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後場に注目すべき3つのポイント~タカ派サプライズの第2波で下げ幅1000円超

2021/6/21 12:27 FISCO
*12:27JST 後場に注目すべき3つのポイント~タカ派サプライズの第2波で下げ幅1000円超 21日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は急落、タカ派サプライズの第2波で下げ幅1000円超 ・ドル・円は下げ渋り、オセアニア通貨は買戻し ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■日経平均は急落、タカ派サプライズの第2波で下げ幅1000円超 日経平均は急落。983.21円安の27980.87円(出来高概算6億4648万株)で前場の取引を終えている。 前週末18日の米株式市場でのNYダウは533.37ドル安(-1.58%)と大幅に5日続落。セントルイス連銀のブラード総裁によるタカ派発言を警戒して寄り付きから下落。インフレ高進や早期の緩和縮小への警戒感に加え、株価指数先物、オプションなど4商品の清算日が重なるクアドラプル・ウィッチングで調整にも拍車がかかった。米長期金利は1.43%へと一段と低下したが、ハイテクも売りに巻き込まれ、ナスダックも0.93%と下落した。週明けの日経平均は457.24円安の28506.84円とギャップダウンでスタートすると、一本調子での下げが続き、28000円をも割り込んで前場を終えている。下げ幅は一時1000円を超え、安いところでは27915.09円まで下げた。 個別では、ほぼ全面安の展開のなか特損を計上した名村造船所<7014>が急落。国内工場の稼働一時停止が伝わったスズキ<7269>や、半導体不足の影響などで証券会社がレーティングを格下げしたホンダ<7267>が大幅に下落。好決算を発表するも出尽くし感や地合いの悪化で西松屋チェ<7545>も売りに押された。一方、石炭火力を買収しバイオマス発電に転換すると報じられたイーレックス<9517>が一時大幅高に。そのほか、グリーン水素製造プラントをENEOSHD<5020>と共同開発すると報じられた千代田化工建設<6366>、ドーナッツ ロボティクスとの業務提携を発表したフュートレック<2468>、固定資産売却による純利益の上方修正を発表した名糖産業<2207>、などが逆行高となった。 セクターでは東証33業種がすべて下落するなか、ゴム製品、保険業、化学、輸送用機器、卸売業などが下落率上位に並んでいる。東証1部の値下がり銘柄は全体の90%、値上がり銘柄は7%となっている。 日経平均は27000円台にまで突っ込む想定以上の下げで波乱の週明けとなった。指数別では、日経平均が3.39%安、東証株価指数(TOPIX)が2.55%安と急落しているが、日経JASDAQ平均は1.11%安、マザーズ指数は1.77%安と、新興市場の方が下落率が相対的に小さく収まっている。主力の大型株主導で売り込まれているようだ。 また、個別をみても、景気循環株からハイテク・グロース(成長)株まで全てが大きく売り込まれている。景気過熱やインフレを見越したリフレトレードの後退で景気循環株を中心に下げ、長期金利が低下するなか下げが限定的だった前週末の米株式市場とは様相が異なり、ほぼ全面安。なりふり構わない売られ方をみる限り、先物主導での下げの影響が大きいのだろう。実際、信越化学<4063>やファナック<6954>の5%安、東京エレクトロン<8035>の4%安、など値がさ株の下落率が大きいのも、先物主導の売りから裁定売りへと繋がった影響だろう。そのほか、インデックスに絡んだ売買が集中してオーバーシュート気味に反応している面がありそうだ。 前週、米連邦公開市場委員会(FOMC)直後の日米の株式市場は比較的底堅く推移していたが、タカ派サプライズの結果を完全に消化しきる前に、ブラード総裁によるタカ派発言が続いたことで、警戒感に拍車がかかってしまったようだ。しかし、前週末の米株市場の大幅な下落については、先物・オプションなどの清算日が重なった需給要因の影響もある。 また、米長期金利の低下は将来の景気後退を映したとの見方もあるが、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策はまだ変更前で、時間をかけて徐々に行うことを考慮すれば十分に緩和的な状態がしばらく続く。景気もまだコロナからのV字回復の段階。サービス業での繰り越し需要の累積に加え、製造業では供給不足の解消が見込めないほどの需要超過が継続する見込みだ。経済指標面ではどうしてもピークアウト感が出てしまうが、水準としては高いものが長く続くことが予想され、景気鈍化を織り込みにいくのはやや行き過ぎの感じもする。 週明けのアジア市場も下落はしているが、香港ハンセン指数は1%ほどの下落率に収まっており、中国の上海総合指数にいたっては前週末終値とほぼ同水準で推移している。日経平均の3%安はさすがに過剰反応がすぎるだろう。また、東証1部でも、三井ハイテック<6966>やメック<4971>など、直近好材料のあった銘柄は本日も逆行高を演じている。そのほか、国内でのワクチン接種の加速を受け、エアトリ<6191>などアフターコロナ関連銘柄でも、上昇しているものや下落率が軽微のものが多い。 週明けの米株市場の動向次第では、早期の下げ止まりを期待するのは時期尚早かもしれないが、過度な悲観は不要とみている。中長期では良い買い場になるとポジティブに捉えていきたい。 ■ドル・円は下げ渋り、オセアニア通貨は買戻し 21日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り、110円台を維持。日経平均株価の急落を受け、序盤は円買いが強まった。ただ、全般的にドルへの買いが入りやすく、対円でも下げづらい展開に。一方、オセアニア通貨は前週の大幅安の反動で買い戻され、対円で上昇基調に振れた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円05銭から110円28銭、ユーロ・円は130円56銭から130円91銭、ユーロ・ドルは1.1857ドルから1.1877ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・アイビー化粧品<4918>、太洋物産<9941>の、1銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・5月小売売上高速報値:前月比+0.1%(予想:+0.4%、4月:+1.1%) 【要人発言】 ・ブラード米セントルイス地区連銀総裁 「経済の成長ペースは我々の予想を上回った」 「インフレも予想以上」 「FRBが幾分タカ派に傾斜するのは自然」 「パウエル議長は今週正式に、緩和縮小協議を開始」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 18件
2207 東証プライム
1,928
11/27 15:30
-21(-1.08%)
時価総額 33,333百万円
チョコレート、粉末飲料、アイスクリーム等の製造・販売を行う食品事業が主力。アルファベットチョコレートなどが定番商品。チーズ用凝乳酵素等の化成品事業も。食品事業は中核ブランドへの経営資源投入で売上拡大図る。 記:2024/10/06
2468 東証スタンダード
196
9/26 15:00
+11(5.95%)
時価総額 1,863百万円
2024年10月1日を効力発生日として、エーアイを吸収合併存続会社、同社を吸収合併消滅会社として吸収合併。 これにより2024年9月27日をもって同社は上場廃止。 記:2024/09/29
4063 東証プライム
5,548
11/27 15:30
-112(-1.98%)
時価総額 11,105,387百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
4918 東証スタンダード
241
11/27 15:30
-2(-0.82%)
時価総額 1,288百万円
スキンケア・メークアップなどの化粧品、美容補助商品等の製造・販売を行う。全国の販売会社を通じた対面販売に特徴。スキンケア部門の売上高比率が高い。浸透美活液「レッドパワー セラム」などの販促を強化。 記:2024/08/26
4971 東証プライム
3,380
11/27 15:30
-45(-1.31%)
時価総額 67,840百万円
化学薬品メーカー。電子基板・部品製造用薬品の開発、製造、販売を行う。兵庫県尼崎市に本社。有機パッケージ基板の銅表面処理剤で世界トップシェア。薬品売上は順調。高密度電子基板向け製品の開発、販売に注力。 記:2024/07/05
5020 東証プライム
798.4
11/27 15:30
+5.5(0.69%)
時価総額 2,421,428百万円
ENEOS、JX石油開発、JX金属などを傘下に収める持株会社。石油元売り国内トップ。機能材事業、電気事業、再生可能エネルギー事業等も手掛ける。機能材事業の収益改善図る。JX金属が東証に新規上場申請。 記:2024/10/14
6191 東証プライム
1,148
11/27 15:30
-42(-3.53%)
時価総額 25,705百万円
総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。Wi-Fiレンタル事業、地方創生事業、ITオフショア開発事業等も。メルマガのまぐまぐ等を傘下に持つ。M&Aによる成長投資を行う。エアトリ経済圏の構築・強化図る。 記:2024/10/09
6366 東証スタンダード
335
11/27 15:30
-6(-1.76%)
時価総額 87,209百万円
プラントエンジニアリング大手。LNG受入基地建設で国内トップシェア。三菱商事が筆頭株主。世界中でプラント建設実績。水素サプライチェーンの構築等も。主要案件のインドネシア銅製錬は2024年に完工予定。 記:2024/06/29
6954 東証プライム
3,973
11/27 15:30
-205(-4.91%)
時価総額 3,954,800百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6966 東証プライム
727
11/27 15:30
-9(-1.22%)
時価総額 143,462百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
7014 東証スタンダード
1,564
11/27 15:30
-53(-3.28%)
時価総額 108,520百万円
1911年創業の造船中堅。タンカー、バルクキャリアー、コンテナ船など船舶の製造を行う。大型商船に強み。船舶の修繕、鉄鋼構造物の製造・販売等も。建造能力の強化推進。経営資源の「選択と集中」の深化図る。 記:2024/10/12
7267 東証プライム
1,292.5
11/27 15:30
-40.5(-3.04%)
時価総額 6,824,400百万円
自動車と二輪車の大手。二輪車は世界トップ。船外機や発電機、航空機などエンジン搭載の多商品を展開。四輪事業は伸長。主力の北米を中心に販売台数が増加。二輪はアジアが好調。中国の持ち分法適用会社が伸び悩み。 記:2024/07/03
7269 東証プライム
1,580
11/27 15:30
-51(-3.13%)
時価総額 3,104,046百万円
四輪車、二輪車メーカー。1909年創業。静岡県浜松市に本社。軽自動車に強み。四輪車はインドでトップシェア。船外機なども手掛ける。日本、インド、欧州が主要事業地域。インドは四輪車の累計生産が3000万台超。 記:2024/10/10
7545 東証プライム
2,297
11/27 15:30
-32(-1.37%)
時価総額 159,846百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
8035 東証プライム
22,240
11/27 15:30
-410(-1.81%)
時価総額 10,489,118百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9517 東証プライム
626
11/27 15:30
+6(0.97%)
時価総額 46,587百万円
相対や取引所を通じて調達した電力を小売販売。自社でバイオマス発電所も。大口の高圧顧客伸ばす。逆ざや販売も解消。ベトナムなどアジア諸国で発電所建設へ。JFEエンジ等4社引受先に第三者割当増資し財務改善。 記:2024/08/26
9941 東証スタンダード
880
11/27 15:30
±0(0%)
時価総額 1,702百万円
畜産物が主力の専門商社。牛肉や鶏肉、豚肉の食肉に加え、大豆等の穀物や加工食品、化学品、産業機械、自動車部品などを取り扱う。食肉関連では高収益商材の販売が順調。中期的に売上高総利益率4%以上目指す。 記:2024/10/20
9983 東証プライム
51,190
11/27 15:30
-260(-0.51%)
時価総額 16,289,733百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25