マーケット
11/28 15:15
38,349.06
+214.09
44,722.06
-138.25
暗号資産
FISCO BTC Index
11/29 6:30:26
14,436,829
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は5日続落、日本株再浮上への「試練」

2021/10/1 12:18 FISCO
*12:18JST 日経平均は5日続落、日本株再浮上への「試練」  日経平均は5日続落。590.83円安の28861.83円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。  9月30日の米株式市場でNYダウは大幅反落し、546ドル安となった。週間の失業保険申請件数が予想外に増加したほか、与野党が連邦債務の上限引き上げで合意できず、イエレン財務長官やパウエル連邦準備理事会(FRB)議長が深刻な事態をもたらすと再度警告したこともあって投資家心理が悪化。引けにかけて上下院が暫定予算案を可決して政府機関閉鎖が回避されたが、月末・四半期末の売りで一段安となった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで217円安からスタート。日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では大企業・製造業の業況判断指数が市場予想を上回ったこともあり、朝方下げ渋る場面があったが、時間外取引でのNYダウ先物の下落とともに下げ幅を拡大し、一時28837.09円(615.57円安)まで下落した。  個別では、前日の引けにかけて日経平均採用に伴う買いが入った任天堂<7974>や村田製<6981>、それに川崎船<9107>やファーストリテ<9983>の下げが目立つ。公募増資実施を発表したSUMCO<3436>は4%近く下落し、その他売買代金上位も郵船<9101>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>など全般軟調。また、前日に経済活動の正常化や政策期待で買われた銘柄が急反落し、ポピンズHD<7358>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、売買代金上位ではレーザーテック<6920>と商船三井<9104>が逆行高。楽天グループ<4755>は楽天銀行の上場準備を発表し、東芝<6502>は米ファンドの保有株買い増しが報じられて買われている。また、大規模な自社株買い実施を発表したグリー<3632>はストップ高水準での買い気配が続いている。  セクターでは、その他製品、金属製品、卸売業などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは鉱業のみだった。東証1部の値下がり銘柄は全体の89%、対して値上がり銘柄は8%となっている。  本日の日経平均は朝方下げ渋ったのち大きく値を崩し、取引時間中としては9月3日以来およそ1カ月ぶりに29000円を割り込んだ。東証1部銘柄の9割近くが下落する全面安の展開で、物色の矛先が向いているのは個別材料株の一角に限られる。米10年物国債利回りが1.5%割れまで下落し、朝方には新興株が買われる場面もあったが、結局マザーズ指数は伸び悩んでほぼ横ばい。ここまでの東証1部売買代金は1兆8000億円ほどで、値幅が大きく出たとあって前日よりやや膨らんでいる。  さて、前日の当欄で日本株の投資スタンスを「強気」から「当面様子見」に修正した筆者だが、早々にこれほど値を崩すとまではさすがに想定していなかった。四半期末、それに日経平均の銘柄入れ替えという需給イベントを通過し、岸田文雄新総裁のもとでの自民党執行部の陣容も伝わっていたことから、むしろ本日は日経平均の29200~29300円あたりでの底堅さ発揮に期待する向きが多かったように見える。こうした期待はあっけなく裏切られてしまった。  米国ではひとまず暫定予算案が可決されたものの、なお債務上限問題が残っている。また、エネルギー価格高騰に伴いインフレへの警戒感がくすぶっており、サマーズ元財務長官などスタグフレーション(不況と物価高の同時進行)に陥ることを懸念する声も上がる。不動産会社の資金繰り不安や電力不足に揺れる中国も景気減速懸念が拭えず、景気敏感色の強い日本株にとっては逆風となるのはやむを得ない。  但し、日本株にとっての「試練」はそれだけでないだろう。前日の当欄では、投資判断引き下げの理由として9月28日以降観測されているBofA証券の東証株価指数(TOPIX)先物売りを挙げた。30日の先物手口を見ると、BofA証券のみならずUBS証券、ゴールドマン・サックス証券といった多くの外資系証券でTOPIX先物売りが観測された。  政局が流動的になってから自民党総裁選までの間、海外情勢に多少の不安があっても、出遅れていた日本株のアウトパフォーム期待から海外勢の先物買いは根強く入っていた。それを踏まえると、足元でも経済正常化・政策期待で根強く買いを入れている現物株投資家と異なり、グローバルマクロ系を中心とした海外ファンド勢はやはり日本株のエクスポージャー(投資残高)を高める機運が後退してしまったように感じられる。これらは前日述べた日本の政治に「安定」より「変化」を求めた海外投資家だろう。  もちろん、日本株が再浮上の糸口をつかめるかどうかは岸田新政権の手腕次第となる。再配分重視を強調する点に眉をひそめる市場関係者もあるが、米国でバイデン民主党政権が誕生したように世界的な趨勢であり、米株の推移を見ても再配分施策そのものが決定的に株安要因となることはないだろう。ちなみに、これは競争政策重視の傾向が見られた菅政権と大きくスタンスが異なる点であり、前日に子育て・介護などの関連銘柄が大きく値を上げたのもうなずける。積極的な買い姿勢を維持している現物株投資家にとっては有望な投資機会となり得るだろう。  しかし、日本株全体として再び高値を目指していくためには、やはり日本経済の浮上に向けた「変化」が見られると海外投資家に受け止められる必要があるだろう。そうした背景から「当面様子見」の投資スタンスとしたい。  なお、本日から中国が国慶節休みに入り、中国本土市場や香港市場が休場となっている。今晩の米国では9月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が発表される予定。米株の動向を注視したいとの思惑から、後場の日経平均も戻りの鈍い展開となる可能性がある。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 14件
3436 東証プライム
1,244
11/28 15:30
+34(2.81%)
時価総額 435,618百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
3632 東証プライム
428
11/28 15:30
+5(1.18%)
時価総額 76,933百万円
スマホゲームの運営等を行うゲーム・アニメ事業が主力。スマホ向けメタバース「REALITY」等のメタバース事業、DX事業、投資事業も展開。配当性向30%程度以上目処。ゲーム・アニメ事業では開発体制を強化。 記:2024/08/27
4755 東証プライム
854.7
11/28 15:30
-2.3(-0.27%)
時価総額 1,838,926百万円
国内最大のネットショッピングモール「楽天市場」、旅行予約サービス「楽天トラベル」を運営。楽天モバイル、楽天カード、楽天銀行などを傘下に持つ。クレジットカード関連サービスなどフィンテック部門は順調。 記:2024/07/08
6502 東証プライム
4,590
12/19 15:00
-5(-0.11%)
時価総額 1,988,103百万円
総合電機大手。持分法会社にキオクシアHD。不正会計や原発巨額損失で陥った経営危機から再建中。JIP連合がTOB発表。TOB価格は1株4620円。TOB成立ならば上場廃止に。24.3期1Qは営業黒字に復帰。 記:2023/09/15
6920 東証プライム
16,585
11/28 15:30
-340(-2.01%)
時価総額 1,563,733百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6981 東証プライム
2,489.5
11/28 15:30
-19(-0.76%)
時価総額 4,955,631百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7358 東証スタンダード
1,283
11/28 15:30
-19(-1.46%)
時価総額 13,057百万円
保育施設や学童児童館の運営等を行うエデュケア事業が主力。ナニーサービスやベビーシッターサービス等のファミリーケア事業、人材派遣・紹介等も。エデュケア事業では高収益のポピンズプラスの拡大などに注力。 記:2024/08/20
7974 東証プライム
8,785
11/28 15:30
+258(3.03%)
時価総額 11,408,992百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
23,740
11/28 15:30
+1,500(6.74%)
時価総額 11,196,567百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,824
11/28 15:30
+24(0.5%)
時価総額 2,223,864百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,181
11/28 15:30
+11(0.21%)
時価総額 1,878,392百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,003
11/28 15:30
+13(0.65%)
時価総額 1,352,370百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9983 東証プライム
51,100
11/28 15:30
-90(-0.18%)
時価総額 16,261,093百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
9,048
11/28 15:30
+67(0.75%)
時価総額 13,300,515百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17