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為替週間見通し:ドルはもみあいか、黒田ライン接近で円売り抑制の可能性

2015/8/1 14:54 FISCO
*14:56JST 為替週間見通し:ドルはもみあいか、黒田ライン接近で円売り抑制の可能性 ■ドル高一服、9月利上げ観測台頭も雇用コストは伸び悩む 先週のドル・円は上昇一服。29日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では労働市場の改善が続いていることが指摘された。また、30日発表された1-3月期の米経済成長率は最終的に0.6%に上方修正された。9月利上げ観測が再浮上したことでドル・円は一時124円58銭まで買われた。 しかしながら、31日発表の4-6月期雇用コスト指数(ECI)は前期比+0.2%で統計開始以来では最低の伸びにとどまり、リスク選好的なドル買い・円売りはやや後退。ドル・円は123円台後半でこの週の取引を終えた。取引レンジは123円01銭-124円58銭 ■ドルはもみあいか、黒田ライン接近で円売り抑制の可能性 今週のドル・円は、124円前後でもみあう展開が予想される。米利上げ期待が強まりドル高・円安が進みやすい状況となりつつある。125円突破で損失確定目的のドル買いがまとまった規模で執行されるとの見方もあり、その場合は6月高値125円86銭の到達も意識されそうだ。 しかしながら、日銀黒田総裁が「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっており、ここからさらに円安に振れるということは普通に考えればありそうにない」と指摘した時の水準(1ドル=124円台後半)にドル・円は接近しつつあることから、リスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。 市場関係者の間では、黒田総裁の発言は円安けん制と解釈されており、「黒田ライン」と言われている1ドル=125円レベルを突破して年初来高値(125円86銭)に到達することは、容易ではないとの声が多く聞かれている。7日に予定されている黒田総裁の記者会見で、円安進行について否定的な見解が示された場合、ドルの上値は重くなりそうだ。 ・予想レンジ122円80銭−125円80銭 【日銀金融政策決定会合】(8月6−7日) 日本銀行の金融政策決定会合で現行政策の維持が予想されているが、会合後の黒田東彦総裁の記者会見が注目される。ドル・円は一時124円台半ばまで上昇し、125円とみられる「黒田ライン」が意識されている。米国の9月利上げ期待でドル高・円安が進行する可能性があるが、為替(円安)に関する発言に関心が集まりそうだ。 【7月米雇用統計】(8月7日) 7日に発表される7月の米雇用統計では、失業率は横ばいの5.3%、非農業部門雇用者数は前月比+22.5万人(6月は+22.3万人)と予想されている。米利上げに関して最も重視されている統計であり、予想通りならば9月利上げ観測が再び高まりそうだ。ただし、予想を下回った場合、9月利上げへの思惑はやや後退し、ドル売りが優勢となる可能性がある。 《FA》