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韓国の経済を分析する vol.1 韓国軍によるレーダー照射の不可解【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】

2019/12/9 16:29 FISCO
*16:29JST 韓国の経済を分析する vol.1 韓国軍によるレーダー照射の不可解【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】 ◆フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議の主要構成メンバー シークエッジ グループ代表 白井一成 アイスタディ代表取締役 中川博貴 フィスコ取締役 中村孝也 【フィスコ世界経済・金融シナリオ会議】は、フィスコ・エコノミスト、ストラテジスト、アナリストおよびグループ経営者が、世界各国の経済状況や金融マーケットに関するディスカッションを毎週定例で行っているカンファレンス。主要株主であるシークエッジグループ代表の白井氏も含め、外部から多くの専門家も招聘している。それを元にフィスコの取締役でありアナリストの中村孝也、アイスタディの代表取締役である中川博貴が内容を取りまとめている。2016年6月より開催しており、これまでにも今後の中国経済、朝鮮半島危機、第四次産業革命後の日本経済の分析、仮想通貨と日本経済のゆくえ、デジタル資本主義、米中冷戦などの分析・考察を行ってきている。 ◇以下は、フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議で議論したことをFISCO監修の投資情報誌『FISCO 株・企業報 Vol.8−「反日」が激化する 韓国の「いま」と「今後」 4つのシナリオ』(9月26日発売)の特集『韓国の「経済」を分析する』でまとめたものの一部である。全4回に分けて配信する。 最大の貿易相手国・中国の景気悪化が鮮明になるなかで、韓国の経済成長に急ブレーキがかかっている。韓国は貿易依存度が高く、中国の「製造2025」で稼ぐ力が弱体化する可能性もある。惰弱性が表面化すれば1997年に起こったIMF危機のような通貨危機に陥る懸念も。韓国経済の“いま”を分析する。 ■韓国軍によるレーダー照射の不可解 韓国経済はアジア通貨危機、リーマン・ショックを経て、順調に成長してきた。1980年以降で見ても、実質国内総生産(GDP)成長率がマイナスになったのは、アジア通貨危機の1998年のみである。リーマン・ショック後の2009年でも、成長率こそ鈍化したものの、マイナス成長に陥らなかった。1980年以降の年率換算成長率の平均は、6.3%と比較的高い成長を維持してきたのである。 2017年には、韓国の1人あたりのGDPは3万ドルを上回り、日本の3.9万ドルの約80%に達している。 成長の原動力は半導体を中心とした輸出だ。GDPに占める輸出の割合は2011年のピークで46.2%、足もとでも30%台の後半であり、日本のGDPに占める輸出比率の10%半ばを大きく上回る。韓国の経済構造は、貿易で大きく稼ぎ、旅行、通信、建設、保険、金融、情報、特許等使用料の収支などがマイナスという特徴がある。 グローバリゼーションの進展、中国との関係強化により、2018年の貿易収支は1,118.67億ドル(約12.3兆円)と大幅黒字になり、好調だった。この貿易収支の大幅黒字を背景に、経常収支も764.09億ドル(約8.4兆円)と高水準になっている。 そして、経常収支の大幅黒字を受けて、外貨準備高は順調に積み上がっており、4,036.94億ドル(約44.4兆円)にまでなっている。外貨準備のGDPに占める割合もアジア通貨危機当時の3%弱から、現在は20%を大きく上回っており、対外純資産もプラスに転じている。これだけを見れば、経済の足腰は強くなったように見える。 経常収支、貿易・サービス収支、所得収支、対外純資産、資本収支などから国の発展段階を見る「国際収支発展段階説」に当てはめて考えると、韓国は「債務返済国」から「未成熟な債権国」へ移行する段階にあることがわかる。ちなみに日本は、その次の段階である「成熟した債権国」に分類される。 (つづく~「韓国の経済を分析する vol.2 中国シェアは日米に匹敵【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】」~) ◆執筆者 シークエッジ グループ代表 白井一成 アイスタディ代表取締役 中川博貴 フィスコ取締役 中村孝也