マーケット
11/1 15:15
38,053.67
-1,027.58
41,763.46
-378.08
暗号資産
FISCO BTC Index
11/1 22:27:45
10,697,309
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は5日ぶり反落、インフレ巡る楽観論の危うさを今一度考えたい

2022/8/9 12:07 FISCO
*12:07JST 日経平均は5日ぶり反落、インフレ巡る楽観論の危うさを今一度考えたい  日経平均は5日ぶり反落。239.89円安の28009.35円(出来高概算5億8451万株)で前場の取引を終えている。  8日の米株式市場でダウ平均は29.07ドル高(+0.08%)と小幅続伸。強い7月雇用統計を受けた景気後退懸念の緩和に伴う買い戻しが続き、買い先行。ただ、今週半ばに発表が予定されている重要インフレ指標を警戒した売りから次第に失速した。上院がインフレ削減法案を可決し成立する見込みとなったことが一部プラス材料となり、ダウ平均はかろうじてプラス圏を維持したが、ナスダック総合指数は、半導体メーカーのエヌビディアの決算を受けた下落に押され、-0.1%と小幅続落。日経平均は12.4円安からスタートすると、低調な決算を発表した東エレク<8035>やソフトバンクG<9984>の急落が重石となる形で徐々に下げ幅を拡大。午前中ごろには28000円を割り込む場面もあったが、引けにかけては下げ渋った。  個別では、予想外に減益決算となった東エレクが8%を超える下落率で急落。4-6月期の最終赤字額としては日本企業で過去最大を記録したソフトバンクGは4%強の下落。流通取引総額の伸び悩みが嫌気されたメルカリ<4385>は9%超と大幅安。東エレクや米エヌビディアの株価急落が波及する形でアドバンテスト<6857>やスクリン<7735>などの半導体関連が総じて軟調。業績予想を下方修正したダイフク<6383>と住友ゴム<5110>は揃って急落。第1四半期が大幅減益となった日製鋼<5631>も大幅安となった。  一方、郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、ファーストリテ<9983>、エムスリー<2413>、SHIFT<3697>などのグロース(成長)株の一角が堅調。業績上方修正や増配、高水準の自社株買いを発表したINPEX<1605>は大幅高。三井松島HD<1518>は商いを伴った連日の大幅高で、東証プライム市場売買代金上位に顔を出した。ラウンドワン<4680>も連日で急伸。ほか、デサント<8114>、NISSHA<7915>、チャームケア<6062>、日産化学<4021>、ニチコン<6996>が好決算を手掛かりに大幅高。トレンド<4704>は、アクティビストとして有名な米バリューアクト・キャピタルが大株主に浮上したことで急伸した。  セクターではゴム製品、電気機器、輸送用機器が下落率上位になった一方、鉱業、海運、石油・石炭が上昇率上位になった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体65%、対して値上がり銘柄は30%となっている。  日経平均は指数寄与度の高い主力株の下落に押され、値幅を伴った下げとなっている。ただ、心理的な節目である28000円割れの水準では買い戻しが入って下げ渋っている。前日のナスダックの下落率も0.1%と、エヌビディアの急落があった割には底堅い印象。  10日の米7月消費者物価指数(CPI)と11日の米7月生産者物価指数(PPI)を前に様子見ムードが広がっており、持ち高を大きく動かしたくない向きが多いというのが指数の底堅さの背景だろう。ただ、筆者としては、足元の株式市場は楽観の修正が足りないと考えている。  7月半ばからの株式市場のリバウンドは、米連邦公開市場委員会(FOMC)や主要企業の4-6月期決算を前にした買い戻しから始まった。その後、FOMC後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を受けて高まった利下げ転換期待や、資源価格の下落を背景にしたインフレピークアウト期待、主要企業の決算が想定程には悪くなかったことなどから買い戻しに拍車がかかった。  しかし、先週末に発表された米7月雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想を2倍以上回ったほか、平均賃金の伸びは前年比と前月比のどちらでみても、減速の予想とは対照的に加速した。この強すぎる雇用統計は上述した7月半ばからのリバウンドの根拠とされてきた「インフレピークアウト→FRB利下げ転換」の期待を打ち消すものだ。市場でも、雇用統計を受け、0.5ptの利上げが有力視されていた9月会合での利上げ幅としては急速に0.75ptの確率が高まってきた。  それにも関わらず、週明けの株式市場は日米ともに底堅い。CPIは総合で前年比+8.8%と、6月の+9.1%から減速する見込みで、投資家はインフレピークアウト→利下げ転換への期待をまだ持っているのかもしれない。また、前日に発表されたニューヨーク連銀の調査で、3年先の期待インフレ率が3.2%と、6月の3.6%から大きく低下したことも、こうした期待を支えているのかもしれない。  しかし、CPIは減速したところで依然8%強と歴史的な高水準。また、資源価格の下落傾向には一服感が出てきており、今後の減速ペースはかなり緩やかになるとも考えられる。さらに、FRBが重要視する食品・燃料を除いたコアCPIは前年比+6.1%と6月の+5.9%から拡大する見込み。全体の3分の1を占めるCPIの最大構成項目である住居費は住宅価格から1年程遅れて動く傾向がある。このため、米国で住宅価格は今年4月に伸びとしてはピークを打っているが、CPIの伸びは対照的に今後も加速する公算となる。コアCPIはFRBの目標値である2%を3倍以上上回る状態が今後も続く可能性が高いといえる。  加えて、上述したように労働市場では平均賃金の伸びが加速している。賃金はインフレ項目の中でも下方硬直性があり、FRBのインフレ退治にあたっては特にやっかいな分野。サプライチェーン(供給網)制約の解消などが進んでいるのは確かだが、いま言えることは、それでも、なお需要が供給を上回っているということだ。需要が供給を上回っている限り、価格上昇圧力は消えず、FRBは金融引き締めを止めることはできない。  FRBも市場よりは慎重ながら、今後のデータ次第では0.5ptへと利上げ幅の減速も可能という見方が出ているのは心配だ。昨年8月のジャクソンホール会合で、パウエル議長は、インフレは一過性という主張を繰り返していた。しかし、その僅か3カ月後に同氏は「一過性」という表現を使うべきでないと姿勢を急転換。その後、FRBは自らの過ちを認める形で、急速な金融引き締めへと舵を切った。  僅か1年前に過度な楽観論から大きな過ちを犯したにもかかわらず、ここにきて再び利上げペースの減速もあり得ると市場に期待を抱かせるような楽観的な見方を一部持ち始めているのは非常に危うい。そもそも、これだけインフレが高いにもかかわらず、政策金利が未だに2.25-2.50%という物価指標の伸びを大きく下回る水準にあることに疑問府がつく。個人的には1ptの利上げを連続実施するくらいのショック療法が必要と考える。  いま市場が抱いている楽観論が正しいかどうかの答え合わせは近く行われる。早ければ、今週の米物価指標の発表、そこで行われなければ、来週17日のFOMC議事録公表か、今月25~27日開催予定のジャクソンホール会合までに修正される可能性があるだろう。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 22件
4,200
11/1 15:00
-200(-4.55%)
時価総額 54,869百万円
日本ストロー、明光商会などを傘下に収める持株会社。1913年創業。24.3期に祖業の石炭生産・販売事業から完全撤退。生活消費財、産業用製品の生活関連事業が柱に。環境対応素材ストローの拡大などに注力。 記:2024/08/10
1605 東証プライム
2,008.5
11/1 15:00
-5(-0.25%)
時価総額 2,785,121百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
2413 東証プライム
1,551
11/1 15:00
-34.5(-2.18%)
時価総額 1,053,238百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
3697 東証プライム
15,200
11/1 15:00
-350(-2.25%)
時価総額 271,062百万円
ソフトウェアテスト・品質保証サービス、セキュリティソリューション、DXサービス等を手掛ける。サービス提供社数は1760社超。エンジニア数、単価は上昇傾向続く。AI特化型品質保証サービスの提供を開始。 記:2024/05/10
4021 東証プライム
5,145
11/1 15:00
-59(-1.13%)
時価総額 726,989百万円
1887年創業の化学メーカー。機能性材料、農業化学品が柱。ディスプレイ材料「サンエバー」で世界トップシェア。半導体材料「ARC」はアジアシェア高い。総還元性向75%目標。事業領域の深掘りなどに注力。 記:2024/08/26
4385 東証プライム
2,105
11/1 15:00
-54.5(-2.52%)
時価総額 338,633百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4680 東証プライム
943
11/1 15:00
-31(-3.18%)
時価総額 270,224百万円
屋内型複合レジャー施設「ラウンドワン」の運営等を行う。アミューズメント部門の売上高比率が高い。クレーンゲーム専門店の運営等も。米国はスポッチャ収入が好調。新サービス開発や海外の新規出店などに注力。 記:2024/06/18
4704 東証プライム
7,926
11/1 15:00
-145(-1.8%)
時価総額 1,115,957百万円
コンピュータ・インターネット用セキュリティ関連製品の開発、販売等を行う。ウイルスバスターで知名度高い。コンシューマ向け製品で国内トップシェア。配当性向70%目標。統合セキュリティプラットフォームを拡販。 記:2024/08/13
5110 東証プライム
1,548.5
11/1 15:00
-29(-1.84%)
時価総額 407,322百万円
1909年創業の大手タイヤメーカー。兵庫県神戸市に本社。「DUNLOP」ブランドなどを展開。ゴルフクラブ等のスポーツ用品、制振ダンパー等の産業品も手掛ける。高機能商品の開発・増販等で競争力の強化を図る。 記:2024/10/14
5631 東証プライム
5,128
11/1 15:00
-138(-2.62%)
時価総額 381,462百万円
樹脂製造・加工機械、成形機、防衛関連機器の製造・販売等を行う産業機械事業が主力。素形材・エンジニアリング事業も。1907年創業。29.3期売上高3800億円目標。産業機械事業は内製化率の維持・向上図る。 記:2024/10/09
1,230
11/1 15:00
-25(-1.99%)
時価総額 40,236百万円
介護付有料老人ホームの運営等を行う介護事業が主力。首都圏、近畿圏で展開。不動産事業、人材派遣、人材紹介等も。居室数は5900室超。既存ホームは高い入居率維持。中計では26.6期売上高650億円目指す。 記:2024/06/24
6383 東証プライム
2,867.5
11/1 15:00
-63.5(-2.17%)
時価総額 1,089,163百万円
マテリアルハンドリング業界最大手の物流システムメーカー。1937年創業。自動倉庫システム、無人搬送車、仕分け・ピッキングシステム等を手掛ける。一般製造業・流通業向けではFA分野における新領域開拓等に注力。 記:2024/08/06
6857 東証プライム
8,745
11/1 15:00
-403(-4.41%)
時価総額 6,699,903百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6996 東証プライム
1,000
11/1 15:00
-8(-0.79%)
時価総額 78,000百万円
アルミ電解コンデンサ、xEV用フィルムコンデンサ等の製造・販売を行うコンデンサ事業が主力。家庭用蓄電システム等のNECST事業も。京都府京都市に本社。エネルギー・環境・医療機器などを重点分野に位置付け。 記:2024/10/12
10,015
11/1 15:00
-15(-0.15%)
時価総額 1,017,424百万円
半導体機器の製造、販売等を行うSCREENセミコンダクターソリューションズが中核の持株会社。バッチ式洗浄装置やスピンスクラバーなどで世界トップシェア。配当性向30%以上目安。DX推進による生産性向上図る。 記:2024/08/22
7915 東証プライム
1,848
11/1 15:00
-52(-2.74%)
時価総額 93,982百万円
IMD、転写箔、蒸着紙等を手掛ける産業資材が柱。フィルムタッチセンサー、低侵襲医療用手術機器等も。1929年創業。京都府京都市に本社。旧社名は日本写真印刷。産業資材事業では生産性、効率性の改善進む。 記:2024/10/12
8035 東証プライム
22,485
11/1 15:00
-915(-3.91%)
時価総額 10,604,668百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8114 東証プライム
4,330
11/1 14:59
±0(0%)
時価総額 333,081百万円
総合スポーツ用品メーカー。デサントやルコックスポルティフ、アリーナ、アンブロ等のブランドを展開。アスレチックウェア、ゴルフウェアが柱。日本市場では正価販売による量的拡大、大型商材の開発等に取り組む。 記:2024/07/29
9101 東証プライム
5,066
11/1 15:00
-72(-1.4%)
時価総額 2,584,496百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,179
11/1 15:00
-44(-0.84%)
時価総額 1,877,667百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9983 東証プライム
48,140
11/1 15:00
-1,380(-2.79%)
時価総額 15,319,159百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業を成長の柱として位置付け。LifeWearの浸透や出店加速で北米、欧州は顧客層が拡大。 記:2024/05/10
9984 東証プライム
8,964
11/1 15:00
-534(-5.62%)
時価総額 15,444,560百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17