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9日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で4日ぶり反発、景気敏感株しっかり

2021/3/9 18:00 FISCO
*18:00JST 9日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で4日ぶり反発、景気敏感株しっかり 9日の香港市場は、主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比232.40ポイント(0.81%)高の28773.23ポイントと4日ぶりに反発する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は41.64ポイント(0.38%)安の10973.15ポイントと4日続落した。売買代金は2759億5900万香港ドルに拡大している(8日は2291億600万香港ドル)。 景気持ち直しが改めて意識される流れ。米国では大規模な追加経済対策が近く成立する見通しだ。中国で11日まで開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、内需や投資の拡大、減税など各種政策が示されている。ただ、全体としては上値は重い。米10年差利回りが高止まりする中、昨夜の米株市場で高PERのグロース株(成長株)が売られたことを嫌気し、香港でも指数が安く推移する場面がみられた。ITやハイテクなど「ニューエコノミー」関連が売られ、ハンセン科技指数は0.2%安と4日続落。年初来安値を連日で更新した。(亜州リサーチ編集部) ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が6.0%高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)と香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス:1/HK)がそろって4.9%高と上げが目立った。 セクター別では、非鉄や鉄鋼、段ボールなど景気動向に敏感な素材が高い。新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.4%、中国アルミ(2600/HK)が3.1%、江西銅業(358/HK)が2.0%、鞍鋼(347/HK)が2.1%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.8%、玖龍紙業(2689/HK)が2.1%ずつ上昇した。 他の個別株動向では、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が4.8%高と急伸。同社は8日引け後、青海省ツァイダム盆地の一里坪塩湖プロジェクトに出資すると発表した。リチウム製品市場のシェア拡大を図るため、原材料の安定確保を図る狙いという。このほか、コンテナ海運大手の中遠海運HD(1919/HK)が2.1%高。20年通期の業績速報では、売上高と純利益が事前予想をそろって上回っている。 半面、「ニューエコノミー」関連の一角は安い。ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.1%、オンラインゲーム中国大手の網易(ネットイース:9999/HK)が3.2%、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が2.2%、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が1.8%ずつ下落した。 一方、本土市場は小幅ながら4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.82%安の3359.29ポイントで取引を終了した(一時2.72%安)。ハイテク株が安い。農業・食品飲料株、金融株、不動産株、公益株、素材株、インフラ関連株、防衛関連株なども売られた。半面、海運株は高い。空運株、小売株や自動車株の一角も買われた。 亜州リサーチ(株) 《FA》