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アイ・エス・ビー Research Memo(11):中計は売上高15,000百万円、営業利益750百万円を目指す

2014/9/29 17:15 FISCO
*17:18JST アイ・エス・ビー Research Memo(11):中計は売上高15,000百万円、営業利益750百万円を目指す ■中期経営計画と次代の成長を担う新事業 (1)中計の概要と2期目中間期までの進捗状況 アイ・エス・ビー<9702>は2015年12月期を最終年度とする中期3ヶ年経営計画を策定しており、現在はちょうどその中間点に位置している。同社の中計の業績目標は下の表のとおりだ。最終年度にあたる2015年12月期は売上高15,000百万円、営業利益750百万円を目指している。特に注目すべきは、営業利益率5%の達成という点だ。後述するが、現状の同社は過去の実績や同社が手掛ける事業の本質的な付加価値形成力に比して著しく低い営業利益率しか獲得できていない。同社経営陣もこの点に対する意識を強く有しており、利益率の改善に強い意欲を示している。 同社は今中計における課題として「ITサービス事業へのシフト」、「新規優良顧客の獲得」、「コスト競争力の強化」、「グループ連携強化」を掲げ、それぞれにおいて具体的なアクションプランを立てて実行中である。 「ITサービス事業へのシフト」の中核をなす新事業の状況については次の章で後述する。 「新規優良顧客の獲得」は優良な産業分野に進出して、既存主力分野への依存度を下げる狙いがある。既存の主力分野は、労働集約的側面が強いため仕事量の増大は人的費用の増大につながり易く、利益率が改善しない一因となっている。同社は社内的に「新規取引先」と「既存取引先における新規分野」の売上高目標を掲げて営業を強化してきた。2013年12月期の上期は達成率が294.8%、同下期239.2%となったが、2014年12月期上期は103.5%と計画こそ達成したものの、超過達成率が大きく鈍化した。この鈍化は主として、新規取引先の獲得ペースが鈍化したためと弊社では考えている。「新規」の定義は1年間であるため、昨年の新規顧客は今年から既存顧客になっている。今年は2年目ということで、予算の水準が昨年から倍増ベースで設定されているのも効いているとみられる。そのような中で、後述するように新事業が着実に進捗している点はポジティブであると言える。 「コスト競争力強化」について同社は生産性向上と人材確保の2つを掲げているが、人材確保は業界全体に繁忙度が上昇してきていることもあって、外注先人員の確保が優先で、費用コントロールについては厳しい状況にある。しかし、同社の場合には生産性向上の点でコスト削減余地が大きく、ここをきちんとコントロールできれば、人材確保でのコスト上昇を吸収して、全体でのコスト削減を実現できると弊社では考えている。 生産性向上のポイントは、(1)受注前の正確な見積りと、(2)受注案件の適切な工程管理にあると考えられる。同社のように数多くの受注案件を手掛けるうえでは、低採算・不採算の案件が一定数混じることは避けられないが、それをいかに削減するかということだ。2013年12月期の上期は低採算プロジェクト比率が計画の約4倍も高かったが、同年下期にはほぼ計画どおりまで低下した。2014年12月期の上期は再び計画の2倍の水準まで膨らんでいる。低採算プロジェクトのほとんどは、新規顧客の案件で起こるとみられ、昨年から今年にかけては、増加中の新規顧客の案件が相対的に多くなったことが低採算プロジェクトの増加につながっていると推測される。同社は「新規顧客の増加」を中計目標の1つに掲げているが、この「生産性向上」を実現して初めて中計の業績計画に結びつくことになる。この点、特効薬というのはなく、見積もり作業をこれまで以上に細密に行うということと、工程管理者によるコスト管理の徹底によって地道に採算確保に努めていくことが結果的には近道になるものと考えられる。 「グループ連携強化」は、本体とグループ会社で技術・ノウハウを共有する一方、実際の作業を地方・海外のグループ会社で行うことで地理的条件のメリットを生かして低コスト化を実現するという施策だ。同社はこれを“拠点戦略”と称している。この施策の成否を評価するポイントは、子会社の黒字確保が最も重要であるとフィスコでは考えている。この点、会社側に確認したところ、ほぼ目標どおりに順調に推移しているようだ。 2014年5月に完全子会社化したノックスデータはモバイルインフラ向けソフトウェアの開発で強みを有しており、利益水準は数千万円レベルと子会社の中でも群を抜いて高いのが特徴だ。また、完全子会社化に際しては、295百万円の負ののれん発生益を生じさせた。札幌システムサイエンスはソフトウェア開発を主力事業としており、北海道内の民間企業及び地方公共団体を主たる顧客として年商1,000百万円規模で事業展開をしている。官需に強く、マイナンバー対応需要で恩恵を受けると見込まれている。海外ではISB Vietnamが、売上高に占める“非アイ・エス・ビー化率”(自社グループ外向け売上高の比率)が2013年の40%から2014年上期には約50%にまで高まってきている。損益的にも黒字化が視野に入る水準にまで改善してきている状況だ。フィールドサービスを手掛けるエス・エム・シーが今第2四半期は若干の当期損失を計上した模様であるが、受注が一時的要因で急減した影響が大きく、構造的なものでないとフィスコではみている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《FA》
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ソフト開発会社。通信分野などの組込み系に強み。セキュリティシステムの開発も。24.12期は拠点統廃合費用などが利益を圧迫する見込み。配当性向は3割以上目安。新中計では26.12期に営業益27億円を目指す。 記:2024/04/12