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朝日アセットのSRIファンド「あすのはね」、中長期視点での分析に定評(2)
2014/9/17 12:30
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*12:30JST 朝日アセットのSRIファンド「あすのはね」、中長期視点での分析に定評(2) また、「あすのはね」が重視しているのがコーポレートガバナンス(企業統治)だ。わかりやすく言えば、投資先企業と投資家との利害や方向性が一致しているかどうかだ。それを確かめるために有効なのが「統合報告書」。発行している企業はまだ一部だが年々増加しており、投資先企業の本質を見抜くのに、非常な有効なツールなので各社のHPでチェックしてみて欲しい。 例えは、「あすのはね」で上位に組み入れているオムロン<6645>。統合報告書ではまず冒頭に山田社長が、資本効率を示す指標として、過去からROIC(投下資本利益率)を活用し、事業戦略の立案の中でROICを高める取り組みを行っていると明言している。同ファンドを運用する速水氏は、この点を高く評価しているという。なぜならば、投資において究極的には、いかに少ない資本で多くを稼ぐかが重要だからだ。もちろんオムロンはセンサー技術で社会的な課題を解決する姿勢が明快であることが、最大の選別理由であることは言うまでもない。 一方、電力会社は組み入れ対象にならない理由が明確だ。国から独立しているようで独立しておらず、ガバナンスがないに等しいことに加え、原子力政策を支える見えない負債も含めた企業の持続性に疑問が残るためだ。「あすのはね」は8月末現在32銘柄という比較的集中的に投資を行うこともあり、故にスキャンダルサーチについても徹底している。 事業の魅力度はもちろん、企業理念や文化、それを受けた従業員の教育なども仔細に分析することで、中長期で社会的な責任を果たせる企業の選別をすることができ、それが投資パフォーマンスにつながるという「あすのはね」の視点は、社会的責任投資という範疇を越えて見習うべき手法であろう。 ※社会的責任投資(SRI)とは 社会的責任投資(SRI)とは1920年代に米国で生まれた概念であり、キリスト教の価値判断によってアルコール、タバコ、ギャンブル、原子力などに関連する企業を投資対象にしないというものであった。 その後、大きなものでは非人道的という観点からベトナム戦争で使用されたナパーム弾の製造企業、南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題から南アフリカ共和国への進出企業が投資対象から外されるなどの事例もある。SRIとは時とともにその内容を変化させながら存続してきた。 2000年に入ると上記のような問題に抵触するような企業を投資から除外するというネガティブ・スクリーニングでなく、問題への取組み能力が高い企業を選別するというポジティブ・スクリーニングが主流になった。 また、コフィー・アナン国際連合事務総長が主導して、世界の主要な金融機関が共同で作成した報告書の中で、Environmental(環境)、Social(社会)、Governance(統治)のの重要性が示された。SRI投資の中でも上記の頭文字をとったESG投資が重視されるようになっている。 日本においてはキリスト教的な価値観はもちろん、文化的にも異なる投資法を単純にそのまま持ち込むには無理があったが、ポジティブ・スクリーニングの台頭により、ビジネスを通じて社会貢献できる企業の選別が可能により、SRI投資が広がった。 《FA》
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