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アクセル Research Memo(3):16/3期は減収減益、研究開発費の増加が減益要因

2016/5/24 16:30 FISCO
*16:30JST アクセル Research Memo(3):16/3期は減収減益、研究開発費の増加が減益要因 ■決算動向 (1) 2016年3月期業績概要 4月25日付で発表されたアクセル<6730>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比18.9%減の8,982百万円、営業利益が同85.2%減の244百万円、経常利益が同86.7%減の220百万円、当期純利益が同89.8%減の113百万円と減収減益決算となった。遊技機器市場の縮小傾向が続き、グラフィックスLSIの販売数量が減少したことに加えて、研究開発費の増加が減益要因となった。 遊技機器の市場動向を見ると、パチンコホール数の減少とともにここ数年は漸減傾向が続いている。2016年3月期においてはパチンコ・パチスロホールの娯楽施設としての健全性を向上するための取り組みとして、「のめり込み防止」を目的とした自主規制を導入※したこともあり、遊技機器の販売台数は前期比20万台減の290万台となった(内訳は、パチンコが20万台減の190万台、パチスロは横ばいの100万台)。一般的に射幸性を抑える方向での自主規制が導入された場合は、一時的に客離れを起こしやすくなるため、新機種の販売台数は減少する傾向にある。 ※パチンコでは2015年11月にMAXタイプ規制(大当たり確率の上限引き下げ)、12月に盤面の釘調整に関する取り締まり強化(一般入賞口への入賞確率の基準設定)を実施。パチスロでは2015年12月に出玉管理をメイン基板制御(新基準)に統一した。 こうしたなかで、同社の製品別売上動向を見ると、遊技機器向けLSIは前期比18.3%減の8,743百万円となった。このうち、主力のグラフィックスLSIは、「AG4」から「AG5」への世代交代が順調に進んだものの(AG5比率は10%から40%に上昇)、遊技機器市場全体の減少に加えて、同社主力顧客の不振が響いて、販売数量は前期比18万個減の約108万個となり、業界シェアは若干低下したものとみられる。金額ベースでは単価の高い「AG5」の比率が上昇したことで、約1割減にとどまった。一方、その他周辺LSIに関しては前期比4割減と大幅減収となった。特定顧客向けメモリモジュールがグラフィックスLSIと同じく主要顧客の販売不振により落ち込んだことが要因だ。 組み込み機器市場向けグラフィックスLSIは、建設機械など顧客先の販売動向が低調だったことにより、前期比18.9%減の146百万円となった。また、顧客の開発支援用ソフトや評価基板、デジタル簡易無線向けLSI、「H2MD」等のソフトウェアIP製品を含むその他売上高は、前期比49.7%減の92百万円となった。 売上原価率は遊技機器向けグラフィックスLSIの販売構成比上昇に伴い、前期比3.0ポイント低下の54.3%となったものの、売上高の減収に伴い売上総利益は前期比13.3%減の4,101百万円となった。また、販管費は経費抑制に努めたものの、研究開発費の増加を主因として同771百万円増の3,857百万円となり、大幅減益の要因となった。 なお、期初会社計画比で見ると、遊技機器市場全体の販売台数は計画よりも減少幅が小幅にとどまったのに対して、同社のグラフィックスLSIは計画を下回る結果となっている。これは前述したとおり、同社特定顧客の販売が想定を下回ったことが主因となっている。この結果、売上高については会社計画を18.3%下回ったが、研究開発費の一部が次年度以降にずれ込んだことにより、営業利益についてはほぼ計画どおりに着地した。なお、当期純利益については特別損失としてたな卸資産の除却損を41百万円計上したことにより、会社計画を約52百万円下回った。 (2)財務状況と経営指標 2016年3月末の総資産残高は前期末比2,405百万円減少の12,156百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金・有価証券が同3,436百万円減少した一方で、在庫が同516百万円増加した。現金及び預金・有価証券の減少は自己株式の取得(2,000百万円)や配当金の支払い(428百万円)、税金支払い等が主因となっている。また、在庫については、4月以降に販売予定のグラフィックスLSIやメモリモジュール製品の増加によるものであり、不良在庫となるリスクは低いものと考える。ちなみに、3月末の受注残高は1,896百万円と3四半期ぶりに増加に転じている。固定資産では、投資有価証券が153百万円の増加要因となっている。 負債合計は前期末比105百万円減少の900百万円となった。買掛金が510百万円増加する一方で、未払金や未払法人税等、未払消費税等が減少した。また、純資産は同2,300百万円減少の11,256百万円となった。自己株式取得や配当金の支払いにより、利益剰余金が同2,314百万円減少したことが要因だ。 経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は92.6%と高水準を維持し、無借金経営を継続するなど、財務内容は引き続き良好な状況にあると判断される。収益性に関しては業績の悪化に伴い、営業利益率やROEなどすべての指標面で低下したものの、今後も売上高営業利益率で10%以上、ROEで15%以上の水準を目指していく方針に変わりない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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ファブレス半導体メーカー。遊技機器向けグラフィックスLSIで国内トップシェア。AI、ブロックチェーン等を活用した新規事業も展開。パチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIは47万個の販売見込む。 記:2024/06/11