マーケット
10/10 15:15
39,380.89
+102.93
42,512.00
+431.63
暗号資産
FISCO BTC Index
10/10 21:17:12
9,139,055
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

アドバネクス Research Memo(6):前期は精密ばね、プラスチックともに好調、財務体質は大幅に改善

2015/6/29 17:37 FISCO
*17:38JST アドバネクス Research Memo(6):前期は精密ばね、プラスチックともに好調、財務体質は大幅に改善 ■業績動向 (1) 2015年3月期業績 ○損益計算書—好調な精密ばね事業 アドバネクス<5998>の2015年3月期の売上高は、29,487百万円(前期比8.8%増)、営業利益は1,081百万円(同31.8%増)、経常利益は992百万円(同21.0%増)、当期純利益が535百万円(同21.6%減)となった。精密ばね事業の売上高は、17,628百万円と同12.7%増え、全体の59.8%を占めた。主力の自動車向けが、2ケタ成長で全体をけん引し、英国の「医療向け」が大幅に増加した。精密ばね事業の営業利益は769百万円と前期比58.9%増加した。売上高営業利益率は、前期比1.1ポイント増え、4.4%に上昇した。一方、プラスチック事業の売上高は11,859百万円と前期比3.4%増にとどまった。同事業の営業利益は305百万円と前期比8.4%減少し、同売上高営業利益率が前期比0.3ポイント減の2.6%になった。マレーシアにおけるAV機器向けの需要が減少し、採算も悪化した。 営業利益の伸び率に対し経常利益の増加率が低かったのは、持ち株比率が28%の子会社の業績悪化による。持ち分法による投資損失として前期比163百万円増の239百万円が、営業外費用に計上された。同子会社株式の評価をゼロとしたため、2016年3月期以降は同様の損失を被ることはないだろう。当期純利益が減少した。第一化成ホールディングスの株式売却益147百万円を特別利益に計上した一方、福島工場跡地において集中豪雨等による土砂崩れが発生し、その修復工事見積額105百万円を特別損失に繰り入れた。また、第一化成ホールディングスの株式を一部売却していたことから、少数株主利益159百万円が発生し、当期純利益の減少を引き起こす一因となった。第一化成ホールディングスの株式は、期末に残りの株式を譲渡したため、2016年3月期はプラスチック事業の売上高も営業利益もなくなる代わりに、少数株主利益も発生しない。 営業利益が261百万円の増加となった。増益要因は、円安の影響のほか、アジア及び英国のばね事業の増収(1,231百万円)と中国等のばね事業のコスト削減などによる限界利益の改善(326百万円)であった。一方、減益要因は、円安の悪影響に加え、国内や英国等における人件費の増加、船橋電子買収に伴う固定費の増加等(1,296百万円)であった ○貸借対照表—自己資本比率が大幅に改善 第一化成ホールディングスの株式を期末に譲渡したため、プラスチック事業の事業活動が損益計算書に反映されたが、期末の貸借対照表からは除かれた。2015年3月期末総資産は、16,554百万円と前期比3,686百万円減少した。自己資本が同2,274百万円増加して7,002百万円となったため、自己資本比率は前期の23.4%から42.3%へ大幅に上昇した。有利子負債が3,977百万円と前期比3,080百万円減少したことから、D/Eレシオ(有利子負債÷自己資本)は0.57と1を切り、財務の安全性が高まった。 会社のパフォーマンスを図る主要な指標であるROE(自己資本当期純利益率)は、前期の15.5%から9.1%に低下した。ROEは、収益性(売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高)と資産効率(総資産回転率=売上高÷総資産)、他人資本の活用(自己資本比率の逆数、財務レバレッジ=総資本÷自己資本)に分解できる。増収に当期純利益の減少で、利益率が低下した。財務レバレッジが下がり、資産効率の改善を打ち消す格好となった。 ○キャッシュ・フローの状況 2015年3月期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期比662百万円増加し、3,407百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、増益と減価償却費が増えたため2,139百万円となり、前期比304百万円増加した。投資活動によるキャッシュ・フローは、同社及び英国子会社の設備投資額が増え、1,179百万円となり、マイナス幅が134百万円増えた。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済により794百万円とマイナス幅が248百万円拡大した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《YF》
関連銘柄 1件
5998 東証スタンダード
849
10/10 15:00
-20(-2.3%)
時価総額 3,526百万円
精密ばね・精密加工品メーカー。自動車関連向け売上比率が高い。デンソーなどが主要取引先。設計から量産まで一貫して行う。点滴等に使用される留置針用ばねで国内トップシェア。国内は自動車向け売上が回復傾向。 記:2024/06/18