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ウィルグループ Research Memo(2):四半期5期連続の増収増益、創業以来過去最高を更新

2015/2/18 16:34 FISCO
*16:35JST ウィルグループ Research Memo(2):四半期5期連続の増収増益、創業以来過去最高を更新 ■決算概要 (1)2015年3月期の第2四半期連結決算 ウィルグループ<6089>の2015年3月期の第2四半期連結決算は、売上高が前年同期比22.2%増の15,185百万円、営業利益が同13.3%増の335百万円、経常利益が同16.5%増の341百万円、四半期純利益が同25.3%増の189百万円となった。第2四半期ベースでの増収・増益は5期連続、売上高、利益とも創業以来の過去最高を更新した。期初計画比では、売上高が0.1%の上振れとなったほか、営業利益が80.1%、経常利益が83.3%、四半期純利益が170.0%の大幅な上振れとなった。 売上高では、商品販売のスタッフ派遣及び業務請負を行う「セールスアウトソーシング事業」、コールセンターのオペレーター派遣及びコールセンター業務の請負をする「コールセンターアウトソーシング事業」、製造業における工場等の軽作業の業務スタッフ派遣と業務請負を行う「ファクトリーアウトソーシング事業」の3つの主要セグメントがいずれも2ケタの増収となった。セールスアウトソーシング事業の売上高は前年同期比21.4%増の6,198百万円、コールセンターアウトソーシング事業の売上高は同17.6%増の3,928百万円、ファクトリーアウトソーシング事業の売上高は同21.1%増の3,481百万円となった。 セールスアウトソーシング事業は、業務請負の受注が拡大した。コールセンターアウトソーシング事業は、テレマーケティングサービス会社を中心に新規顧客の開拓が成功し、人材派遣を中心に受注が拡大した。ファクトリーアウトソーシング事業は、食の安全意識の向上に伴って食品製造の国内回帰が進んだため、同分野での人材派遣が拡大した。 また、同社のセグメントには、これら3事業のほかに国内新規事業と海外事業を合わせた「その他事業」がある。国内新規事業は、オフィス等への人材派遣、スポーツ業界への人材紹介、看護師紹介、外国語指導助手(ALT)派遣、障害者紹介、介護士派遣、幼児・児童向け語学学校の運営、IT技術者派遣、インターネットやモバイル・スマートフォン、ゲーム業界専門の人材紹介ビジネスであるネット人材紹介—である。海外事業は、アセアン地域を対象にした人材紹介や人材派遣業務である。この「その他事業」も同42.7%増の1,577百万円と大きな伸びを実現した。 けん引役となったのが、オフィス等への人材派遣、介護士派遣、ネット人材紹介、海外事業である。オフィス等への人材派遣は、企業業績の回復に伴い、派遣人員の需要が増加、前年同期比43.6%増の880百万円となった。介護士派遣は4月からスタートしたばかりの事業だが、介護士不足を反映し、受注は極めて好調で、月次平均で4,0百万円の売上高を計上している。ネット人材紹介は、金額こそ公表されていないものの、前年同期比20%以上の伸びとなった模様である。IT関連技術者の人手不足が売上拡大の要因と考えられる。また、海外事業は、8月に現地子会社を通じてシンガポールの人材紹介会社である「Scientec Consulting Pte. Ltd.(STC社)」の株式の60%を取得し、連結対象となったため、売上高が増加した。 営業利益に関しては、セールスアウトソーシング事業とファクトリーアウトソーシング事業が大幅な増益となる一方、コールセンターアウトソーシング事業が減益、その他事業で赤字が拡大した。具体的には、セールスアウトソーシング事業のセグメント利益は前年同期比54.4%増の253百万円、ファクトリーアウトソーシング事業は同94.1%増の64百万円、コールセンターアウトソーシング事業は同18.8%減の126百万円、その他事業は150百万円の赤字(前年同期は61百万円の赤字)となった。 セールスアウトソーシング事業は、人材派遣から利益率の高い業務請負への受注移行が進んだ。これは、同社の成長戦略の1つである「シェア拡大」の成果であるが、詳細は「トピックス」で説明する。また、ファクトリーアウトソーシング事業は売上高の増加に伴って増益となった。両事業ともに従業員の増加に伴うコストアップ要因があったが、売上高の増加で吸収した。また、採用作業の外注を行わないで人員を採用できた結果、採用に必要な経費の伸びも売上高の伸びの範囲内に納めることができた。一方、コールセンターアウトソーシング事業は短期受注が増加した結果、人材採用の回数や人数が増え、採用費用や人件費が増加して減益となった。ただ、同社によれば、これは、新規顧客の獲得に重点を置いたためであり、懸念材料にならないとしている。新規顧客は最初、短期発注からというケースが多い。信頼関係が深まれば、長期契約に移行すると考えられる。 その他事業は2014年3月期と同様、国内9事業のうち5事業が黒字化、4事業が赤字となった。売上高の増加に寄与したオフィス等への人材派遣、介護士派遣、ネット人材紹介、海外事業のうち、オフィス等への人材派遣とネット人材紹介が利益面でも寄与した。オフィス等への人材派遣は売上高総利益が前年同期比41.0%増の141百万円となった。また、ネット人材紹介は初めて黒字化した。介護士派遣は、売上高が急上昇してはいるが、始まったばかりであるため、利益に寄与できていない。海外事業はもともと黒字。STC社の買収で事業規模こそ拡大したものの、のれんの償却(5年償却)により、STC社の利益分は相殺されている。 経常利益は、2014年3月期に計上した東証二部上場時の上場関連費用44百万円がなくなったなどの理由で、営業利益以上の伸び率を示した。 四半期純利益には、過去に買収した企業が保有していた語学学校を事業の選択と集中の観点から同業のNOVAホールディングス(株)に売却したため、売却益約19百万円が特別利益として計上されている。 財務状況は良好である。四半期純利益の計上などにより、純資産は前期末比8.6%増の2,753百万円となった。シンガポールの人材紹介会社の買収や拠点の拡充で総資産は同6.9%増の6,510百万円となり、その結果、自己資本比率は同0.3ポイント減の40.8%となった。 一方、キャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが334百万円の黒字(前年同期は588百万円の赤字)となった。四半期純利益の計上による。 なお、参考までに前年同期の赤字は会計上の締め日とクライアントからの入金日に10〜15日程度のタイムラグがあり、前年9月末において入金されなかったためである。これは、売掛金に計上された。同社のクライアントは大手企業が多いため、入金日が厳格に守られていることが要因の1つになっている。 従来は債権流動化を行い、営業キャッシュフローを黒字化していたが、同社のクライアントは大手企業が多いため、貸し倒れとなる危険性がほぼないうえに2014年3月期においては上場益などによって潤沢なキャッシュが見込めたため、これを実施しなかった。 また、投資活動によるキャッシュフローは336百万円の赤字(同102百万円の赤字)となった。STC社の子会社化のための投資が赤字拡大の要因である。財務活動によるキャッシュフローは、有利子負債の減少から239百万円の赤字(同30百万円の黒字)だった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光) 《FA》
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セールスアウトソーシングやコールセンターアウトソーシングなど領域特化型の人材ビジネスを展開。家電量販店への販売員派遣に強み。国内はセールスアウトソーシング領域などが順調。建設技術者領域の生産性向上図る。 記:2024/10/22