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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆空売り筋、調子に乗る◆
2018/10/28 10:05
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*10:05JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆空売り筋、調子に乗る◆ 〇世界同時株安、経済を狂わすか〇 今回も直接的な「トリガー」が見当たらないまま(ロイターの株解説記事)、NYダウ先物安を手掛かりに、売り攻勢を浴びた。東証空売り比率は50.8%に撥ね上がり、東証一部値上がり銘柄数79、値下がり2013、変わらず14の全面安。新高値は10、新安値は342。日経平均-2.67%に対し、中国と組んでファンド組成の野村HD-2.43%、中国関連の代表的存在の伊藤忠-2.98%、サウジで揺れるソフトバンク-2.93%、引け後最高決算発表の日本電産-2.66%(年初来安値)など、「ミソクソ一緒」の相場。 東証一部売買代金は2兆5724億円と、600円安の割に膨らんでおらず、先物手口ではCTA(商品投資顧問業者)やHFT(高頻度取引)業者の窓口外資系証券の手口が目立ったとされるが、為替はそれ程動いておらず、ドル建て日経平均は196.44ドルに沈んだ。「ロング・ショート」運用全盛と言われるが、「ショート・ショート」に傾斜している観がある。業績下方修正、不祥事などの悪材料は狙い撃ちされている。 NYダウは一時548ドル安から125ドル安に戻したが、キャタピラー7.6%安、3M4.4%安など工業セクターが弱く、企業業績懸念と解釈された。アトランタ地区連銀総裁が「企業が関税によるコストを実感し始めたと示唆している」と述べたことなど、広い意味で中国懸念が下落要因とされている様だ。 リスク回避の波に飲み込まれたのは原油相場。一時5%ほど急落、清算値は北海ブレント3.39ドル安の76.44ドル/バレル、WTIは2.93ドル安の66.43ドル/バレル。11月4日からのイラン制裁を控え、サウジ減産リスクまで喧伝されていたが、サウジが必要なら速やかに供給を増やす可能性を示した。トルコのエルドアン大統領演説は目新しい材料は出ず、ムハンマド皇太子は本日、15分ほど演説予定と伝えられる。 株安、原油安などで米債利回りは低下。荒っぽい動きになっているが10年物国債利回りは一時3.11%に低下した後、3.16-3.17%程度で推移(前日3.194%)。短期金融市場が織り込む12月利上げ確率は73%に低下(前日81%)している。今週は総額1080億ドルの米国債入札が行われており(昨日は2年債380億ドル、最高落札利回りは2.880%で08年以来最高水準)、一巡後に一段と利回りが低下するか注目されるところ。まさかと思うが、12月利上げシナリオまで狂うと経済展望も大きく変わる可能性がある。 11月はトランプ・プーチン会談が行われる。G20でのトランプ・習近平会談も取り沙汰されている。新しい動きが出てくるか、売り方にとってもリスク要因と考えられる。米中間選挙前の様子見・空白期間を狙われた印象が今のところ強い。不透明・弱気材料が次から次に出てくるので、峠を越えたとは言い切れないが、荒っぽい動きで中間選挙前には一旦買戻し場面が出て来ると見て置きたい。 出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(18/10/24号) 《CS》
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