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宇徳 Research Memo(6):2015年3月期に、ROEとROAのいずれもが10%を超える

2015/7/22 16:13 FISCO
*16:13JST 宇徳 Research Memo(6):2015年3月期に、ROEとROAのいずれもが10%を超える ■会社概要 (6)高ROE 宇徳<9358>の2015年3月期のROE(自己資本当期純利益率)は14.7%、ROA(総資産経常利益率)が15.9%といずれも10%を超え、突出したパフォーマンスを上げた。東証1部上場の倉庫・運輸関連業23社の中で、ROEとROAが2ケタなのは同社、トランコム<9058>、エーアイテイー<9381>の3社しかない。売上高が1,000億円を超える三井、三菱、住友系の倉庫会社のROEは、望ましい水準と考えられている8%に対し5%にも達していない。業種によっては、事業規模が小さいものの高収益分野に特化している、もしくは大企業でスケールメリットを得て収益性が高い、しかしそのどちらでもない2番手グループ企業は収益性が抑えられるという傾向が見られるが、同社には当てはまらないようだ。同社は、営業収入が500億円程度で売上規模が23社中、12位であるものの、高い収益性を実現している。 2014年度における同社のROEとROAがともに10%を超えているため、高ROEが特別利益などの特殊要因によるものではないことがわかる。 ROE(自己資本当期純利益率=当期純利益÷自己資本)は、収益性(売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高)と資産効率(総資産回転率=売上高÷総資産)、他人資本の活用(自己資本比率の逆数、財務レバレッジ=総資本÷自己資本)に分解できる。同社は、財務の健全性を表す自己資本比率が66.2%と高い(財務レバレッジが1.51倍と低い)ものの、総資産回転率が1.51回と比較的高いことが、高ROEに貢献している。ちなみに倉庫業の場合は、総資産回転率が1回未満であることが、ROEを低くする要因となっている。 後述する「業績動向」の欄で触れるが、2015年3月期の業績は通期の経常利益予想が四半期決算発表のたびに上方修正され、さらに実績が直前予想を上回るという好業績であった。港湾事業は期の後半に北米西海岸のおける港湾ストの影響を受けたものの、プラント・物流事業が電力関連の重量物輸送工事の取扱量が増加し、シンガポールで既存工事の追加受注を得るなど想定以上の収益を確保した。このため、2015年3月期の業績は、『出来過ぎ』と言えよう。ただし、過去5期のROEの水準を見ると、2011年3月期に極端に悪くなっている以外は、おおむね高水準を維持している。2011年3月期は、円高、原油価格の高騰、公共投資の抑制、期末の東日本大震災により受注作業が中断・中止という影響を受けた。災害による損失等の特別損失が膨らみ、経常利益が前期比1.4%の微増であったものの、当期純利益は同79.8%も減少した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《HN》
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