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後場に注目すべき3つのポイント~やはり「FOMC議事録」からが本番だった

2022/1/6 12:28 FISCO
*12:28JST 後場に注目すべき3つのポイント~やはり「FOMC議事録」からが本番だった 6日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり大幅反落、やはり「FOMC議事録」からが本番だった ・ドル・円は反落、アジア株安で円買い ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が、東エレク<8035> ■日経平均は3日ぶり大幅反落、やはり「FOMC議事録」からが本番だった 日経平均は3日ぶり大幅反落。610.67円安の28721.49円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。 5日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反落し、392ドル安となった。12月のADP社の12月全米雇用リポートで雇用者数の増加が市場予想を大きく上回り、上昇する場面もあった。しかし、12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で従来想定されていたより早いペースで利上げ・バランスシート縮小を実施する可能性が示唆され、売りが広がった。金利上昇とともにハイテク株の売りがかさみ、ナスダック総合指数は-3.34%とおよそ1年4カ月ぶりの下げ幅を記録。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで195円安からスタートすると、国内での新型コロナウイルス感染者数の増加なども警戒され、この日の安値圏で前場を折り返した。自動車や海運といった景気敏感株の一角が買われる一方、値がさグロース(成長)株の軟調ぶりが目立った。 個別では、ソニーG<6758>が売買代金トップで6%超の下落。前日は電気自動車(EV)市場参入への期待から大きく上昇したが、米長期金利の上昇により利益確定売りが広がっているようだ。昨年12月の国内「ユニクロ」既存店売上高が2ケタ減収となったファーストリテ<9983>は3%超の下落。その他、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>などが軟調で、キーエンス<6861>やリクルートHD<6098>の下げが目立つ。また、エムスリー<2413>やテルモ<4543>が急落し、SHIFT<3697>などとともに東証1部下落率上位に顔を出している。テルモは一部証券会社の投資判断引き下げが観測された。一方、トヨタ自<7203>が3日続伸し、郵船<9101>や商船三井<9104>は小じっかり。また、リョービ<5851>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、サービス業、電気機器、精密機器などが下落率上位で、その他も全般軟調。一方、輸送用機器、海運業、鉄鋼など4業種が上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の86%、対して値上がり銘柄は11%となっている。 注目されたFOMC議事要旨で米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が改めて意識され、本日の日経平均は600円を超える下落で前場を折り返した。日足チャートでは、29000円前後に位置する5日移動平均線と75日移動平均線を一気に下抜け。朝方は節目意識の働く29000円近辺で下げ渋る動きも見られたが、支えきれなかった。個別では景気敏感株買い、グロース株売り継続だが、東証1部全体としては8割強の銘柄が下落。挽回生産への期待が持てる自動車株、国内外での新型コロナ感染拡大で供給ひっ迫が続きそうな海運株など、「買える銘柄」は限られるのかもしれない。東証株価指数(TOPIX)は-1.39%。ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円あまりとなっている。 新興市場ではマザーズ指数が-4.18%と大幅に4日続落。節目の900ptを割り込み、取引時間中としては昨年5月20日以来の安値を付けている。時価総額上位のメルカリ<4385>など全般軟調。売買代金トップのFRONTEO<2158>は大幅に4日続落しているが、昨年末にかけて信用買い残を大きく積み上げていただけに厳しいところだろう。 当欄では度々、5日のFOMC議事要旨公表からが新年相場の本番と強調してきたが、やはりと言うべきか、日米株とも急反落を強いられる格好となった。FOMC議事要旨は決定内容を踏まえるとさほどサプライズがあるとも思えないが、「実際にかなりタカ派的なイメージの強いものになった(SMBC日興証券)」などと捉えられている。特に利上げ・バランスシート縮小の加速が「既定事実であるような書きぶり」がタカ派姿勢を強く意識させたようだ。それに金融市場がここ数日、景気高揚への期待を高めるとともに、金融引き締めを織り込む動きがやや薄れていた反動も大きいだろう。 実際、米国債利回りは5日、短期の年限を中心に大きく上昇。景気の先行きに対する根強い期待もあり、10年物国債利回りは1.70%(+0.05pt)と昨年4月以来の水準に上昇した。一方、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.53%(-0.04pt)に低下。FRBが「インフレファイター」の姿勢を鮮明にしたことが影響しているのだろう。 結果的に名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利は上昇する方向となり、特にハイテク株にとって逆風となっている。もっとも、景気敏感株も「相対的に安心感がある」だけで、株式全体として実質金利の上昇はポジティブではないだろう。市場では金融引き締めによる景気腰折れを警戒する向きがあるほか、利回り水準重視の債券投資家の買いも想定されることから、長期金利が一段と上昇するかどうかまでは見通しづらい。ただ、長期金利の低下圧力、それにBEIの上昇圧力が強まりそうな材料は乏しいとみられる。 また、日米ともハイテク株の需給状況には厳しいものがありそうだ。市場全体の信用買い残(東名2市場、制度・一般合計)は昨年12月30日申込み時点で3兆3576億円。12月は一貫して減少が続いていたが、ヒストリカルで見ればなお高水準にある。コロナ禍以降、世界的に個人がレバレッジを効かせた取引を活発化させていたのは昨年末の当欄で指摘したとおり。12月のIPO(新規株式公開)ラッシュと年末の損出し売りを通過すればマザーズ市場の需給状況は改善すると当欄では期待していたが、金利上昇によるハイテク株売りが水を差してしまった格好だ。再び損失覚悟の売りを迫られる個人投資家が多く出てくる可能性がある。 それに、米国ではハイテク株投資で知られるキャシー・ウッド氏の運用会社アーク・インベストメント・マネジメントの苦境も取りざたされている。同氏に賛同する個人投資家らから資金を集め、「破壊的イノベーション」に投資するという手法は一見すると時流に乗るものと感じられる。ただ、資金流出の懸念が常に付きまとう上場投資信託(ETF)で長期的なイノベーションを見越した投資を行うことは本質的に難しいと筆者は考えている。 今晩の米国では11月の貿易収支や12月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数、明日7日には12月の雇用統計が発表される。その後も経済指標の発表が続き、25~26日にはFOMCと重要イベントが目白押しとなる。方向感を見出すのは容易でないが、警戒感をもって取り組む必要がありそうだ。 ■ドル・円は反落、アジア株安で円買い 6日午前の東京市場でドル・円は反落し、116円前半から115円後半に弱含んだ。タカ派的な米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け世界的に株安に振れやすく、日経平均株価や上海総合指数などの下落を嫌気した円買いが優勢に。また、ドル買いは一巡し、下落基調に振れた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は115円82銭から116円18銭、ユーロ・円は131円04銭から131円43銭、ユーロ・ドルは1.1305ドルから1.1319ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・明治機械<6334>の、1銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が、東エレク<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・中・12月財新サービス業PMI:53.1(予想:51.7、11月:52.1) 【要人発言】 ・米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14-15日開催分) 「供給問題が長引いていると認識」 「バランスシート縮小は前回のサイクルより速いペースになる可能性」 <国内> 特になし <海外> ・16:00 独・11月製造業受注(前月比予想:+2.2%、10月:-6.9%) 《CS》
関連銘柄 17件
2158 東証グロース
600
11/22 15:30
-8(-1.32%)
時価総額 23,614百万円
eディスカバリサービスなどのリーガルテックAI事業が主力。不正検知システム「KIBIT Eye」などを手掛けるAIソリューション事業も展開。塩野義製薬と業務提携。リーガルテックAI事業は受注数が着実増。 記:2024/10/13
2413 東証プライム
1,425
11/22 15:30
-12.5(-0.87%)
時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
3697 東証プライム
15,620
11/22 15:30
+185(1.2%)
時価総額 278,551百万円
ソフトウェアテスト関連サービス、ソフトウェア開発関連サービスが柱。Web企画制作、マーケティング等も。連結エンジニア数は1.1万人超。エンジニア採用、事業開発投資進める。27.8期売上2000億円目指す。 記:2024/10/25
4385 東証プライム
2,097.5
11/22 15:30
+29.5(1.43%)
時価総額 344,051百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4543 東証プライム
3,073
11/22 15:30
+35(1.15%)
時価総額 4,580,912百万円
医療機器メーカー。北里柴三郎などが発起人となり1921年に設立。血管内治療関連デバイスなどの心臓血管部門が主力。電子体温計、血糖自己測定器等も手掛ける。コスト削減のほか、設備投資で生産能力の拡大図る。 記:2024/08/26
5851 東証プライム
2,022
11/22 15:30
-9(-0.44%)
時価総額 66,010百万円
独立系のダイカストメーカー。自動車業界が主顧客。建築用品や印刷機器も。海外売上が過半。新興国も拡大。自動車生産の回復等でダイカスト事業は堅調。原材料高が重し。配当性向は30%程度目安。 記:2024/06/13
9,824
11/22 15:30
+288(3.02%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6334 東証スタンダード
326
11/22 15:09
+1(0.31%)
時価総額 3,717百万円
1899年創業の食品産業機械メーカー。精選機械や粉砕機械等の製造・販売、プラントエンジニアリングを手掛ける。製粉、飼料向けに強み。Abalanceの持分法適用関連会社。食品関連顧客向けで受注強化図る。 記:2024/08/27
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(-0.12%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(-0.03%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
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7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(-0.37%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(2.16%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(-1.23%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(-0.17%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(1.13%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(0.42%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17