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ビジネスコーチ Research Memo(1):企業が抱える課題の「人的資本経営や事業構造改革」を実現するパートナー

2024/3/29 15:31 FISCO
*15:31JST ビジネスコーチ Research Memo(1):企業が抱える課題の「人的資本経営や事業構造改革」を実現するパートナー ■要約 ビジネスコーチ<9562>は、コーポレートスローガンに「あなたに、一人の、ビジネスコーチ」を掲げ、大企業の経営幹部向けを中心に、組織の生産性をより高めるためのビジネスコーチングを展開している。さらに、顧客企業のコスト効率化を軸としたDX支援を展開するKDテクノロジーズ(株)(2023年10月に連結子会社化した(株)購買Designが2024年4月1日付で商号変更)を子会社化し、企業が抱える課題の「人的資本経営や事業構造改革」を実現するパートナーとしての成長を目指している。 1. ビジネスコーチングの人材開発事業とDX支援のSXi事業を展開 セグメント区分は、同社が展開する人材開発事業、及びKDテクノロジーズが展開するSXi(サステナビリティ・トランスフォーメーション)事業としている。人材育成や組織内コミュニケーション向上といった人的資本経営の実践を支援する同社の人材開発事業に留まらず、KDテクノロジーズのSXi(DXによるコスト削減・生産性向上・利益創出支援)事業も加わり、企業が抱える課題を解決するソリューションを「人的資本投資・DX投資」の両面から提供する体制となった。人材開発事業は独自の行動変容プログラムを提供するビジネスコーチングを展開し、特に大企業向けエグゼクティブコーチングの1対1型サービスを強みとし、独自のビジネスモデルと業界ポジションを確立している。SXi事業はコスト削減コンサルティングサービスとITサービスを展開している。特に間接材のコスト削減支援など、企業の購買活動を可視化・最適化・効率化する調達コスト削減コンサルティングを得意としている。 2. 2024年9月期第1四半期は新規連結とオーガニック成長で順調 2024年9月期第1四半期の連結業績は売上高が440百万円、営業利益が35百万円、経常利益が35百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が19百万円だった。2024年9月期第1四半期より連結決算に移行したため、参考値として前年同期の非連結業績と単純比較すると、売上高は32.7%増、営業利益は8.7%増、経常利益は31.7%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は7.2%増となる。KDテクノロジーズを新規連結したことに加え、人材開発事業も1対1型サービスを中心に好調だった。人材開発事業の売上高(内部取引等調整前。以下同)は359百万円(1対1型サービスが131百万円、1対n型サービスが191百万円、その他が35百万円)だった。エグゼクティブコーチングを中心とする1対1型サービスが順調に拡大して平均売上単価が上昇し、利益率の改善も進展した。SXi事業の売上高は83百万円(コスト削減コンサルティングサービスが37百万円、ITサービスが45百万円)だった。すべての事業においておおむね順調に推移した。 3. 2024年9月期は増収増益予想、堅調に推移 2024年9月期の連結業績予想は、期初計画を据え置いて売上高が1,877百万円、営業利益が285百万円、経常利益が274百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が120百万円としている。人材開発事業が1対1型サービスを中心に好調に推移し、KDテクノロジーズの新規連結も寄与する見込みだ。半期別に見ると、上期は売上高が868百万円、営業利益が96百万円、経常利益が86百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が36百万円、下期は売上高が1,009百万円、営業利益が189百万円、経常利益が188百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が84百万円で、下期偏重の計画としている。第1四半期の利益進捗率はのれん償却・無形固定資産償却・子会社取得費用といった一過性要因の影響で低進捗率の形だが、全社売上高の進捗率は対上期で50.7%、対通期で23.4%とおおむね順調だった。足元の受注動向は良好であるが、提案金額の大型化に伴い、商談から受注までの期間の長期化が一部で見受けられるとのこと。今後については、強みとしているエグゼクティブコーチングを中心とする1対1型サービスが拡大基調で人材開発事業の利益率が上昇していること、SXi事業においてグループシナジーが期待されることなどを勘案すると、足元の進捗通り、堅調な推移が見込まれると弊社では考えている。 4. 市場環境は良好、グループシナジーで収益拡大を目指す 人材開発事業の市場環境としては、人的資本の強化策を求める企業の具体的ニーズとしてビジネスコーチングに対する期待が高まっている。同社は中期経営計画を公表していないが、良好な市場環境も追い風に、当面の目標として売上高25億円規模、営業利益率18%~20%の早期達成を目指す。人材開発事業では、強みとしているエグゼクティブコーチングのサービスレベルの向上、マーシャル・ゴールドスミス博士※との関係強化と世界標準のエグゼクティブコーチングの普及、アカウントマネジメントの強化による大型契約の獲得などを推進する。SXi事業では、コスト削減コンサルティングサービスで既存顧客へのフォローアップ強化やRPA業務拡大などによる顧客企業への支援拡大、ITサービスで大型案件の獲得やAIを活用した新たなソリューションの創出などを推進する。これらの施策による人材開発事業とSXi事業の各々のオーガニック成長に加えて、中長期的にはグループシナジーを高めることにより、企業が抱える課題の「人的資本経営や事業構造改革」を実現するパートナーとしての成長を目指す。 ※米国インディアナ大学MBA、UCLA博士号。1976年から大学で教鞭をとるかたわら、専門とする「360度フィードバック」の手法を駆使してリーダーシップ能力開発プログラムに従事し、米国における「エグゼクティブコーチングの先導者」と呼ばれる。1993年にはウォールストリートジャーナル紙から「エグゼクティブ教育のトップ10人」に、2004年には全米経営者協会から「過去80年間、マネジメント分野で最も影響を与えた50人の偉大な思想家・リーダー」に選ばれた。 5. 中長期成長ポテンシャルを評価、グループシナジーの進捗に注目 同社は大企業向けエグゼクティブコーチングの分野に強みを持ち、国内の企業向け研修サービス市場の中で独自のビジネスモデルや業界ポジションを確立している。さらに、人的資本経営の強化という企業ニーズの高まりが追い風となることに加え、拡大基調のDX関連市場で同じく独自のポジションを確立しているKDテクノロジーズのSXi事業が加わったことにより、今後の収益が飛躍的に拡大する可能性が高まったことを勘案すると、同社の中長期成長ポテンシャルは大きいと弊社では考えている。そして、同社が早期達成を目指す売上高25億円規模、営業利益率18%~20%という目標は、早ければ2025年9月期にも達成する可能性があり、目標達成に向けたオーガニック成長とグループシナジーの進捗状況に弊社では注目していきたい。 ■Key Points ・企業が抱える課題の「人的資本経営や事業構造改革」を実現するパートナー ・人材開発事業とSXi事業を展開、大企業向けエグゼクティブコーチングの1対1型サービスに強み ・2024年9月期第1四半期は新規連結とオーガニック成長で順調 ・2024年9月期は増収増益予想、堅調に推移 ・市場環境は良好、グループシナジーで収益拡大を目指す ・中長期成長ポテンシャルを評価、グループシナジーの進捗に注目 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《AS》
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時価総額 1,271百万円
企業向けビジネスコーチングサービス等を手掛ける。大企業の経営幹部向けが中心。サステナビリティ・トランスフォーメーション事業も展開。取引企業数は240社超。1対1型サービスは堅調。1対n型サービスは回復。 記:2024/06/25