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16日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で5日ぶり反発、薬明生物が11.3%上昇

2021/12/16 18:00 FISCO
*18:00JST 16日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で5日ぶり反発、薬明生物が11.3%上昇 16日の香港市場は、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比54.74ポイント(0.23%)高の23475.50ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が6.74ポイント(0.08%)高の8349.65ポイントとそろって5日ぶりに反発した。売買代金は1381億1770万香港ドルにやや拡大している(15日は1277億4180万香港ドル)。 本土株高が支えとなる流れ。米国の対中圧力などを嫌気し売り先行したものの、本土株の上げ幅拡大を好感し、香港の指数は終盤に入りプラスに転じた。中国本土では、経済対策の期待が強まっている。15日に開催された国務院(政府)の常務会議では、景気テコ入れに向けて、中小・零細企業に対する金融支援強化が決定された。また市場では、来週20日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関し、20カ月ぶりの引き下げ観測も浮上している。(亜州リサーチ編集部) ハンセン指数の構成銘柄ではバイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が11.3%高、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(カントリー・ガーデン・サービス・ホールディングス:6098/HK)が5.7%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.2%高と上げが目立った。薬明生物技術については、自社株買いなどが好感されている。昨日の相場では、米国が部品や技術の対中輸出を規制する「エンティティー・リスト」入りの不安で19.2%急落していた。 セクター別では、石炭が高い。エン州煤業(1171/HK)が24.2%、中国中煤能源(1898/HK)が12.1%、中国神華能源(1088/HK)が6.1%ずつ上昇した。エン州煤業に関しては、向こう5〜10年の発展戦略公表が刺激材料。既存の産業レイアウトに基づき、鉱業、ハイエンド化学工業・新素材、新エネルギー、ハイエンド設備製造、スマート物流の5項目からなる産業発展の目標を策定した。同社はこれまでにクリーンエネルギー事業を開拓していく方針を示しており、「エン鉱能源集団」への社名変更手続きを進めている。 中国不動産セクターも急伸。融創中国HD(1918/HK)が6.1%高、合景泰富地産HD(1813/HK)が5.7%高、世茂房地産HD(813/HK)が4.0%高、中国金茂HD(817/HK)が3.4%高で取引を終えた。 非鉄や鉄鋼の素材セクターも買われる。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が4.8%高、江西銅業(358/HK)が1.8%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.7%高、鞍鋼(347/HK)が3.6%高で引けた。 海運セクターもしっかり。太平洋航運集団(2343/HK)が5.3%高、東方海外(316/HK)が3.0%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.6%高、海豊国際HD(1308/HK)が2.5%高と値を上げた。 半面、食品飲料セクターはさえない。統一企業中国HD(220/HK)が2.4%、中国旺旺HD(151/HK)が2.0%、中国雨潤食品集団(1068/HK)が1.2%、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が1.0%ずつ下落した。 一方、本土市場は3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.75%高の3675.02ポイントで取引を終了した。石炭株が急伸。素材株、インフラ関連株、ハイテク株、公益株、運輸株、不動産株、金融株、自動車株なども買われた。 亜州リサーチ(株) 《FA》