取り下げ、現在はより精度の高い治験を2017年4月期中に開始するべく、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)と治験の規模や評価方法等についての詳細な検討を進めている状況にある。 症例数については前回の治験で97症例だったが、今回は比較試験を実施する場合は100~200症例程度の範囲で落ち着くと見られる。年内か遅くとも今期中には治験を開始したい考えだ。PMDAとの協議次第で申請時期が遅れる可能性はあるものの、順調に進めば治験期間で9ヶ月程度、平均審査期間で15ヶ月程度と見られることから、最短で2019年初め頃に販売承認が得られる可能性がある。業績面では2019年4月期の業績計画において、販売承認取得に伴うマイルストーン収益で約800百万円、製品販売で約900百万円を見込んでいる。 e)北米地域 米国ではIDE申請(治験計画届に相当)に伴うプロトコル設定に関する協議を継続している状況にあり、「止血効果について客観的な評価基準を区分設定する」ための非臨床データの収集を行っている段階にある。同社では同データを基に止血効果の客観的評価基準を自社で設定し、2017年4月中の治験開始を目指している。ただ、今までのFDAとの協議状況を考えれば開始時期が来期にズレ込む可能性も考えられる。今期中に治験が開始できたとすれば、治験期間は1年程度、審査期間は6ヶ月程度を要するものとみられ、承認取得時期は早くて2019年春頃となる。業績計画では2019年4月期に販売契約一時金で2,100百万円を見込んでいる。 また、カナダについてはCEマーキング適用国であり、医療製品登録申請を行い2017年4月期中の登録承認を目指しており、承認取得後に販売代理店契約を行い販売を開始する予定となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《TN》
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時価総額 11,307百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材は欧米で好調。欧州で次世代止血材の製造販売承認申請。疑義注記。 記:2024/09/19