マーケット
11/26 15:15
38,442.00
-338.14
44,860.31
+123.74
暗号資産
FISCO BTC Index
11/27 10:33:43
14,143,774
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

バリュー機運はまだ続く?スタグフレーション懸念が重し

2023/3/1 12:27 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;27446.91;+1.35TOPIX;1991.35;-1.93 [後場の投資戦略]  前日の後場から急速に崩れた海運株や建設株の動きに加えて、本日から3月に切り替わることもあり、これまで続いてきたバリュー(割安)・高配当利回り銘柄の物色機運が一巡したのではとの懸念があった。実際、本日も海運株の下落が続いている。また、半導体関連株が全般堅調な中でレーザーテック<6920>だけが逆行安となっていること、そしてマザーズ指数も下落しているところをみる限り、個人投資家が一部で利益確定売りに動いているようだ。ただ、本日は前日に売られた鉄鋼、非鉄金属、鉱業、商社に代表される卸売がしっかり上昇しているため、バリュー・高配当利回り銘柄の物色機運はまだ終わっていないと言えそうだ。  前日の米国市場ではダウ平均が終日軟調に推移し、中盤まで堅調だったナスダック総合指数も引けにかけて大きく失速し、マイナスに転じた。一方、前日に発表された経済指標が低調だったこともあり、米10年債利回りの上昇一服は継続、4%の節目手前で伸び悩んでいる。ただ、米長期金利は弱い経済指標を受けた中でも3.92%と前日比横ばいで終えており、先高観はくすぶる。また、米国債の変動リスクを示すMOVE指数のじり高基調が続いていることも懸念される。  前日低調だった経済指標の中でも、米2月消費者信頼感指数の内容が特に気掛かりだ。2月の信頼感指数は102.9と市場予想(108.5)に反して前月から低下、前回1月分も速報値の107.1から106.0へと下方修正された。また、今後6カ月の見通しを反映する期待指数は昨年7月以来の低水準となった。物価の高止まりとそれに伴う高金利の長期化による景況感の悪化が投資家心理を冷やしていることが示唆される。  前日に決算を発表した米小売りのターゲットの業績は、22年11月-23年1月実績が市場予想を上振れ、在庫調整も進展した一方、24年1月期見通しについては市場予想を下回る慎重なものとなった。足元は堅調も先行きに警戒感を示している点は、先んじて決算を発表している米小売りウォルマートと同様だ。  こうした米個人消費に関する先行き鈍化リスクは景気後退懸念を強める一方、サービス分野でのインフレ圧力を緩和するとも考えられ、ネガティブ一辺倒でもないと捉えることもできそうか。しかし、上述の米2月消費者信頼感指数の雇用に関する調査では、職が「十分」にあると捉える回答者の割合が昨年4月以来の水準に増加。職が「十分」と「就職困難」の回答から算出する労働市場格差は約1年ぶりの高水準にまで上昇した。  米国ではITや金融などの業界で雇用削減の動きが多く観測されているが、全体的な就労者比率の高い飲食・サービスなどのサービス分野では雇用削減どころか人手不足が続いている。ITや金融業界で解雇された人員も業界内ですぐに再就職できているという指摘がある。こうした逼迫した労働市場を踏まえると、消費が鈍化したとしても即座にインフレが鎮静化するという話でもなさそうだ。インフレと消費鈍化による景気減速が進むとなれば、今後のスタグフレーションリスクは高まるといえ、先行きの企業業績については慎重に見通したい。  一方、前日に決算を発表した米コンピューター・IT企業のHP(ヒューレット・パッカード)は足元で落ち込んでいるパソコン(PC)需要が年内には持ち直す可能性があると強気な見通しを示した。先行きに楽観的になるには依然として材料不足とはいえ、大幅な落ち込みが続いてきたPC業界の在庫調整の進展が一巡してきたとすれば、メモリ向けを中心に厳しい需要減に見舞われてきた半導体関連企業には朗報だ。年後半からの市況回復を見越して年始から株価上昇が続いてきた半導体関連株にとっては裏付け材料となる。昨年来高値圏で推移するルネサス<6723>やアドバンテスト<6857>、上場来高値圏で推移するディスコ<6146>などには高値警戒感もあったが、正当化材料として好感されよう。出遅れ感のある東エレク<8035>などの一段の持ち直しに期待したいところだ。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 5件
6146 東証プライム
41,390
11/26 15:30
-1,340(-3.14%)
時価総額 4,483,241百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
2,000.5
11/26 15:30
-22(-1.09%)
時価総額 3,742,165百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6857 東証プライム
8,834
11/26 15:30
-398(-4.31%)
時価総額 6,768,090百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
16,705
11/26 15:30
-970(-5.49%)
時価総額 1,575,048百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
8035 東証プライム
22,650
11/26 15:30
-485(-2.1%)
時価総額 10,682,487百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07