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ウィルグループ Research Memo(7):ニッチ業種特化でシェア拡大と業務請負拡大を狙う

2015/2/18 16:45 FISCO
*16:48JST ウィルグループ Research Memo(7):ニッチ業種特化でシェア拡大と業務請負拡大を狙う ■トピックス (2)3つの成長戦略の進展 (a)シェア拡大 ウィルグループ<6089>の最大の特徴は、「ハイブリッド派遣」と呼ばれる特殊な派遣方式にある。これは同社の正社員(フィールドサポーター)が派遣スタッフとともに派遣先に就業する。正社員が一緒にいてマネジメントをすることで、派遣スタッフの士気が高まり、業務効率が高まるほか、正社員と派遣先の現場責任者とが密な関係を築くことができ、増員計画など、クライアントのニーズに素早く対応できる。 これに加えて同社は、業種特化型にすることによって、総合的なサービスを提供している大手企業に比べ、さらに手厚い対応ができている。特化する業種は大手があまり手掛けたがらない分野が多く、競争の少ないニッチ市場で事業拡大をしているという点も大きな特徴である。 同社が成長戦略に掲げるシェア拡大とは、ハイブリッド派遣を増やすことによって、シェアを他社から奪うことではない。一般派遣からハイブリッド派遣や業務請負に、あるいは、ハイブリッド派遣を業務請負に、といった具合にクライアントからの受注形態を利益率の高い業務請負に移行させることを指す。確かにハイブリッド派遣は他社のシェアを奪う大きな武器であるが、成長戦略の本当の目的は、シェア拡大と同時に利益を押し上げることにある。 ちなみにハイブリッド派遣は一般派遣同様、あまり利益率は高くない。しかし、クライアントのニーズに素早く対応でき、営業面でも高い信頼関係を築きやすいことからシェア拡大に優位と言える。また、さらに信頼関係を深めることによって、業務を丸ごと引き受ける業務請負に受注が移行する可能性も高くなる。 2015年3月期の第3四半期は、この移行が着実に進んだ。第3四半期の業態別の売上高構成比は、一般派遣が売上高構成比で33.4%、ハイブリッド派遣が売上高構成比で36.6%となった。これらに対し、業務請負は売上高構成比で26.7%となった。具体的には、すでに決算の解説で触れたようにセールスアウトソーシング事業で業務請負への移行拡大が進んだ。移行が順調に進んだ要因の1つは、ハイブリッド派遣の貢献が挙げられよう。第3四半期末のフィールドサポーターの人数は前期末比9人増の190人となった。ハイブリッド派遣の受注が拡大する一方で、それ以上の速さでハイブリッド派遣から業務請負への移行が進んだのだと推測できよう。 移行の割合が数値的にはわずかという見方もあるかもしれないが、潜在需要があってもすべてをあえて受注しないのと同様、急激に業務請負が増加すれば、人材確保のコストが利益を大きく圧迫する恐れがある。移行はシェア拡大と利益確保を同時に実現しながら行う必要があり、今回の移行の割合は理想的なペースであるようだ。 ちなみに、業態別には、人材紹介がある。人材紹介は一過性のフロービジネスであるが、利益率はその他の業態に比べて非常に高い。人材紹介の売上構成比は売上高構成比で2.8%となった。これに関しては、3つの成長戦略のうちの「人材紹介業の強化」で詳しく説明する。 (b)エリア拡大 同社の拠点は、国内・海外併せて前期末に比べ6拠点増の66拠点(2014年12月末)となった。内訳は、セールスアウトソーシング事業で前期末比1拠点増の21拠点、コールセンターアウトソーシング事業で前期末比5拠点増の19拠点、ファクトリーアウトソーシング事業で同2拠点増の7拠点、その他で同6拠点増の19拠点となった。 国内の地方拠点は、ほぼ整備が完了したと考えられているようだ。今後はファクトリーアウトソーシング事業における工場近辺などで地方拠点の更なる上積みを図るほか、大都市圏で介護士派遣の拠点拡充を進める。 2015年3月末には71拠点への拡大を計画している。内訳はコールセンターアウトソーシング事業及びその他の拠点に変更はないが、セールスアウトソーシング事業が22拠点、ファクトリーアウトソーシング事業が2014年12月末比4拠点増の11拠点増となっている。 (c)人材紹介業の強化 同社では新市場の創出と利益率の向上を目的に、経験を積んだ派遣スタッフを派遣期間終了と関係なく、派遣先などに正社員として紹介する人材紹介業にも力を入れている。シェア拡大の説明でも触れたが、業態別の売上構成比は2.8%となった。派遣と請負に加えて新たな市場として着実に成長していると言えよう。 人材紹介は顧客にとっても、ミスマッチのない採用が可能になるというメリットが期待できる。しかし、同社にとっては育成したスタッフを手放す行為という見方もあろう。利益率は高いかもしれないが、フロービジネスであり、収益の安定という側面から疑問視する派遣企業も少なくない。しかし、同社は将来、正社員として働けるかもしれないという期待が持てることによって、逆に派遣スタッフの新規の確保がしやすくなるうえ、定着率が向上すると考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光) 《FA》
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セールスアウトソーシングやコールセンターアウトソーシングなど領域特化型の人材ビジネスを展開。家電量販店への販売員派遣に強み。建設技術者派遣等を強化。26.3期売上高1700億円目標。正社員派遣の拡大図る。 記:2024/05/03