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【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家山副耕一氏:投資に充てる金額はどれくらいがベストだろうか?

2016/4/18 20:06 FISCO
*20:07JST 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家山副耕一氏:投資に充てる金額はどれくらいがベストだろうか? 以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家山副耕一氏(ブログ「子供に伝えたい株式投資」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。 ---- ※2016年4月18日10時 に執筆 投資に充てる金額はどれくらいがベストだろうか? 投資にどれだけの金額を投資すればよいのか?誰もが一度は考えたことがある悩みだと思います。 もちろん画一的な答えはなく、投資家それぞれの状態で変わってきますが、答えにたどり着くまでのアプローチをイメージしてみました。 (1)まずは、希望する収益額をイメージします。 必要とされる金額は、今後のライフプランにおける収支や資金の不足額によるところが大きくなります。となると、簡単なものでもよいのでキャッシュフロー表を作成し、生涯収支のイメージ作りを行うことが第一歩となります。 (2)大まかな希望収益額が求められると、次は、「希望収益額=投資元本×利回り×期間」の公式をイメージして計算します。 ※厳密には複利効果が働くので期間は掛け算でなく乗数ですが簡略化しています。 ※レバレッジはかけないものとしています。 ※投資元本も元本一括、継続して追加する場合がありますが簡略化しています。 (3)この式の中で最も明確なものは期間です。65歳までの期間とします。 (4)残る投資元本と利回りですが、いずれを先に算出するのか悩みどころです。 投資可能な元本と目標利回りの数値の組み合わせを何通りも考えながら、妥協点を探っていくしかないのかもしれません。「できることなら少ない投資額として、日々の生活の資金を残しておきたい。でもその時に必要となる利回りは到底出せそうにない。であれば、もう少し節約をして投資額を増やすしかないか。この際晩酌のビールはやめて焼酎にしようか。」このような試行錯誤を繰り返すことになります。 (5)ただし、この組み合わせを考えることができるのは、保有するポートフォリオや投資銘柄の組み合わせによる収益率がイメージできるときのみです。 (6)どれくらいの利回りとなるのだろうか?とのイメージすら持てない場合は、自分が出せる投資額を先に算出し、その後目標利回りを逆算することになります。 このような順序で、投資元本の額と目標利回りを算出しますが、投資信託やインデックスを利用する場合の目標利回りの設定は、個別株式における設定よりも難しいものです。よくインデックスは簡単だと言いますが、あくまで値動きの確認方法が簡単なのであり、どのくらいの収益になるのかのイメージは逆に難しくて考えることすらできないものであると言えます。 この点は別の機会に話すとして、各世代における投資元本と目標利回りの組み合わせモデルを計算してみました。 1000万円の収益を求める場合の積立モデル式は、 ◆20代の場合 毎年20万円×2%×35年 (元本700万円) 毎年14万円×4%×35年 (元本490万円) 毎年 6万円×8%×35年 (元本210万円) ◆40代の場合 毎年41万円×2%×20年 (元本820万円) 毎年34万円×4%×20年 (元本672万円) 毎年22万円×8%×20年 (元本440万円) ◆50代の場合 毎年91.3万円×2%×10年 (元本913万円) 毎年83.3万円×4%×10年 (元本833万円) 毎年69万円×8%×10年 (元本690万円) 1000万円の収益を求める場合の元本一括モデル式は ◆20代の場合 500.0万円×2%×35年 253.4万円×4%×35年 67.6万円×8%×35年 ◆40代の場合 673.0万円×2%×20年 456.4万円×4%×20年 214.5万円×8%×20年 ◆50代の場合 82.00万円×2%×10年 675.6万円×4%×10年 463.2万円×8%×10年 このようになります。 改めてこのモデルを確認すると、若い世代が投資を始める場合、投資期間において大きなアドバンテージがあることがわかります。その分、投資元本はあまり大きなものを望むことは難しいかも知れませんが、若い世代から資産形成を始めることは大変大きな武器となることを伝えなければいけないですね。今更壮年世代に熱く語ったところで、若さは取り戻せませんから。 反対に投資期間があまり残されていない場合には投資元本を大きくせざるを得ません。 自分の状態でのメリットはどこか?どの項目を有効的に使うのか?投資を始める前にこれらの点をしっかりと考えることが必要です。 また、どれだけの利回りを目標とするのか?またその利回り目標が実際に獲得できる能力があるのかどうかも大きな影響があります。豊かな生活のためにも、ある程度の利回りを獲得する能力は、是非とも身に着けておきたいものです。 「でも、思い通りに運用ってできるの?」という観点も必要です。思い通りの運用となると、あまり大きなリスクは取れません。であれば、債券投資の登場です。ただし、現状、債券投資ではほんのわずかな利回りすら稼ぐことが難しくなっています。このため、債券での資産形成は大変大きな元本と長い投資期間が必要になります。イメージでは、980万円×0.1%×20年でしょうか。 この体制(=980万円の元本の準備)が取れるのであれば、無理に株式投資を行う必要はありませんが、多くの場合ほぼ不可能です。この結果、金利水準が低い期間は株式投資を有効的に利用すべき期間となります。 期待収益と実現性とリスクのバランス…金利が事実上消滅してしまった中で、少ないながらもインフレである現状においては大変難しい投資判断となります。 期待収益を優先して、ハイリスクを受け入れるのか?安定性を第一とするのか?その場合は収益が期待できないが果たしてそれは正しい答えなのか?縮みゆく日本へ投資することになる国内株インデックスはリスクに見合う収益となるのか?まだ揺れ動く新興国は保有価値があるのか?今やマイナスの利回りである国内債券は、資産分散の一翼としてマイナスであっても保有すべき資産なのか。 悩みは尽きませんが、そんな時だからこそ自分の収益モデルを一度作成してみることをお勧めします。 ---- 執筆者名:山副耕一 ブログ名:子供に伝えたい株式投資 《NO》