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ピクスタ Research Memo(4):プロ限定だった市場にアマチュアを呼び込むことに成功、新たな市場を創り出した
2016/10/11 16:04
FISCO
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*16:04JST ピクスタ Research Memo(4):プロ限定だった市場にアマチュアを呼び込むことに成功、新たな市場を創り出した ■ストックフォト事業の現況 (2)ピクスタの特徴と強み ピクスタ<
3416
>の強みの各ポイントは以下に詳述するが、重要な視点は「アマチュア」であると考えている。これは売り手であるクリエイターと購入者の売り買い双方に通じている。従来はプロ限定だった写真の商業利用について、同社は「PIXTA」という新たなマーケットプレイス(市場)を創出し、そこに売り買い双方においてアマチュアを呼び込むことに成功した。同業他社にもアマチュアを対象としているところはあるが、アマチュアに対する取り組みに最も注力しているのが同社であり、そこが同社の強さの源泉となっている、というのが弊社の理解だ。 a)圧倒的な国内素材数 同社は1,807万点(2016年6月時点)の素材を有している。総点数では海外勢との比較で差があるのは否定できないが、特徴ある品ぞろえで強みを出している。それは日本関連の素材だ。ユーザーが日本人主体ということに加えて、日本の文化や自然に対する注目度合いが世界的に高い点も同社に有利と言える。マーケットプレイスという事業モデルでは、量(素材点数)の多寡が利用価値の高低に直結する(後述する“ネットワーク外部性”)ため、日本関連という限定された分野であっても、そこでトップの地位にあることは明確な強みと言える。 同社は創立後、短期間でデジタル素材を積み上げることに成功しているが、この背景にはアマチュアのクリエイターの存在がある。2016年6月時点でのクリエイター数は約205,000人で、そのうちの約90%がアマチュアとなっている。同社が、アマチュア・クリエイターからの投稿数増加と質の向上を目指して、セミナーや撮影会など様々な施策を恒常的に実施している。 b)安定的な収益モデル 同社の事業モデルはリピート購入者が積み上がっていくことで安定的に収益が増加する積み上げ型収益モデルということだ。この収益モデルがワークするためには、前述したように、素材点数が継続して増えることが必要になるが、この点で同社が強みを有していることは前述のとおりだ。 素材点数の多さがリピーターの増加につながり安定収益をもたらすという循環を創り、継続するには、燃料や触媒が必要だ。弊社では、同社の顧客ターゲットとそれに合わせた料金体系がそれに当たると理解している。同社はライトユーザー(デザインを本業としない個人や一般企業)と呼ぶアマチュア層を重要な市場と位置付けており、その掘り起こしに注力している。これに合わせた料金プランが単品販売制で、ライトユーザーにとって使いやすく、また、競合他社に対する差別化要因ともなっている。こうした工夫の結果、“素材点数の充実⇒リピーター利用者の増加⇒収益の安定化”という流れを確立することに成功している。 c)蓄積されたデータ・ノウハウの活用 同社は素材の販売動向などを分析し、そこから得られた“売れる”素材作りのノウハウをクリエイターに提供している。さらには情報提供にとどまらず、撮影技術向上のためのセミナーやワークショップや撮影会を全国で開催している。 同社の行なっている特徴的な取り組みとして、「人物専属クリエイター」の強化がある。これは人気のある人物写真を、「PIXTA」にエクスクルーシブ(専属)で投稿してくれるクリエイターのことだ。言わば「売れ筋商品(売れるクリエイター)の囲い込み」戦略と言えるだろう。また、同社のサイトにおいては売上上位の素材をランキング形式で表示している。購入者に対するアピールと、クリエイターに対する“売れる写真”作りのインスパイア(啓発)の2つの狙いが込められている。 こうした施策は、まさに同社が有するデータとノウハウによるものであり、こうした地道な努力が、前述の“素材点数の充実⇒リピーター利用者の増加⇒収益の安定化”という正の循環にも大きく貢献している。 d)ネットワーク外部性 ネットワーク外部性とは、あるサービスの利用者が増加するほどそのサービスの利便性や効用が増加することを言う。ネットワーク外部性が存在する場合、新規加入者の便益は既存加入者数に依存するため、ある程度の加入者数が集まるまでは普及が遅々として進まないが、ある一定の水準を超えたところから急激に普及が進むという現象が見られる。上述のa)からc)で述べたように、同社のサービスにもこのネットワーク外部性が存在していると言える。“素材点数の充実⇒リピーター利用者の増加⇒収益の安定化”という正の循環は、ネットワーク外部性そのものと言える。同社は日本関連素材では、海外勢も含めた競合他社を大きく上回っている。他社が類似サービスを始めた場合、一定レベルのクリエイター及び写真素材数を集めるまでには相当の時間を要することが想像され、それが参入障壁として働くと考えられる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《HN》
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ピクスタ
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時価総額 2,991百万円
デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」の運営を行う。素材点数は約9300万点。出張撮影プラットフォーム「fotowa」の運営等も。PIXTA事業では少量ダウンロードプランの利用ユーザーが増加。 記:2024/06/24
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