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国内株式市場見通し:米物価指標に注目、短期リバウンド継続に期待も懸念材料も多い
2023/10/7 15:14
FISCO
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*15:14JST 国内株式市場見通し:米物価指標に注目、短期リバウンド継続に期待も懸念材料も多い ■米長期金利の上昇に翻弄され大幅安 今週の日経平均は週間で862.95円安(-2.7%) の30994.67円と3週連続で下落した。3週連続での下落は1月6日にかけての4週連続安以来の連続記録となる。米政府機関の閉鎖を一時回避するつなぎ予算の成立を好感し、買いが先行したが、先行き不透明感がくすぶるなか急失速し、日経平均は結局下落に転じるなど、週明けから荒い展開となった。米求人件数の上振れなどで日米長期金利の上昇が続くなか、日経平均は3日に521円安、4日には今年2番目の下げ幅となる711円安と大きく下落し、終値では5月31日以来の31000円割れに沈んだ。一方、連日の大幅安を受けた値ごろ感に加えて、米ADPが発表した民間雇用者数の下振れにより米長期金利が低下に転じたことが安心感を誘い、5日は買い戻しが膨らみ、548円高と6日ぶりに反発。ただ、週末6日は米雇用統計と国内3連休を控えた手控えムードが強まり、再び31000円を割り込んだ。 ■小売企業は地合いも相まって選好されやすいか 来週の東京株式市場は一進一退か。日経平均は今週までの3週連続安による合計の下げ幅が2538円にも至っていることから、引き続き短期的な底入れを意識した買いが下値を支える構図に期待したい。 週末に発表された米9月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比33.6万人増と市場予想(17万人増)を大幅に上回ったうえ、8月分は18.7万人増から22.7万人増へと大きく上方修正された。一方、失業率は3.8%と、改善するとの市場予想(3.7%)に反して8月から横ばいにとどまった。また、平均時給は前年同月比+4.2%と8月(+4.3%)と同じ伸びを想定していた市場予想を下回った。モメンタムを示す前月比も+0.2%と市場予想(+0.3%)を下回っている。 雇用者数の大幅な伸びが続いていることはたしかに金融引き締めの長期化を懸念させる。ただ一方で、緩やかながら平均時給の鈍化傾向が続いていることは、今週の米ADP雇用統計の下振れや米ISM製造業景況指数の価格項目の低下、ISM非製造業景況指数の新規受注の低下などとあわせてインフレ収束に向けた期待を繋ぐことになろう。 雇用統計の発表直後に売りが先行した米国株も、一時急伸した米長期金利が伸び悩むに伴い買い戻され、ナスダック指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅に反発している。週明け9日の米国市場でも買いが続くかが気掛かりだが、9日の米国市場が大幅な下落にならなければ、連休明けの東京株式市場でも買い戻しが強まりそうだ。 一方、週末に決算を発表した安川電機<
6506
>の株価反応が気掛かりだ。6-8月期営業利益は市場予想を上回ったが、受注高は前年同期比および前四半期比でともに減少。また、同社社長は決算会見で中国の経済状況について「消費に非常に陰りが見える」と発言。さらに、電気自動車(EV)などへの投資の堅調さは大きく変わらないものの、「成長をけん引する裾野の広がりを持った投資が本当に復調するのか懸念している」などとも発言したという。10月下旬から本格化していく製造業決算の前哨戦とされるだけに、経営者から先行きを懸念するコメントが出たことは株式市場にネガティブに作用しそうだ。 他方、来週は国内で小売企業を中心に6-8月期企業決算の発表が佳境を迎える。株式市場の先行き不透明感が強まるなか、景気動向との連動性の高い外需系企業よりは、ディフェンシブ性の高い小売りなどの内需系企業の方が選好されやすいとみられ、これら小売企業の決算と株価反応に注目したい。 米国では11日に9月卸売物価指数(PPI)と連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月開催)が、12日には9月消費者物価指数(CPI)が発表される。FOMC議事録はタカ派な内容が想定され、株価の重しになりそうだ。一方、米PPIは食品・エネルギーを除いたコア指数が前月比+0.2%と8月(+0.2%)から横ばいも、総合は前月比+0.3%と8月(+0.7%)から大きく鈍化する見込み。米CPIもコア指数は前月比+0.3%と8月(+0.3%)から横ばいも、総合は+0.3%と8月(+0.6%)から鈍化する予想だ。また、コアCPIは前年同月比では+4.1%と8月(+4.3%)から鈍化する予想となっている。市場予想並みの結果にとどまれば、金利ピークアウト感が台頭し、株式市場の追い風になりそうだ。ただし、企業の決算シーズンや日米の金融政策イベントが近く控えていることを踏まえれば、株式の買い戻しは短命に終わる可能性も高い。 ■米PPI・CPI、FOMC議事録、中国貿易収支など 来週は、9日に世銀・IMF年次総会(-15日)、10日に9月景気ウォッチャー調査、11日に9月工作機械受注、米9月PPI、米FOMC議事録、12日に9月企業物価指数、8月機械受注、米9月CPI、13日にオプションSQ、中国9月PPI、中国9月CPI、中国9月貿易収支、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数、などが予定されている。 《FA》
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6506 東証プライム
安川電機
4,157
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-70(-1.66%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
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