マーケット
11/29 15:15
38,208.03
-141.03
44,910.65
+188.59
暗号資産
FISCO BTC Index
11/30 13:49:20
14,506,119
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は3日ぶり反発、「グロースシフト」で日本株はまた蚊帳の外?

2021/6/18 12:27 FISCO
*12:27JST 日経平均は3日ぶり反発、「グロースシフト」で日本株はまた蚊帳の外?  日経平均は3日ぶり反発。89.65円高の29107.98円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。  17日の米株式市場でNYダウは4日続落し、210ドル安となった。前日の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて金融緩和策の早期縮小観測が広がり、期待インフレ率の低下とともに長期の年限を中心に金利が低下。商品市況の下落や軟調な経済指標も重なり、景気敏感株に売りが出た。一方、金利低下によりハイテク株が買われ、ナスダック総合指数は0.9%の上昇。本日の東京市場でも値がさグロース(成長)株を中心に買いが先行し、日経平均は118円高からスタートした。ただ、米市場と同様に金融・市況関連を中心とした景気敏感株では売りがかさんでいる銘柄も多く、前場の日経平均は寄り付きを高値に伸び悩み、プラス圏でもみ合う展開となった。  個別では、売買代金トップのエーザイ<4523>が10%の上昇。一部外資系証券の投資判断引き上げが観測されている。グロース株としての位置付けが高い日本電産<6594>は4%超上昇し、レーザーテック<6920>、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>も堅調。投資判断引き上げ観測の三井ハイテク<6966>や自社株買い発表のファンコミ<2461>は急伸し、MS−Japan<6539>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、トヨタ自<7203>が利益確定売りに押され3%近い下落。ソフトバンクG<9984>もさえない。米金利低下を受けて三菱UFJ<8306>などのメガバンク株が売られ、第一生命HD<8750>は急反落。また、市況関連でも特に海運株の軟調ぶりが目立ち、郵船<9101>などが揃って東証1部下落率上位に顔を出している。  セクターでは、精密機器、その他製品、電気機器などが上昇率上位。一方、海運業、保険業、鉱業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の40%、対して値下がり銘柄は54%となっている。  FOMC直後は持ち高調整の売りに押され下落した日経平均だが、本日は値がさグロース株を中心に買いが優勢となっている。ただ、海運株が揃って急落するなど景気敏感株は売りがかさんでおり、東証株価指数(TOPIX)は0.28%の下落。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、日経平均も寄り付きを高値に伸び悩む展開を強いられている。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円ほどと低迷しているわけではないが、個別株の値動きが出ている割には膨らんでいない感もある。新興市場ではマザーズ指数が0.85%の上昇。本日新規上場したEnjin<7370>は公開価格を5割強上回る初値を付けた。従前のIPO銘柄の好調ぶりはなお遠いが、16日上場の全研本社<7371>が伸び悩んだ後だけに安心感のある結果。全研本社はFOMC前の手控えムードが影響した可能性もありそうだ。  日本株に限らず、各商品ともFOMC直後の持ち高調整の動きが一巡すると、その後の方向感が徐々に見えてきた。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ懸念への対応に軸足を置く姿勢を示してきたこともあり、期待インフレ率の指標である米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は15日の2.38%から17日には2.27%まで低下。期待インフレ率の高まりに後押しされる形で上昇してきた長期金利も一転低下した。  また、改めて「経済改善ペースのピークアウト」が意識されている面もあるようだ。前日発表された米経済指標では先週分の新規失業保険申請件数が増加したほか、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想以上に低下。また、イギリスではインドで確認された変異ウイルスの感染が急速に拡大するなど、足元でも気掛かりな動きが出てきた。  これらを踏まえ、トレードの流れは「リフレ」から「グロース」へ傾いてきた。本日の東京市場での取引状況を見てもそれは鮮明だ。しかし、こうした流れは景気敏感色が強い日本株への海外投資家の関心をより高めにくくするだろう。日本株全体としては、前日予想したとおり「下値こそ堅いが上値は期待しづらい」状況が続くとみておきたい。  さて、政府は沖縄を除く9都道府県で20日に新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」を解除することを正式に決定した。東京五輪・パラリンピックも有観客・無観客を巡ってなお議論が行われているが、ひとまず開催の流れとなっているもよう。ワクチン普及と経済活動の再開、さらに五輪開催で内閣支持率が上向き、9月の衆院解散・総選挙で与党が勝利するというシナリオを描くストラテジストが多い。もっとも、海外メディアでも有観客での五輪開催による感染者数の増加を懸念する報道が見られるだけに、海外投資家が素直に再評価材料と受け止めるかはやや疑問がある。コロナ対策を巡って感情的なしこりが大きくなっているだけに、内閣支持率が上向くかも慎重に見極める必要があるだろう。  度々指摘しているが、我々が欧米の政治情勢をニュースで知るのと同様に、海外投資家は海外メディアの報道を通じて日本の政治情勢を知る。当面は内閣支持率の推移などを睨み様子見姿勢の海外投資家が多くなるかもしれない。  ただ、こと政界内の動きに関して言えば、目前に迫った東京都議会議員選とその後の衆院選に向けた与党の準備は着々と進んでいる感がある。誌面の都合で続きはまた次回以降としたい。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 16件
414
11/29 15:30
-1(-0.24%)
時価総額 31,849百万円
アフィリエイト広告サービス「A8.net」、スマホアプリ向けCPI広告サービス「seedApp」などを手掛けるCPAソリューション事業が主力。ゲームパブリッシング事業など新規事業の開発投資を拡大。 記:2024/08/02
4523 東証プライム
4,670
11/29 15:30
+8(0.17%)
時価総額 1,384,968百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」、不眠症治療剤「デエビゴ」などが主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に積極的な成長投資実施。 記:2024/10/20
6539 東証プライム
1,050
11/29 15:30
+6(0.57%)
時価総額 26,247百万円
弁護士、公認会計士、一般事業会社の管理部門職種等を対象とする人材紹介事業を展開。ダイレクトリクルーティングサービス、メディア事業、海外人材事業も。人材紹介事業の新規登録者数、新規求人獲得数は順調。 記:2024/10/08
6594 東証プライム
2,755
11/29 15:30
-63(-2.24%)
時価総額 3,285,528百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6920 東証プライム
16,440
11/29 15:30
-145(-0.87%)
時価総額 1,550,062百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6966 東証プライム
733
11/29 15:30
-13(-1.74%)
時価総額 144,646百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
7203 東証プライム
2,551.5
11/29 15:30
-55.5(-2.13%)
時価総額 40,300,909百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7370 東証グロース
714
11/29 15:30
-8(-1.11%)
時価総額 5,189百万円
ダイレクトブランディングサービスなどのPRコンサルティングサービスが主力。メディアプラットフォームサービスも手掛ける。ダイレクトブランディングサービスは取引社数6000社超。AI活用で営業効率化図る。 記:2024/10/26
7371 東証グロース
509
11/29 15:30
-1(-0.2%)
時価総額 6,262百万円
WEBマーケティング事業が主力。ニッチ市場の集客メディア制作などを行う。IT・介護の海外人材紹介、法人向け語学研修、不動産賃貸等も手掛ける。WEBマーケティング事業ではBtoB業種の受注獲得などに注力。 記:2024/09/03
7974 東証プライム
8,810
11/29 15:30
+25(0.28%)
時価総額 11,441,459百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
23,310
11/29 15:30
-430(-1.81%)
時価総額 10,993,765百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,792
11/29 15:30
+23.5(1.33%)
時価総額 23,801,335百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
4,051
11/29 15:30
+138(3.53%)
時価総額 4,177,995百万円
第一生命保険を中核とする持株会社。第一フロンティア生命保険、アイペット損害、ベネフィット・ワンなども傘下に持つ。既存進出国の資本効率改善などに取り組む。中期経営計画では27.3期ROE10%程度目標。 記:2024/08/30
9101 東証プライム
4,796
11/29 15:30
-28(-0.58%)
時価総額 2,210,956百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9983 東証プライム
51,110
11/29 15:30
+10(0.02%)
時価総額 16,264,275百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,936
11/29 15:30
-112(-1.24%)
時価総額 13,135,875百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17