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城南進学研究社 Research Memo(2):顧客長期化するために乳幼児や小学生の取り込みを強化

2015/7/17 16:05 FISCO
*16:05JST 城南進学研究社 Research Memo(2):顧客長期化するために乳幼児や小学生の取り込みを強化 ■中期経営計画と進捗状況 (1)現行中期経営計画の概要 城南進学研究社<4720>は2015年3月期を初年度とする中期経営計画に取り組んでいる。同社は大学受験予備校から出発したこともあり、伝統的に顧客(生徒)の年齢構成が逆三角形(17歳~18歳が最も多く、年齢が下に行くほど少ない)だったということがある。これは同時に、大学受験生は基本的に1年~2年間の付き合いでしかなく、少子化時代にあっては先細りにつながるということだ。こうした状況を改善すべく同社は、かねてより乳幼児や小学生の取り込み強化に取り組んできた。 今中期経営計画ではそうした流れを引き継ぎ、乳幼児育脳教室「くぼたのうけん」や英語教室「ズー・フォニックス・アカデミー」などを通じて乳幼児の積極的な取り込みを掲げている。また、個別指導教室「城南コベッツ」においても、中高生主体でスタートしたが、近年では小学生の取り込みも強化している。一方で同社は、目先の量的拡大を追求するのではなく、質の高い教育サービスの提供に強いこだわりを有している。「FCの積極展開」を掲げつつも、徒らに量的拡大のみを追求しないのは、そうした同社の質へのこだわりが背景にあるというのが弊社の理解だ。 (2)業績計画の進捗状況 中期経営計画初年度に当たる2015年3月期決算は、中期経営計画の業績計画を上回って着地した。2016年3月期の業績予想も、中期経営計画業績計画を上回るものとなっている。詳細は後述するが、2015年3月期は全事業部門が前期比増収となり、好調な決算であった。同時に、今後、同社の乳幼児教育を中心とする成長シナリオ実現への課題も明確となった。現中期経営計画は、現状の流れの中で十分達成可能であると弊社では考えているが、次期中期経営計画以後の長期的な成長を考える上では、その課題の克服は避けて通れない。 同社の成長シナリオ実現の課題は人材の確保だ。このこと自体は新しいものではなく、従来からの大きなテーマだ。ただ、同社のスタンスとして、サービスの質を落とさないことを最優先の課題としており、その上でパートナーによる出店が十分可能と判断される場合に限りFC展開を進めている。そのため、ユニークな教育法を採用し人材育成に時間をかける必要がある乳幼児教育においては、FC展開を慎重に考えているものと思われる。人材難は同社に限ったことではないが、同社が自前で人材育成プログラムを確立することにより、資金力があって乳幼児教育に興味を持つ法人パートナーを引き付けることにもつながると弊社では考えている。 (3)大学入試制度改革:新たな成長シナリオ化への挑戦 同社が従来から強みを持つ、大学受験生を含む中高生部門は、少子化や大学全入時代という波にもまれつつも、好調を維持している。特に大学受験生(高3生、浪人生)においては、業界全体の傾向値に対してアウトパフォームしていると言える。この要因は、同社の高校生ビジネス(予備校部門及び個別指導部門)が、平均的な学力のボリュームゾーンをメインターゲットとしていることと無関係ではないというのが弊社の理解だ。 同社のこうした現状から、新たな成長戦略の可能性が見えてくる。それは、大学入試制度改革との関連において、新たな収益成長モデルを創出できる可能性だ。今明らかになっている大学入試制度改革の内容は流動的であるが、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」や「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入などが検討されている。方向性としては、AO入試が増加するほか、入学試験において思考力や判断力重視型への移行などが予想されている。こうした流れの中にあっては、学習習慣を身につけることや教科書を中心とした基礎学力を習得することが一段と重要になってくると考えられる。前述のように、この領域は同社が最も得意とするところだ。 同社の個別指導部門の規模は、業界の中では準大手クラスだが、それは今後の出店余地があることを意味する。同社は大学受験予備校を発祥とするため、大学受験指導のノウハウも蓄積されている。また、個別指導教室におけるビデオ教材の活用も進んでいる。このように、高校の授業を基本としつつも生徒の希望やレベルに応じて、指導の内容を柔軟に変えることができる体制が整っていることが強みとなって、大学入試制度改革を自社の成長につなげていくことができると弊社では期待している。制度改革の内容はいまだ確定していないが、今後の議論の推移は同社への投資を考える上で大きな注目点と言える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《HN》
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時価総額 2,646百万円
東京・神奈川地盤の総合教育ソリューション企業。個別指導教室「城南コベッツ」や映像授業専門教室「河合塾マナビス」、乳幼児教室「くぼたのうけん」等を展開。学研HDと業務資本提携。AI活用の業務合理化進める。 記:2024/09/02