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米国株式市場見通し:主要企業決算が本格化、ECB理事会への見方も注視

2015/1/10 15:29 FISCO
*15:29JST 米国株式市場見通し:主要企業決算が本格化、ECB理事会への見方も注視 週初はギリシャのユーロ離脱懸念などで欧州株式相場が軒並み大幅下落となったことやNY原油先物価格が一時5年半ぶりに1バーレル50ドルの節目を下回ったことでエネルギー関連株を中心に売りが広がった。12月ISM非製造業景況指数や11月製造業受注など冴えない経済指標が相次いだことも嫌気され、週半ばまで軟調推移となった。その後12月ADP雇用統計が予想を上回ったことや、11月貿易赤字が2013年12月以来の低水準となったことで反発に転じた。欧州株が追加緩和観測を受けて堅調に推移したことや、原油相場が持ち直したことも好感され、大幅上昇となった。週末にかけては12月雇用統計で非農業部門雇用者が予想を上振れたほか失業率も予想以上に低下したものの、フランスでのテロ銃撃事件など地政学リスクの高まりが嫌気され、上値を抑える要因となった。結局、週を通じて主要株式指数は下落。 ディスカウントストアのファミリー・ダラー・ストアーズは四半期決算内容が市場予想を下回り軟調推移となった。建設機械のキャタピラーはJPモルガンの投資判断引き下げで下落。アパレルのマイケル・コースもクレディスイスの投資判断引き下げで下落した。石油サービスのヘラクレス・オフショアは原油価格の下落を受けて軟調推移となった。一方で、百貨店のJCペニーは好調な11月及び12月の既存店売上を明らかにし、今四半期の既存店売上高も会社予想の上限になる見通しを示し急騰。自動車のゼネラル・モーターズやフォードは概ね良好な12月新車販売台数を発表して堅調推移となった。コーヒーメーカーのキューリグ・グリーン・マウンテンは新たにソーダ水精製マシンを開発中であり、清涼飲料メーカーのドクターペッパー・スナップル・グループとの提携を発表して買われた。 来週から主要企業の決算が本格化する。決算内容や国内外の経済指標が堅調な内容となれば、米国株は上昇が期待される。だが、再来週には欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されており、量的緩和への見方次第で市場が左右されることも予想される。また先週パリで起きたテロ銃撃事件が他のテロを引き起こすなど、地政学的リスクの高まりにも注意が必要だ。 週明けの12日には非鉄大手アルコアの10-12月期(第4四半期)決算が発表される。多様な産業に製品を販売し、米主要企業の決算発表シーズンの先陣を切る同社の業績に注目が集まる。ブラジルでの減産により世界でアルミの供給不足が進み、アルミニウム地金の輸入業者は海外のアルミ生産者に対し、10−12月(第4四半期)に過去最高水準のプレミアム(割増金)を支払うことで合意した。同社はこの割増金高騰の恩恵を大きく受ける形となり、好決算が期待できる。 経済指標では12月小売売上高(14日)、消費者物価指数(16日)などの発表が予定されている。年末の原油安で消費が促進された他、オンライン販売が拡大したことを受けて、2014年12月の小売売上高は予想を上回る業績が期待される。 不安視されているギリシャ総選挙と原油価格下落の米国株への影響は限定的で、引き続き米国株式相場は堅調に推移すると見られる。ギリシャ総選挙は野党が勝利をする可能性が高いものの、EU諸国はギリシャのユーロ離脱を阻止するだろう。現在イタリア、スペイン、ギリシャの国債利回りは欧州債務危機発生時に比べて低く、一連の政局不安に対して市場の不安は以前ほど大きくない。原油価格の下落は設備投資の減額に繋がり、企業利益を損なうとの懸念からエネルギー関連企業にとって打撃は小さくない。しかし原油安で一部企業が損失を被るとしても、大半の民間企業には原油安はプラスに働く見通しである。また何よりも世界経済をけん引する米国個人消費にとって大きな追い風であり、総合的に見て株式相場のサポート材料であることを忘れてはならない。 (Horiko Capital Management LLC) 《TN》