2024/4/27
新興市場見通し:決算発表予定の主力処が戻りを試すか確認したいところ
*14:24JST 新興市場見通し:決算発表予定の主力処が戻りを試すか確認したいところ
■週を通してエネルギー不足の地合い
今週の新興市場は反発。同時期の騰落率は、日経平均が+2.34%だったのに対して、グロース市場指数は+0.95%、グロース市場250指数は+0.92%と日経平均よりも小幅な反発に留まった。週初は半導体関連銘柄を中心に米ハイテク株が弱い動きとなったことから、プライム市場の半導体株を中心に利益確定売りが先行。投資家心理が悪化したことで、グロース市場は年初来安値を更新する銘柄の投げ売りが目立った。押し目を狙うような積極的な投資家は不在となったことから、グロース市場の売買代金は5営業日連続で1000億円を下回った。週末にかけては米ハイテク株上昇などを材料に自律反発的な買いが入ったことから、グロース市場指数、グロース市場250指数ともに週間ベースでは反発となったが、週を通してエネルギー不足の地合いとなった。
個別銘柄では、東京都世田谷区による顔認証勤怠システム「AIZE」の採用や、グループ会社のゼロフィールドが業務提携先と連携を進め、米国にデータセンターを増設などと発表したトリプルアイズ<5026>が急騰。L is B<145A>は、横井社長CEOが投資家向けチャンネルで「黒字維持しながら成長」と強調したことで買われた。リンカーズ<5131>がオンデック<7360>と業務提携し、M&A支援、プラットフォーム開発、ビジネスマッチングの3領域で相互に協力すると発表し買われた。一方、決算が嫌気されてシーユーシー<9158>が上場来安値を更新したほか、ティーケーピー<3479>、カバー<5253>、トライト<9164>など主力銘柄も総じて売られた。
なお、4月24日にグロースへ上場したレジル<176A>の初値は公開価格を0.4%上回る1205円、25日に同じくグロースへ上場したコージンバイオ<177A>の初値は公開価格を6.8%上回る2030円となった。その後、レジルは初値を上回って推移したが、コージンバイオは週末に急落して初値を下回った。
■再来週は主力処の決算発表が多数予定、IPOは空白期間入り
来週から再来週にかけての新興市場は、プライム市場同様、決算発表銘柄中心の地合いとなりそうだ。好決算銘柄が素直に買われる地合いとなれば、グロース市場指数やグロース市場250指数も堅調推移となりそうだが、今週材料が出たQPS研究所<5595>ですら買いが続かなったことから、投資家心理を刺激する核となる銘柄が出るかは微妙なところだ。
再来週は9日にサンウェルズ<9229>、BASE<4477>、10日に弁護士ドットコム<6027>、GMOフィナンシャルゲート<4051>とグロース市場Core指数構成銘柄など主力処の決算発表が予定されている。今週は主力処も週間騰落率ランキング値下がり上位に複数社が名を連ねる厳しい状況だった。投資家心理が悪化していることで物色意欲は弱く、売買代金は細っている。足元の地合いを考慮すると、グロース市場全体の底入れを試すのはまだ先と考える。まずは、決算発表前後の主力株で戻りを試す銘柄が現れるかを確認したい。なお、新規株式公開(IPO)は、5月28日上場予定の学びエイド<184A>登場まで空白期間となる。
《FA》
2024/4/26
東証グロ-ス指数は反発、薄商いだが買戻しの動きが先行
*16:35JST 東証グロ-ス指数は反発、薄商いだが買戻しの動きが先行
東証グロース市場指数 825.84 +5.40 /出来高 1億58万株/売買代金922億円東証グロース市場250指数 644.61 +4.49 /出来高 6061万株/売買代金620億円
本日のグロース市場は、東証グロース市場指数は、東証グロース市場250指数ともに反発。値上がり銘柄数は267、値下り銘柄数は250、変わらずは51。
25日の米国株式市場は下落。ダウ平均は375.12ドル安(-0.98%)の38085.80ドル、ナスダックは100.99ポイント安(-0.64%)の15611.76、S&P500は23.21ポイント安(-0.46%)の5048.42で取引を終了した。1-3月期国内総生産(GDP)の伸び鈍化を受け成長減速を懸念する売りに寄り付き後、下落。同時に、同四半期の価格指数は予想以上に伸びが加速したため長期金利上昇を嫌気した売りも強まった。ハイテクではメタの決算を受けた売りも重しとなったほか、NYダウはキャタピラーの下げが押し下げ、続落。終日軟調推移となったが、押し目では主要企業決算を期待した買いが支え終盤にかけ下げ幅を縮小し、終了した。
米国株はさえなかったが、決算を発表したマイクロソフトが時間外取引で買われたことなどから、グロース市場はやや買われて取引を開始。寄付き後は方向感に乏しかったが、日銀金融政策決定会合の結果が「金融政策の現状維持」だったことで、プライム市場中心に買い優勢となった。グロース市場は引き続き薄商いのままだったが、グロース市場指数、グロース市場250指数ともにやや買戻しが先行し前日比プラス圏で取引を終えた。
個別では、子会社が米国でデータセンターを増設すると発表したトリプルアイズ<5026>がストップ高となったほか、国交省が河川や道路管理の実証案件に採択したことを発表したQPS研究所<5595>も買われた。時価総額上位銘柄では、MacbeeP<7095>、ispace<9348>、セーフィー<4375>が上昇。値上がり率上位銘柄では、ソーシャルワイヤー<3929>、データセクション<3905>、レジル<176A>がランクイン。
一方、コンヴァノ<6574>、コージンバイオ<177A>の下げが目立った。時価総額上位銘柄では、シーユーシー<9158>、GENDA<9166>が下落。値下がり率上位銘柄では、テックファーム<3625>、フィット<1436>、トランスジェニック<2342>がランクイン。
東証グロース市場Core指数では、MacbeeP、ispace、セーフィーのほか、ライフネット生命保険<7157>、ジーエヌアイグループ<2160>が買われた。
[東証グロース市場 上昇率・下落率上位10銘柄]
・値上がり率上位10位
|コード|銘柄 | 現値| 前日比| 前比率|
1| 5026|トリプルアイズ | 1472| 300| 25.60|
2| 3905|データセク | 1822| 243| 15.39|
3| 176A|レジル | 1249| 152| 13.86|
4| 151A|ダイブ | 3740| 450| 13.68|
5| 3929|ソシャルワイヤ | 287| 31| 12.11|
6| 4498|サイバートラスト | 1785| 154| 9.44|
7| 3558|ジェイドG | 1524| 127| 9.09|
8| 9338|INFORICH | 3930| 300| 8.26|
9| 7095|MacbeeP | 13590| 1010| 8.03|
10| 4893|ノイルイミューン | 173| 12| 7.45|
・値下がり率上位10位
|コード|銘柄 | 現値| 前日比| 前比率|
1| 177A|コージンバイオ | 2026| -344| -14.51|
2| 6574|コンヴァノ | 869| -91| -9.48|
3| 5132|pluszero | 2180| -197| -8.29|
4| 3625|テックファム | 585| -45| -7.14|
5| 1436|フィット | 915| -67| -6.82|
6| 2342|トランスG | 248| -15| -5.70|
7| 4564|OTS | 17| -1| -5.56|
8| 4169|エネチェンジ | 429| -25| -5.51|
9| 6085|アキテクツSJ | 474| -27| -5.39|
10| 4316|ビーマップ | 420| -23| -5.19|
《FA》
2024/4/25
新興市場銘柄ダイジェスト:シーユーシーは上場来安値、トランスGが大幅高
*15:57JST 新興市場銘柄ダイジェスト:シーユーシーは上場来安値、トランスGが大幅高
<5026> トリプルアイズ 1172 +107
大幅に反発。22日に開示した東京都世田谷区による顔認証勤怠システム「AIZE」の採用が改めて買い材料視されている。同システムの採用は大規模自治体で初めて。前日にグループ会社が国内のマイニングマシン(暗号資産の採掘用コンピューター)販売台数・顧客数・自社データセンター稼働顧客数で3年連続1位を獲得したことも好感されている。23日に年初来高値を記録した後は株価が下落していたため、押し目買いも入っているようだ。
<176A> レジル 1097 -43
大幅安。前日に上場して1205円で初値を付けた後は引けにかけて下落。本日はこの日上場のコージンバイオ<177A>に続く新規株式公開(IPO)は約1カ月後とあって、直近のIPO銘柄として物色の矛先が向かい、一時値頃感からの買いが優勢となっていたが、徐々に値を消し、前日終値を割り込んで終えている。
<4498> サイバートラスト 1631 -134
大幅に4日ぶり反落。25年3月期の営業利益予想を前期比16.9%増の13.00億円と発表している。認証・セキュリティサービスの「iTrust」などが成長を牽引すると見込む。24年3月期の営業利益は5.5%増の11.12億円で着地した。ただ、株価は相場全体の下落基調に押されているほか、純利益が減損損失の計上で28.5%減の5.18億円と会社計画(7.40億円)を下回ったことも嫌気され、売り優勢となっている。
<5131> リンカーズ 225 +5
年初来高値。オンデック<7360>とM&A事業で提携すると23日に発表したことが引き続き買い材料視された。M&Aアドバイザリー事業で連携するほか、プラットフォーム開発協力やリンカーズのSaaS型ビジネスマッチングシステムをオンデックに導入する。オンデック株も年初来高値を連日で更新。
<9158> シーユーシー 1790 -387
上場来安値。25年3月期の営業利益予想を前期比7.0%増の40.00億円と発表している。ホスピスセグメントでの相対的に利益率の高い50床規模施設の増加が寄与する見通し。一方、前期に発生した為替差益による影響が剥落することから、純利益予想は15.2%減の22.00億円としている。24年3月期の営業利益は1.5%増の37.37億円で着地した。医療機関セグメントやホスピスセグメントが伸長し、増益を確保した。
<2342> トランスG 263 +38
大幅高。24年3月期の営業損益予想を従来の0.50億円の赤字から0.90億円の黒字(前期実績0.25億円の赤字)に上方修正している。即戦力人員の補強及び納期管理を徹底し、創薬支援事業の業績が改善した。また、投資・コンサルティング事業で円安傾向の継続や商品調達コストの上昇を踏まえた価格改定が進んだことに加え、Eコマースを営む業態の子会社でも消費者の購買意欲に改善の動きが見られたことも黒字転換に寄与する見通し。
《ST》