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成長戦略第3弾における注目テーマと注目銘柄(3):個人レベルで未病予防の意識を高める仕組み作りが進む可能性

2015/6/8 14:00 FISCO
*14:00JST 成長戦略第3弾における注目テーマと注目銘柄(3):個人レベルで未病予防の意識を高める仕組み作りが進む可能性 個人レベルで未病予防の意識を高める仕組み作りが進む可能性 当実行計画の中にある「戦略市場創造プラン」関連の項目には「国民の「健康寿命」の延伸」というテーマがある。このテーマが目指す将来の社会像としては以下の3つが挙げられている。 1、効果的な予防サービスや健康管理の充実により、健やかに生活し、老いることができる社会 2、医療関連産業の活性化により、必要な世界最先端の医療等が受けられる社会 3、病気やけがをしても、良質な医療・介護へのアクセスにより、早く社会に復帰できる社会 また、上記の社会像を実現するために複数の施策項目が当該資料で挙げられているが、日本の財政状況と少子高齢化を迎えた人口構造をふまえれば、将来的に社会保障費(特に医療費など)を抑制でき、成長産業として育成できる仕組みを構築する施策が注目される。 その中で、当社は病気の症状が発症する前に未然に防ぎ、データによって健康状態を維持・管理する「データヘルス・未病予防」分野がこれからの規制緩和、社会的要請に応えられると考えている。病気を未然に防ぎ、加齢による身体機能の障害を軽減する健康状態を維持することで、政府としてもこれまで病気の発症、加齢に伴う身体的な障害に対して歳出していた膨大な社会保障関係費を抑制でき、その抑制分の費用をこの「データヘルス・未病予防」分野に振り分けることができる。個人においても、未病予防、身体機能維持のための健康づくりをしたほうが将来的な医療費、介護費などの支出を抑制できる動機付けにもなると考えられる。 上記の内容を考慮すると「実行計画」の中で「データヘルス・未病予防」分野に関連する注目すべき施策は下記のものだと考えられる。 ■予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり 全ての健康保険組合をはじめ、医療保険者が、2014年度以降、順次、レセプト・健診情報等を活用した「データヘルス計画」の作成・公表を行い、2015年度までにレセプト・健診情報などのデータ分析に基づく保健事業を実施することを推進する。 ■個人に対する健康·予防インセンティブの付与 ・保険者の保健事業として、加入者へのヘルスケアポイントの付与や現金給付等を行うことができる旨を明示し、その普及を図る。 ・財政上中立な形で各被保険者の保険料に差を設けるようにすることを可能とするなどのインセンティブの導入について、公的医療保険制度の趣旨を踏まえつつ検討する。 ■保険者に対する健康·予防インセンティブの付与 後期高齢者支援金の加算・減算制度について、保険者に対するより一層の効果的なインセンティブとなるよう、特定健診・保健指導の効果検証等も踏まえつつ、2015年1月に社会保障制度改革推進本部で決定された医療保険制度改革骨子に沿って、所要の措置を速やかに講じることを目指す。 ■地域医療連携ネットワークの普及促進 自治体ごとに個人情報保護条例やその運用(患者同意の取り方等)が異なっていることが、地域医療連携ネットワークの普及促進のための課題となっているとの指摘があることを踏まえ、2014年度中に全国各地の事例の収集及び成功事例の分析を行い、所要の措置を講じる。 上記の施策の内容、医療保険制度改革骨子の内容をふまえると、国の社会保障費の適正化(歳出抑制)に貢献する個人や高齢者に対して制度上の優遇措置などを設定して、個人レベルにまで身体機能の維持や病気の発症を未然に防ぐための健康管理意識を高める動機づくりがなされる可能性が考えられる。また、国・自治体・健康保険組合・事業会社などでは、レセプト・健診情報等を活用した「データヘルス」で個人の身体機能の維持、未病予防をするための仕組みづくりが進むことが考えられる。 また、政府は目指す社会像と実行計画を実現するために、健康産業のグレーゾーンを解消し、健康産業の育成と活性化のための仕組みづくりを進めている。 《KS》