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8日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で反発、テンセント上場来高値

2020/7/8 18:00 FISCO
*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で反発、テンセント上場来高値 8日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比153.52ポイント(0.59%)高の26129.18ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が147.70ポイント(1.39%)高の10748.11ポイントとそろって反発した。本土株指数は約4カ月半ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1961億9400万香港ドルにやや縮小した(7日は2399億5700万香港ドル)。 本土株上昇が支え。相場の先高観が意識されるなか、上海総合指数は7日続伸で推移している。中国政府系メディアが株高を支持する論陣を張ったことや、証券口座の開設数が急増していることなどが引き続き材料視された。香港に資金流入が加速するとの思惑も強まる。香港金融管理局(HKMA)は7日、香港ドルが米ドルとのペッグ上限に接近したため、香港ドル売り介入を2回実施した。香港証券取引所の新規株式公開(IPO)や株式取引に絡んだ資金需要が強いためとみられている。 ただ、ハンセン指数は寄り付き後に1.2%高と上げ幅を広げた後、0.5%安とマイナス圏に沈むなど全体としては荒い値動き。中国が香港に対する統制を強化する「香港国家安全維持法」を巡り、米国との対立が深まるとの警戒感がくすぶっている。 ハンセン指数の構成銘柄では、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が7.0%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が6.0%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が5.2%高と上げが目立った(テンセントは上場来高値更新)。中国蒙牛乳業に対しては、ブローカー各社が相次いで投資判断を引き上げている。 セクター別では、本土株高がメリットとなる中国の証券・保険が高い。上記した中国人寿保険のほか、中国太平保険HD(966/HK)が5.6%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が4.4%、中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が7.7%高、中信証券(6030/HK)が7.6%、広発証券(1776/HK)が6.4%ずつ上昇した。 半導体や通信設備・工事など第5世代移動通信システム(5G)関連もしっかり。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が9.2%高、華虹半導体(1347/HK)が4.6%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が2.6%高、京信通信系統HD(2342/HK)が4.6%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.2%高、中国通信服務(552/HK)が2.1%高と値を上げた。ICファウンドリ中国最大手のSMICに関しては、上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に重複上場し、巨額の資金を調達する点が改めて材料視されている。ハイテク分野での米中摩擦が激化しつつあるなか、当局の産業支援策強化の期待も根強い状況だ。 非鉄やレアアースなど素材関連も物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が18.5%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.4%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.6%高、金川集団国際資源(2362/HK)が3.2%高、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が2.6%高で引けた。それぞれ、5Gネットワーク機器や新エネルギー車の製造に不可欠な素材を扱っている。 「在宅消費」などオンライン関連の銘柄も買われる。上述したテンセントのほか、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が11.6%高、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が8.0%高、網易(ネットイース:9999/HK)が3.2%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.3%高で取引を終えた。上場来高値をそれぞれ切り上げている。 半面、香港銘柄の一角はさえない。金融大手グループのHSBC(5/HK)が4.3%安、香港中心地に商業施設を保有する九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.9%安、香港地下鉄など運営の香港鉄路(MTR:66/HK)が2.4%安と値を下げた。HSBCに関しては、中国の国安法を非難する米国の対抗措置が不安視されている。外電によれば、米政権は香港地場銀行の米ドル購入を制限するなどの方法を通じ、ペッグ制に打撃を与えることを検討中。国安法支持を表明したHSBCなどがターゲットとなるもようだ。香港鉄路については、6月中間業績の赤字転落見通しが嫌気されている。 一方、本土市場は7日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.74%高の3403.44ポイントで取引を終えた。保険・証券株が高い。ハイテク株、運輸株、資源・素材株、不動産株、自動車株、インフラ関連株、防衛関連株、消費関連株なども買われた。 亜州リサーチ(株) 《FA》