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為替週間見通し:米金融緩和長期化の思惑でドル買い抑制も

2020/12/12 14:35 FISCO
*14:35JST 為替週間見通し:米金融緩和長期化の思惑でドル買い抑制も 【今週の概況】 ■ドルは伸び悩み、米国内でのウイルス感染拡大を警戒 今週のドル・円は伸び悩み。米追加経済対策法案の成立は来年以降になることは避けられないとの見方が増えていることから、リスク選好的なドル買いはやや縮小した。新型コロナウイルス感染症予防のワクチン接種の年内開始への期待はあるものの、米国における感染拡大に対応して一部で経済的な規制が強化されていることもドル上昇を抑える一因となった。 12月11日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時103円82銭まで下落した。この日発表された12月米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は予想に反して上昇したが、1年期待インフレが大幅に低下し、米長期債利回りが低下したことから、ドル売りが強まる場面があった。しかし、米国内で新型コロナワクチン接種が近日中に開始されるとの期待や米議会上院が1週間のつなぎ予算案を可決し、米政府機関の閉鎖は回避されたことから、ドル売りは一服。104円03銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:103円82銭−104円58銭。 【来週の見通し】 ■米金融緩和長期化の思惑でドル買い抑制も 来週のドル・円は上げ渋りか。12月15−16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、現行の金融緩和政策の長期化について議論される見込み。早期追加緩和の可能性は低いとみられているものの、米金融緩和策の長期化観測はドルの反発を抑える要因となり得る。 株式などにとって好材料である新型コロナウイルスのワクチン接種については、英国が先行し、米国でも12月中旬にも開始される見通し。ロシア、中国でも自国開発のワクチン接種が一部で始まっていることから、リスク選好ムードが広がりやすい。アレルギー反応へのリスクは警戒されるものの、経済活動の不透明感が払しょくされることで主要国の株高を手がかりにしたリスク選好的な為替取引が増える可能性がある。ユーロ、豪ドル、NZドル、一部新興国通貨などに対する米ドル売りが増えた場合、クロス円レートは円安方向に振れる可能性があるものの、米ドル・円はやや伸び悩む展開もあり得る。 なお、英国と欧州連合(EU)の通商協議は難航しており、英国は通商協定なしのEU離脱を選択する可能性が高まっている。ただし、期限内に合意できる可能性も残されているため、その場合はポンド買い・円売りが強まり、ドル・円の取引ではドル買いがやや優勢となる可能性がある。 【米・連邦公開市場委員会(FOMC)】(15-16日開催予定) 米連邦準備制度理事会(FRB)は12月15-16日にFOMC会合を開催する。会合終了後にパウエルFRB議長が記者会見を予定している。現行の金融緩和政策は維持される公算。来年以降のガイダンス強化などに思惑が広がれば、ドル売り材料となる。 【米・11月小売売上高】(16日発表予定) 16日発表の11月小売売上高は前月比-0.2%と、10月の同+0.3%から悪化する可能性がある。予想に反して増加した場合、個人消費は予想以上に堅調との見方が強まり、ドル買い材料になりそうだ。 予想レンジ:102円50銭−105円50銭 《FA》