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あいHD Research Memo(5):買収したNBS Technologies Inc.が加わり売上高は高い伸び率

2016/3/25 17:02 FISCO
*17:02JST あいHD Research Memo(5):買収したNBS Technologies Inc.が加わり売上高は高い伸び率 ■決算動向 (1) 2016年6月期第2四半期実績 a)損益状況 あい ホールディングス<3076>の2016年6月期第2四半期決算は、売上高24,466百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益3,973百万円(同21.8%増)、経常利益4,121百万円(同3.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,873百万円(同2.3%減)となった。 売上高は、既存商品が好調に推移したことに加えて買収したNBS Technologies Inc.の分が加わったこともあり高い伸び率となった。利益面では、主力のセキュリティ機器がマンション向けを中心に順調に拡大したこと、情報機器でシルエット社の売上高が年末商戦向けを含めて好調であったことなどから営業利益は前年同期比で大幅増益となった。ただし経常利益は、前年同期に計上された負ののれん(927百万円)がなくなったことなどから営業外収益として計上された持分法による投資利益(1,025百万円)がこの上半期は158百万円へ減少したことから、前年同期比で微減益となった。その結果、親会社株主に帰属する四半期純利益も微減益となった。 セグメント別の営業利益及び主要セグメントの状況は以下のようであった。 ●セキュリティ機器 売上高は5,577百万円(同17.1%増)となり、営業利益も1,845百万円(同33.0%増)と増収増益を達成した。この上半期の業種別の導入実績は、5,261件であったが、このうち75.9%がマンション向け、残りの24.1%が金融・証券(7.9%)、学校・医療・公共施設(2.2%)、工場・倉庫等(2.2%)であった。 マンション向け売上高(内部消去前)は3,930百万円(同30.6%増)と大幅増となったが、特に昨年から注力し始めた大手ハウスメーカー系不動産会社との提携による賃貸マンション向けが着実に増加しつつある。マンション向け導入件数は全体で3,695件(同77.8%増)であったが、新規が大幅増となった。分譲向けが伸び悩んでいるように見えるが、実際は限られた営業リソースを賃貸向けに振り向けたことによる結果であり、分譲向けの市場がピークに達しているわけではなく、分譲向けも足元の状況は好調のようだ。 法人向け売上高(同)は1,753百万円(同6.1%減)となったが、これは官公庁向け案件が減少したことに伴うもので、金融機関向けのリプレイスや大手食品メーカー工場向けの需要は底堅い動きとなっている。さらに大手代理店として今までの富士ゼロックス(富士フイルムホールディングス<4901>)の販売会社に加え、2015年3月からリコー<7752>の販売会社が加わったことで、今後の販売増が期待できそうだ。 ●カード機器及びその他事務用機器 セグメントの売上高は2,834百万円(同56.7%増)と大幅増となったが、これは2015年3月に買収したNBS Technologies Inc.分が含まれているためである。一方で営業利益は403百万円(同19.5%減)となった。営業利益の内訳としては、「カード機器」が34百万円(同87.1%減)と大幅な減益となったが、この要因のひとつは昨年のメガバンク関連向け即時発行機の大口案件の反動によるもの。さらに買収したNBS Technologies Inc.の業績が予想以上に低迷し約84百万円の赤字を計上したことによる。 一方で「その他機器」の営業利益は369百万円(同56.9%増)と好調であったが、これは鉄骨業界向けの専用CADソフトが数年前に発売した新製品等の寄与により引き続き好調を維持したことによる。 ●情報機器 セグメント別売上高は8,524百万円(同30.1%増)、営業利益は1,192百万円(同56.0%増)となった。引き続きシルエットが手掛けるコンシューマー向けカッティングマシン関連が好調であったことからシルエットの親会社であるGraphtec Americaの連結営業利益(内部消去前)が1,199百万円(同79.2%増)となった。国内を担当するGraphtec Japanも開発関連の経費負担を負いながら営業利益を計上した。ただし、ラベルプリンタ事業を担当するために新たに設立されたGraphtec Digital Solutions(米国)は、同事業の立ち上がりが大幅に遅れたこともあり、営業損失となった。 シルエットの2016年6月期第2四半期の業績は売上高、営業利益ともに好調に推移した。前年同期のような港湾ストの影響もなく、新製品投入効果により本体、消耗品、コンテンツ販売ともに順調に拡大し大幅な増収・増益を達成した。本体の販売台数は、2015年に投入した「New CAMEO」の効果もあり大幅増となった。またダウンロード会員数も2015年12月末には順調に拡大している。販売ルートとしては、以前からのamazonを中心とした通信販売、同社製品を取り扱う大手専門店チェーンに加えて、代理店販売が増加しつつあり、このルートでの販売が伸びている。 その一方で今期から新規に立ち上がったラベルプリンタ事業では、一部でラベルの印刷結果に画質や印字の安定性に不十分な点が見られたことから、印刷品質の改善を進めるため製品出荷をストップした。このためこの上半期の売上高はゼロとなった。既にこうした問題はトナーを含め印刷ユニットの改良により解決の目処が立っているとのことだが、これらの対応のため、本格的な販売の立ち上がりは来期になると予想される。一方、そうした中でも販売やサービス網の整備は着実に進んでいて、下記のように世界各地で販促活動を積極的に展開中でおおむね好評を得ている。 ●設計事業 設計事業の売上高は2,197百万円(同2.6%減)、営業利益は253百万円(同5.6%増)となった。引き続き耐震診断関連の引合・受注は好調に推移しており順調な結果であったと言える。この部門は、特別に大きな伸びも期待できないが大きく減少することも考えにくく、安定した業績が続くと予想される。 b)財政状況 2016年6月期第2四半期末の総資産は46,871百万円(前期末比2,193百万円増)となった。主な要因は、流動資産における現金及び預金854百万円減、受取手形及び売掛金1,284百万円増、商品及び製品1,409百万円増、無形固定資産429百万円増(主にのれん412百万円増)、投資その他の資産353百万円減などである。 負債は13,884百万円(同604百万円増)となったが、主な要因は、流動負債における支払手形及び買掛金465百万円増、固定負債452百万円増など。 純資産は32,987百万円(同1,589百万円増)となったが、主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,952百万円、為替換算調整勘定244百万円減など。この結果、自己資本比率は70.4%となった。また自己株式4,694百万円(9,228,692株)を有しているが、「基本的には将来のM&Aに使いたい」と会社はコメントしている。 c)キャッシュフロー 2016年6月期第2四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが67百万円の支出、投資活動によるキャッシュフローが212百万円の支出、財務活動によるキャッシュフローが772百万円の支出となった。その結果、期末の現金及び現金同等物は960百万円減少して14,186百万円となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》
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