マーケット
10/7 15:15
39,332.74
+697.12
42,352.75
+341.16
暗号資産
FISCO BTC Index
10/8 3:17:55
9,391,975
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

米国株式市場見通し:雇用統計を受けた動きに注目、決算発表シーズンに突入

2015/4/4 16:44 FISCO
*16:44JST 米国株式市場見通し:雇用統計を受けた動きに注目、決算発表シーズンに突入 週初は、中国人民銀行の周小川総裁が追加金融緩和観測を裏付ける発言やヘルスケアセクターで買収が相次いだことが好感され、主要株価指数は大幅上昇となった。その後は利益確定の動きや、雇用統計など週後半に主要経済指標の発表が控えていることで手控える向きも多く、軟調推移となった。週半ばに入り3月ADP雇用統計が市場予想を下回り、週末に発表される雇用統計への警戒感が広がったほか、3月ISM製造業景況指数も市場予想を下回ったことから下げ幅を拡大した。週末にかけては週間新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことで、3月雇用統計内容への期待が高まり、堅調推移となった。3日は聖金曜日で米国株式市場は休場。結局、週を通じてダウは上昇、ナスダックは小幅下落となった。 ITサービスのIBMは、情報収集・分析を支援する新事業に約30億ドルを投資することが報じられ軟調推移。航空大手のデルタ・エアラインズやアメリカン航空などはドイツ銀行による投資判断引き下げを受け、下落した。自動車大手のゼネラル・モーターズは、3月新車販売台数が前年同月比で減少したことで売られた。一方で、アイルランドのバイオ医薬品ホライゾン・ファーマは、米ハイペリオン・セラピューティクスを、イスラエルの製薬大手テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズは、米オースペックス・ファーマシューティカルズの買収をそれぞれ発表し、各社とも上昇。 週初は3日に発表された雇用統計の結果を受けた展開となることが想定される。8日に予定されているアルミニウム大手のアルコアから1-3月期決算発表シーズンに入る。本格化は来週以降だが、家庭用品小売のベッド・バス&ビヨンドも8日に12-2月期決算を予定している。決算発表シーズンに入ることで、主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まるため、株価収益率(PER)などで割高感のある銘柄の株価水準が見直されるだろう。 8日に前回のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公開される。ドル高による米経済への影響についてどのような議論があったのかが注目される。2015年のGDP成長率やインフレ率見通しが引き下げられているため、FOMCメンバーによる懸念が反映されている可能性が高いと見られる。 経済指標では、3月ISM非製造業景況指数(6日)、2月卸売在庫(9日)、3月輸入物価指数(10日)、3月財政収支(10日)、などの発表が予定されている。先月発表された2月輸入物価指数は、原油価格の下げ止まりを受けて8ヶ月ぶりにプラスに転じたものの、ドル高の進行を受け、輸入物価が再び低下している可能性がある。 ナスダック・バイオテクノロジー株指数の前年同期からの上昇率は約45%と、ナスダック総合指数の上昇率である約20%を大幅に上回っている。特にバイオ企業の時価総額は拡大しており、ギリアド・サイエンシズの時価総額は約1470億ドル、アムジェンは約1180億ドル、バイオジェンは約970億といずれも、前年同期比で約30-40%の上昇となっている。これらの高い上昇率は、米食品医薬品局(FDA)による認可の増加、広範なバイオ新薬や将来の治療に対する投資家の期待などが要因となっている。一方で、バイオ企業は臨床試験の失敗や資金の枯渇などで急激に価値を失いかねない高リスクの投資先でもあり、投資家が保守的になれば株価が調整局面入りしやすい。先週、軟調な雇用指標が嫌気されたことで、週初からこれらバイオ企業の株価は一時、約5-6%下落する場面もあった。4月末には複数のバイオ企業決算も控えており、株式の評価見直しが進む可能性がある為、注意が必要だ。 (Horiko Capital Management LLC) 《TN》