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MRO Research Memo(4):新社長へバトンタッチ。より精緻なマーケティングを導入し高成長の継続を目指す

2024/3/1 14:04 FISCO
*14:04JST MRO Research Memo(4):新社長へバトンタッチ。より精緻なマーケティングを導入し高成長の継続を目指す ■戦略・トピックス 1. 今後のさらなる成長に向けて新体制がスタート MonotaRO<3064>は2024年1月1日、新しい代表執行役社長に常務執行役の田村咲耶氏が昇格した。田村新社長は2020年3月に同社に入社し、中核部門であるサプライチェーンマネジメント部門において、新型コロナウイルス感染症拡大で混乱した状況の対応や猪名川DCの計画・運用などにおいて、高いリーダーシップを発揮し大きな成果を上げた。その後、マーケティング、カスタマーエクスペリエンス(CX)マネジメント、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)などの経験を積み、後継に向けて十分な時間をかけてきた。特に2024年12月期の事業計画策定時には、計数計画立案などにおいて田村新社長が大いに関与した。これまで10年以上にわたり同社の成長をけん引し、ネット小売業大手の一角に押し上げた前代表執行役社長の鈴木雅哉氏は、今後、代表執行役会長として経営全般及び海外子会社などを管掌する。 2. セグメント別に顧客拡大を図るため、より精緻なマーケティングを導入 同社は、田村新社長へのバトンタッチを新しい成長の起爆剤にしたいと考えており、様々な挑戦を行っていく予定である。マーケティング面では、新社長の参画により、顧客セグメントが明確に定義され、進行期に施策が実行される。主な標的市場は、「Small」「Mid」「Large」の3セグメントである。売上構成比で約40%を構成する「Small」は450万社に及ぶ法人であり、法人登録率は約30%とまだ潜在市場が大きい。LTVを加味し、より高度なマーケティングで新規企業獲得を推進する。売上構成比で25%を占める「Mid」は売上高300億円未満の法人約6万社であり、法人登録率は約80%と高い。従業員数で50人~500人規模であり間接資材の発注担当者が複数存在し利用者と発注者が異なる場合があることから、顧客企業内における新規ユーザーの獲得を強化し利用者に届くマーケティングを立案する。主に大企業連携で獲得してきた「Large」は、売上高300億円以上の法人約6千社であり、同社の売上構成比の約25%を占め、法人登録率は90%と高い。従業員数で500人規模であり間接資材の発注パターンが複雑である。こういった顧客企業のプロセスや課題をパターン化し、効果的な営業活動の型化を行う。MRO※の国内市場規模は5兆円から10兆円と推定され、同社の売上高シェアは2.5%~5%程度であり、今後獲得可能な大きな潜在市場が存在する。セグメントの特徴に応じた対策を行うことで、きめ細かな顧客獲得を目指す。 ※MROとは製造業の現場でよく使われている用語で、工場や施設のメンテナンス(maintenance)、リペア(repair)、オペレーション(operations)及び、それらの作業に必要な消耗品や副資材のこと。 3. 自動化が進んだ新関東DCにより現在の3倍の生産性実現へ 同社の新関東DC(茨城県水戸市)の全貌が明らかになってきた。同DCの出荷能力は30万行/日と、現在の関東で主力となっている笠間DCの約3倍の生産性が実現できる。投資総額は建築資材や人件費の高騰が懸念されたが、設計の最適化により約460億円に抑制された。設備竣工時期が2年遅れの2028年2月に延期されたが、これは足元の箱当たり売上高の上昇などにより、出荷能力に余裕があることが判明したことによる。なお、同社の最新鋭のDCは猪名川DCだが、入庫やピッキングを中心にマニュアルオペレーションが残っている。新関東DCでは検品以外のほぼすべてのDC内業務を自動化する予定である。また、自社物件で初めて免震を採用し災害への備えも整っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《SI》
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工業用間接資材のネット通販最大手。工具、部品、消耗品、事務用品等を扱う。取扱商品は2200万点超。登録会員数は960万口座超。圧倒的な品揃えが強み。顧客は中小企業が中心。テレビCMなどで認知度向上図る。 記:2024/10/11