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きちり Research Memo(4):新店は順調に推移も販管費が増加

2014/9/8 18:14 FISCO
*18:18JST きちり Research Memo(4):新店は順調に推移も販管費が増加 ■決算概要 (1)2014年6月期業績概要 8月8日付で発表された2014年6月期の業績は売上高が前期比11.1%増の6,913百万円、営業利益が同15.0%減の480百万円、経常利益が同14.8%減の515百万円、当期純利益が同14.0%減の296百万円となった。売上高は2007年の上場以来、連続で過去最高を更新したが、利益ベースでは5期ぶりの減益となった。また、2月の大雪の影響や新規出店が計画より進まなかったことで、会社計画に対しては売上高、利益ともに若干下回る格好となった。 売上高については、既存店が台風や大雪など天候不順の影響により前期比4%減と低迷したものの、2013年6月期の期中に出店した新店がフル寄与したことと、2014年6月期に新規出店した店舗が順調に立ち上がったことで、前期比11.1%増収を達成した。 食材の仕入れコストとなる売上原価率は、25.5%と前期並みの水準となった。輸入食材や野菜価格高騰の影響はあったものの、機動的にメニュー調整を行うことによって、コスト上昇分を吸収した格好だ。一方、販管費率については前期比2.1ポイント上昇の67.6%となった。既存店売上の前期比割れによる固定費率の上昇に加え、店舗拡大に伴う人件費や地代家賃、水道光熱費、減価償却費等の増加、そしてPFS事業の人材強化による一時的な採用コスト増などが増加要因となった。 当期の新規出店は、2013年7月にKICHIRI大宮(大宮)、10月にAJITO大和八木(奈良)、12月に福栄組合池袋(池袋)、2014年3月にigu&peace(渋谷)の4店舗と期初計画の10店舗を下回った。これは、きちり<3082>が出店の判断基準として第1に収益性を重視しており、当期は出店条件に適う物件が出てこなかったためだ。 新店の立ち上がりについては、いずれも会社計画を上回る順調な立ち上がりを見せている。KICHIRI大宮、AJITO大和八木などではオープン翌月から高い収益性を実現し、収益に貢献しており、同社のブランド力、認知度が向上してきている証左と言えよう。また、同社がターゲットとする客層とマッチするかどうか、マーケティング調査的な意味合いも込めて2013年6月に出店したKICHIRI錦糸町(東京)では、オープンから半年程度は客足が鈍かったものの、認知度の向上とともに客数が増加し、現状では利益率で20%以上と平均レベルに達している。このことから、同社では店舗コンセプトの認知度が広がりさえすれば、首都圏での店舗展開が十分可能と判断。今後は都心部から各沿線の主要ターミナル駅など、乗降客数の多い駅から優先的に積極展開していく計画を立てている。 また、当期に出店した「igu&peace」は新業態の店舗となる。店舗のコンセプトとしては、「大人の遊び場」で、バスタブ付きの個室やブランコ型のカップルシート、バーカウンターなど遊び心あふれる空間を演出、インパクトのある料理とともに提供する「価値訴求型」の店舗となる。ほぼ同様の店舗コンセプトで関西圏では「AJITO」という店舗を2店舗出店している。「価値訴求型」店舗を出店した背景には、「中食」市場の拡大などによって「食」の魅力だけでは客数を伸ばすことが難しくなってきたことがある。従来は低価格化路線により、客を呼び込む戦略を取る企業が多かったが、現状は低価格化に魅力を感じる消費者が少なくなっており、新たな価値を店舗に求める時代になってきたと言える。その1つが、非日常の空間を提供する「AJITO」であり「igu&peace」というわけだ。「食」にプラスアルファする付加価値を提供することにより、比較的高い客単価でも収益が上がる格好となる。前述した「AJITO大和八木」は新店であるにもかかわらず、利益率が30%を超えており、現段階では収益性の高い業態と位置付けられる。 なお、PFS事業の売上高は前期比横ばいの70百万円程度となった。PFS事業に関する問い合わせは増加したものの、契約までに時間がかかっており、ブランド・コンテンツ型、クラウドサービス型ともに当期の新規契約の上積みはなかった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《FA》
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カジュアルダイニング「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」、「3 Little Eggs」等を展開。行動制限の緩和やインバウンド需要の回復等により、飲食事業は黒字転換。24.6期2Qは黒字転換。 記:2024/04/15