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15日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で3日続落、貿易摩擦の激化に警戒感

2018/6/15 18:00 FISCO
*18:00JST 15日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で3日続落、貿易摩擦の激化に警戒感 15日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比130.68ポイント(0.43%)安の30309.49ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が80.52ポイント(0.67%)安の11870.18ポイントとそろって3日続落した。売買代金は1132億3500万香港ドルにやや拡大している(14日の売買代金は960億9700万香港ドル)。 米中貿易摩擦の激化を警戒。米メディアは昨夜、「トランプ米大統領は、約500億ドル相当に上る対中輸入品に対する追加関税を承認した」と関係筋情報として伝えた。関税対象となる中国の輸入品リストについて、米政府は15日にも公表する予定とされる。また、中国政府は先ごろ、「制裁関税が実施されれば、すべての貿易交渉は無効になる」と警告。これまでの合意内容を履行しない可能性を示唆した。 ハンセン指数の構成銘柄では、抗生物質・ビタミンC生産の石薬集団(1093/HK)が2.2%安、香港系不動産の恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ:101/HK)が1.6%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.4%安と下げが目立った。時価総額上位の銀行株やネット株、通信株なども売られている。 海運・港湾セクターもさえない。中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.8%安、中遠海運発展(2866/HK)が1.4%安、大連港(2880/HK)が4.7%安、中遠海運港口(1199/HK)が1.8%安で引けた。 太陽光発電の関連銘柄も安い。中国興業太陽能技術HD(750/HK)が6.3%、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が3.8%、陽光能源HD(757/HK)が3.3%、カ姆丹克太陽能系統集団(712/HK)が2.7%ずつ下落した。素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が単結晶シリコンウエハの販売価格を引き下げると発表するなか、業界の競争激化が連想されている。「過去最も厳しい内容」とも呼ばれる産業政策が月初に発表されて以降、太陽光発電素材の価格下落圧力が強まる状況だ。 他の個別株動向では、「空売りリポート」の標的になったスポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が4.8%安と続落した(14日は7.9%安)。香港GMTリサーチが「空売りリポート」を発表。同リポートの中で、安踏を始めとする中国スポーツ用品ブランドを“詐欺師”呼ばわりし、複数の企業が収益を「水増し」していると指摘したことが嫌気されている。安踏は14日引け後、この内容を全面的に否定するコメントを発表したものの、投資家の不安は払しょくされていない。また、同社株は一昨日に上場来高値を更新しただけに、売り圧力も高まっている。 本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%安の3021.90ポイントで取引を終えた。ITハイテク関連株が安い。消費関連株、自動車株、交通インフラ株、発電やガスの公益株、非鉄株、バイオ医薬株なども売られた。半面、金融株や不動産株の一角はしっかり。 【亜州IR】 《FA》