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アクセル Research Memo(5):通期業績の見通しは保守的、上期までに高い進捗率

2014/12/8 17:57 FISCO
*17:57JST アクセル Research Memo(5):通期業績の見通しは保守的、上期までに高い進捗率 ■決算動向 (3)2015年3月期見通し 2015年3月期の業績は、売上高で前期比3.1%減の10,700百万円、営業利益で同30.3%減の1,350百万円、経常利益で同30.4%減の1,350百万円、当期純利益で同4.9%減の950百万円と8月の上方修正値を据え置いている。前提となる遊技機器の年間需要は330万台、グラフィックスLSIの販売数量はリユース比率の上昇(25%→30%)を見込み、同16万個減の約126万個を計画している。 製品別の売上高では、遊技機器向けグラフィックスLSIが前期比約1,000百万円減、特定顧客向けメモリモジュールを中心にその他製品で約650百万円の増収を見込んでいる。 上期までの進捗率が、売上高で55%、営業利益で81%となっており、会社計画は保守的との印象を受ける。通期計画を達成するために必要となる下期の売上高が4,763百万円に対して、9月末の受注残高は3,326百万円(うち、遊技機器用グラフィックスLSIは約50万個の受注残)と、既に70%弱に達している。受注残から出荷までのリードタイムが平均で3.5ヶ月程度とみられることから、今後、市場環境に大きな変化がなければ、売上高は計画を上振れする可能性が高いと弊社ではみている。 利益面で下期に大きく水準が下がるのは、対上期比で研究開発費の増加を見込んでいるためだ。次世代LSIの試作開発費用を見込むなど、研究開発費は上期の843百万円に対して下期は1,456百万円、通期では前期比210百万円増の2,300百万円を計画している。試作開発品の主なものとしては、2016年3月期中の投入を予定している組み込み機器用グラフィックスLSIの次世代品となる「AG903」のほか、遊技機器向けの演出周辺LSIなどが挙げられる。 一方、リスク要因としては、今年9月に実施されたパチスロ機の試験方法変更や、それに伴う業界の自主規制の影響により、パチスロ機の新機種投入計画が遅延する可能性があることが挙げられる。 実際に、遊技機器の型式試験を行っている一般財団法人保安通信協会(保通協)では、9月の新機種受理件数47件のうち、試験に合格したのはわずか3機種だけとなっており(1-8月累計では413機種中168機種が合格)、今後のパチスロ機メーカーの新機種開発計画に影響を与えるものとみられる。今回の試験変更の目的は、実質的に射幸性を抑制するためのものであることから、パチスロ機の販売台数にも影響が出てくるものと予想される。実際に影響が出るのは2015年以降となると思われるが、通期の遊技機器の販売台数は330万台を若干下回る可能性もある。ただし、アクセル<6730>の遊技機器向けグラフィックスLSIのうち、パチスロ機向けの比率は20%程度と低いため、グラフィックスLSIの販売に与える影響もそれほど大きくはないと言えよう。 また、もう1つのリスク要因としては、現在の主力製品である「AG4」のリユース品需要の増加が挙げられる。「AG4」は累計で350万個を超える販売を達成しており、中古流通市場から調達する動きが今後強まる可能性がある。ただ、現段階では想定の範囲内での動きとなる可能性が高い。下期から本格量産を開始した次世代品「AG5」の評価が高いためだ。 ○「AG5」の特長 「AG5」の特長は、描画性能やデータ圧縮率などの基本性能を「AG4」よりも大幅に向上させたことに加えて、CPUをワンチップに統合したことが挙げられる。顧客側から見れば、データ圧縮率向上によってメモリ容量の低減が図られるほか、ワンチップ化することで実装コストや部品コストの削減が可能となる。「AG5」の販売価格に関してはCPUを内蔵したことで従来品よりも1割強アップするものの、トータルコストで考えれば従来よりも低く抑えることが可能となり、顧客が採用するメリットは大きいと言える。 また、「AG5」のプロセスルールは「AG4」と同じ技術を採用しているため、量産当初の歩留まり悪化リスクも低い。さらには、設計の効率化によりチップ面積を抑制したことで、収益性も「AG4」と同じか、若干上回る水準が期待できる。今下期より本格的な量産を見込んでおり、2016年3月期に世代交代が本格化するものとみられる。 このため2016年3月期は、仮に遊技機器市場がパチスロ機の自主規制の影響で10%程度縮小したとしても、「AG5」への世代交代による平均単価の上昇や、リユース比率の低下、市場シェアの拡大などによって、グラフィックスLSIの売上高は増収に転じる可能性が高いと弊社ではみている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《FA》
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ファブレス半導体メーカー。遊技機器向けグラフィックスLSIで国内トップシェア。AI、ブロックチェーン等を活用した新規事業も展開。パチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIは47万個の販売見込む。 記:2024/06/11