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Jトラスト Research Memo(1):2024年12月期は負ののれん発生益を含まない実力ベースで営業増益を計画
2024/3/8 16:01
FISCO
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*16:01JST Jトラスト Research Memo(1):2024年12月期は負ののれん発生益を含まない実力ベースで営業増益を計画 ■要約 Jトラスト<
8508
>は、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場しており、傘下に国内外の金融事業会社を有するホールディングカンパニーである。現 代表取締役社長の藤澤信義(ふじさわのぶよし)氏の下、国内外で数々のM&A により成長を続け、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を中心に資産規模を拡大してきた。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による世界的な経済環境悪化に直面したが、利益拡大に向けて、2022年に成長性が高いJT親愛貯蓄銀行(株)及びNexus Card(株)を再グループ化するとともに、エイチ・エス証券(株)(現Jトラストグローバル証券(株))を子会社化するなど、抜本的な事業ポートフォリオの再編を実行した。さらに、2023年2月には、不動産事業を行う(株)ミライノベートを吸収合併した。今後は新3ヶ年計画に基づき主力の金融3事業に一層注力するとともに、不動産事業を拡大することで成長を図る計画だ。 1. 2023年12月期の業績概要 2023年12月期の営業収益は114,279百万円(前期比39.3%増)、営業利益は8,059百万円(同44.8%減)、税引前利益は9,772百万円(同43.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は16,310百万円(同29.1%増)となり、営業収益は過去最高を更新した。営業利益は韓国の銀行業における貸倒引当金の保守的な一括計上などから減益となったが、親会社の所有者に帰属する当期利益は、Nexus Bank(株)の吸収合併による繰延税金負債の戻し入れなどにより増益となった。貸倒引当金を積み増すなど、将来の成長を見据えた対応をした結果、利益項目はすべて予想を下回った。事業セグメント別営業損益(全社費用控除前の損益、以下同)では、日本金融事業は4,656百万円の利益(同18.4%増)と順調であったものの、韓国及びモンゴル金融事業は3,334百万円の損失(前期は14,437百万円の利益)と、負ののれん発生益剥落や貸倒引当金繰入に伴い大きく減少した。東南アジア金融事業も1,019百万円の損失(前期は248百万円の利益)となり、預金残高の増加や基準金利の上昇に伴う預金利息費用の増加が響いた。一方、不動産事業では、ミライノベートを吸収合併したことによる負ののれん発生益により10,810百万円の利益となった。業績は予想に届かなかったものの、配当は予定どおり前期比4.0円増配の通期14.0円(中間1.0円、期末13.0円)としたほか、2023年12月期より株主優待を復活させるなど、株主還元の充実にも取り組んでいる。 2. 2024年12月期の業績見通し 2024年12月期の連結業績については、営業収益128,000百万円(前期比12.0%増)、営業利益7,400百万円(同8.2%減)、税引前利益8,200百万円(同16.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益6,400百万円(同60.8%減)とし、営業収益は過去最高を計画している。営業利益は2023年12月期に計上した不動産事業における負ののれん発生益の剥落等の影響から減益を予想するが、負ののれん発生益を含まない実力ベースでは増益となる。親会社の所有者に帰属する当期利益については、Nexus Bankの吸収合併に伴う繰延税金負債の戻入れがあった2023年12月期から、2024年12月期は法人所得税費用が増加することで、大幅な減益となる見通しだ。事業セグメント別営業利益については、日本金融事業は保証事業と債権回収事業における安定的な収益計上から順調な利益拡大を予想する。また韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業では黒字転換を計画する。一方、不動産事業では負ののれん発生益が剥落するものの、事業規模拡大に伴い利益計上を計画する。ただ、期初の業績予想は極めて保守的であると弊社では見ている。2024年12月期より、株主へのさらなる利益還元と、資本効率向上による適切な株主価値実現を目的として、自己株式の取得及び消却と、減益決算の予想ながら配当は前期と同額の14.0円を予定する。株主還元の充実に前向きな経営姿勢は評価できる。 3. 中長期の成長戦略 同社グループは、3ヶ年計画(2023年12月期~2025年12月期)を推進してきたが、特に韓国での経済・金融環境悪化により、2023年12月期業績は2023年8月に上方修正した通期計画を大きく下回ったため、新たな3ヶ年計画(2024年12月期~2026年12月期)として、2026年12月期に営業収益1,529億円、営業利益178億円の目標を掲げた。事業セグメント別では、日本金融事業は引き続き安定的な利益を計上し、韓国及びモンゴル金融事業も黒字転換して安定利益を見込む。東南アジア金融事業はJ トラスト銀行インドネシアを中心に利益拡大が見込まれ、成長ドライバーとして期待される。この結果、金融3事業の営業利益は、2024年12月期の82億円から2026年12月期には186億円への大幅増益を計画している。さらに、2022年3月に傘下に収めたJトラストグローバル証券は新たな金融商品の提供を開始し、(株)日本保証の保証残高の拡大を目指しており、M&Aによる増収増益も期待できる。2023年2月にはミライノベートを吸収合併するなど、不動産事業の拡大も同社グループの成長をけん引すると見られる。 ■Key Points ・ 日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業などのアジアの金融事業を中心に、不動産事業も展開 ・2023年12月期は、営業利益は保守的な貸倒引当金一括計上などにより減益。繰延税金負債戻し入れ等による当期純利益増で増配など株主還元を充実 ・ 2024年12月期は、2023年12月期の特殊要因がなくなり営業利益は減益を予想するが、実力ベースでは増益の見込み。2023年12月期並みの配当の維持、自己株式取得及び消却の実施など、株主還元に前向き ・中長期的には、日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業での安定的な事業運営のほか、東南アジア金融事業の拡大及び不動産事業の貢献などにより利益を伸ばし、グループの持続的な成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《HH》
関連銘柄 1件
8508 東証スタンダード
Jトラスト
434
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 59,744百万円
日本保証、Jトラストグローバル証券、グローベルス、JT親愛貯蓄銀行、Jトラスト銀行インドネシア等を傘下に持つ持株会社。Jトラスト銀行インドネシアは貸出残高の増強に注力。不動産事業ではブランド認知向上図る。 記:2024/08/01
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