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アバント Research Memo(9):新たな中期経営計画を発表、既存事業の成長で実現を目指す

2015/11/2 12:16 FISCO
*12:16JST アバント Research Memo(9):新たな中期経営計画を発表、既存事業の成長で実現を目指す ■中期計画と株主還元策 (1)中期計画の概要 アバント<3836>は8月14日に新たな中期経営計画(2016年6月期−2018年6月期)を発表した。最終年度における業績目標値は、売上高11,740百万円、営業利益1,360百万円とし、年平均成長率は売上で9.5%、営業利益で19.1%とした。営業利益率で見ると、2015年6月期の9.0%から2018年6月期は11.6%まで引き上げていく計画となっている。 売上高については、連結経営による企業のガバナンス強化やマネジメント力強化に向けたシステム投資の拡大を追い風として、既存事業での成長で実現を目指していく。既存事業のうち主力製品の「DivaSystem」に関しては、機能の向上だけでなく自動化を進めることで、より使い勝手のよいソフトウェアとしての進化を目指すだけでなく、コンサルティング力、サポート力の向上を図ることで、顧客数の拡大を図っていく方針。「DivaSystem10」ではクラウドサービスにも対応したことで、今後の顧客数拡大が期待され、フロービジネスからストックビジネスの比率を高めていくことで、売上成長とともに収益性の向上も図っていく。 また、大手ベンダーのBIツール導入支援で強みを持つジールや、マイクロソフトのERP導入支援を中心に展開するディーバ・ビジネス・イノベーションに関しては、収益性が自社開発品よりもやや落ちるものの、コンサルティング能力の高い人材の採用や育成強化を進め、専門性の高い領域に特化していくことで、売上高の拡大に注力していく。 さらに、同社ではアウトソーシング・サービス事業の更なる強化を図り、第3の事業柱として育成していきたい考えだ。企業にとって決算処理業務は季節性の高い業務のため、アウトソーシングに対する潜在的なニーズは大きい。欧米などでは決算業務のアウトソーシング化は一般的になってきており、今後、国内でもこうした流れが強まっていくものと考えられる。現状は、企業が独自でこうした業務を行っているか会計事務所などへ委託するケースがほとんどだが、同社は会計システムの導入からサポート、実際の業務のアウトソーシング・サービスに至るまで、ワンストップソリューションで提案できることを強みに、同事業の拡大を進めていく戦略だ。また、アウトソーシング・サービスは労働集約的で収益性も相対的に低い事業となるが、同社では独自のオートメーションシステムの開発を進め、業務生産性を向上していくことで収益性も確保し、業界内でトップ企業としての地位を確立していきたい考えだ。 同社の顧客数はグループ全体で約1,000社となっており、1社当たりの平均売上高で見れば約9百万円の水準となる。今後はプロダクト及びサービスの拡充を進めていくことで、既存顧客からの売上拡大が期待されるほか、新規顧客の開拓も進むものとみられることから、中期計画の年率9.5%成長は実現性が高いものと弊社では考えている。 営業利益率の向上施策としては、人員体制の強化による外注費の社内への取り込みを進めるほか(外注比率は2015年6月期36.1%→2018年6月期27.3%)、多岐にわたるサービス事業の効率化や標準化(自動化)による生産性向上を図っていく。 また、2018年6月期の第1四半期でのれん償却(年間113百万円)が完了することも利益率の押し上げ要因となる。のれん償却前営業利益率で見ると2015年6月期の10.3%から2018年6月期は11.8%となる計算であり、前期に不採算案件の発生といったイレギュラー要因があったことなども考慮すれば、十分達成可能な水準と言えよう。 なお、海外戦略については引き続き調査段階にあり、まずは国内での事業体制をより強固なものとし、海外展開に耐えうる財務体質を構築した上で進出する計画となっている。このため、今後開発していく製品については、海外市場での利用も前提とした設計開発を行っていくこととしている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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経営管理特化のソフトウエア開発等を行うアバント、連結会計システムの開発等を行うディーバなどを傘下に収める持株会社。トヨタ自動車などが主要取引先。連結会計アウトソーシング市場でのシェア拡大などに注力。 記:2024/08/05