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米雇用統計次第では「黒田ライン」125円を突破しドル・円の商いが急増する可能性も

2015/8/4 14:04 FISCO
*14:04JST 米雇用統計次第では「黒田ライン」125円を突破しドル・円の商いが急増する可能性も 東京金融取引所(金融取)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」では、7月の取引数量は前月比8.1%マイナスの351万2328枚。1日の平均取引数量も15万2710枚と前月比では12.1%のマイナスとなったが、月末時点の証拠金預託額は3105億円と月末時点ベースでは上場来最高を更新した。 一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」では、7月の取引数量は前月比2.2%増加の69万8126枚。1日平均取引数量は前月比2.3%マイナスの3万0354枚となったが、月末時点の証拠金預託額は348億円と「くりっく365」同様、月末時点ベースでは上場来最高(7ヶ月連続の記録更新)となった。 7月の為替市場では、ドル・円の上下レンジは約4円と6月とほぼ同じ値動きだったが、ユーロ・円が約4.5円と6月(約7.4円)よりも狭いレンジ推移となった。ギリシャ債務交渉が大きく進展したにも関わらず、ECBによる金融緩和実施が影響しユーロの上値を押さえたもよう。また、ユーロ・ドルでドル買いが進んだことも影響したようだ。7月はこうしたレンジの狭さなどが「くりっく365」取引数量の減少につながったと思われる。 一方、株式市場では、上海総合指数の急落が高いボラティリティを誘発。日本株は大きく売られ、7月の日経平均は取引時間ベースでは1700円という大きな値動きとなった。急落した場面で個人投資家が活発に動いたことが「くりっく株365」取引数量の増加につながったと思われる。なお、当局による矢継ぎ早の政策を受けて足元の上海株は落ち着きを取り戻しつつあるが、上海総合指数の20日平均ヒストリカルボラティリティは60前後と非常に高い水準を位置している。まだ予断を許さない状況は続くと見られる。 8月は海外投資家が長期休暇入りすることで「夏枯れ相場」が予想される。東京市場では既に決算関連銘柄に関心が向かっており日経平均やTOPIXなど指数は方向感に乏しい。ただ、為替市場では、今週末に米雇用統計の発表が控えている。市場では、9月利上げ実施を後押しするような強い数字が発表されれば、「黒田ライン」の125円を上抜くとの見方が浮上している。ユーロの上値が重くなっても、売買が最も多いドル・円の上値が軽くなれば「くりっく365」の商いは増加となろう。 《MT》