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クリアル Research Memo(7):2024年3月期第2四半期は各段階利益が順調に伸長
2024/1/17 15:17
FISCO
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*15:17JST クリアル Research Memo(7):2024年3月期第2四半期は各段階利益が順調に伸長 ■業績動向 1. 2024年3月期第2四半期の業績 クリアル<
2998
>の2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高9,335百万円(前年同期比0.1%減)、売上総利益1,739百万円(同41.9%増)、営業利益589百万円(同17.0%増)、経常利益566百万円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益349百万円(同6.6%増)と、売上高は前年同期並みであったものの、各利益は増益を確保した。特に、同社が最重要視するKPIである売上総利益は、売却が集中した前年同期から大幅伸長し、進捗率も53.5%と順調だ。これは、利益率の高い「CREAL」案件が多かったこと、「CREAL PRO」の取引規模の拡大による。この結果、広告宣伝費や人件費といった積極的な成長投資を吸収し、各段階利益においても増益を確保した。その他のKPIも順調で、累計投資家数は52,679人(同55.2%増)、累計GMVは377.3億円(同87.1%増)であった。 2. サービス別業績動向 「CREAL」は、売上高5,155百万円(前年同期比21.2%減)、売上総利益733百万円(同26.1%増)となった。前年同期に機関投資家向けの物件一括売却があり、その反動により減収となった。一方で、これまでの実績から算出したTake Rateの水準(8~10%)を超える案件が多く、計画を上回るTake Rateを確保した結果、売上総利益は大幅増益となった。今期は前期のような一括売却がないなかで、物件ごとに収益性を重視しながら国内投資家や海外の超富裕層向けに売却を進めており、売上総利益率は14.2%(同5.3ポイント上昇)となった。 「CREAL PB」は、売上高3,054百万円(前年同期比38.1%増)、売上総利益278百万円(同24.7%増)となった。2024年3月期からWebマーケティング中心の販売方法に変更ているが、区分レジデンスの販売戸数を着実に伸ばし大幅な増収増益となった。 「CREAL PRO」は、売上高982百万円(前年同期比123.6%増)、売上総利益634百万円(同76.6%増)となった。同社が保有する物件の売却や媒介報酬等のフィー収入の獲得のほか、新たな投資家や管理物件の獲得による運用資産残高(AUM)の増加によって、固定的に得られるアセットマネジメント・フィーが同約40%増加した。これは、同社の上場やSBIホールディングスとの資本業務提携を基盤に実績を積み重ね、業界での知名度が向上した結果、アセットマネージャーとしての活動の幅が広がり、ファンド組成の増加につながったことが大きいようだ。 3. 主要KPIの動向 前述のとおり、「CREAL」の売上総利益はGMV×Take Rateから成る。このうちTake Rateは、案件組成手数料、ファンド運用手数料、償還手数料からなる確定フィーと、ファンドの外部売却時のキャピタルゲインのプロフィット・シェアである変動フィーで構成され、これまでの実績から8~10%としている。GMVは調達時点(ファンド成約時点)の数値で集計・公表される一方で、「CREAL」の売上高及び売上総利益への計上は取引決済時点(物件売却時点)で行われることから、GMVの成約から売上総利益の計上までに多くのファンドでおおむね1年前後のタイムラグが生じる。このため、GMVは「CREAL」のサービスの規模を示すとともに、売上総利益の先行指標となる重要なKPIとなる。一方で、「CREAL PB」の売上総利益は売上高×利益率で算出される。また、「CREAL PRO」はフィービジネスが主体であることから、売上の大部分が売上総利益となる。主力の「CREAL」の売上総利益は全体の42.2%を占め、同社の利益成長に大きく貢献することから、同社はGMVと投資家数を特に重要なKPIとしているほか、リピート投資率、売上総利益等もKPIとして設定している。 同社が特に重要視しているKPIであるGMVは累計377.3億円(前年同期比87.1%増)と大きく成長し、進捗率も50.9%(101.7億円)と順調に推移している。また、GMVを構成する重要な要素である累計投資家数は、2024年3月期第2四半期末で52,679人(前年同期比55.2%増)と大きく伸長し、進捗率は59.1%(11,819人)と好調に推移している。 GMVに関する重要指標の1つである「CREAL」投資家のリピート投資率は、85.5%(前年同期比2.0ポイント低下)と高い水準を保っている。なお、リピート投資率は新規投資家の投資割合にもよるため、新規投資家の獲得施策等の状況等によっては減少する場合がある。これを考慮すると、既存投資家による投資割合が引き続き高水準であることに加え、新規投資家の獲得も順調と言えるだろう。 なお「CREAL」は、ファンド運営終了後も償還された金額と同水準、もしくはそれ以上の金額を新ファンドへ再投資するロイヤルティの高いユーザー層の獲得に成功している。加えて、SaaSに近い安定積み上げ型モデルの収益構造となっていることが窺える。今後さらにGMV及び累計投資家数の成長が相まって、再投資のループが大きく拡大することが予想される。弊社では、「CREAL」が安定性も内包した、さらに高い成長ポテンシャルを有するサービスになると見ている。 4. 財務状況と経営指標 2024年3月期第2四半期末における資産合計は、前期末比5,201百万円増の26,693百万円となった。これは主に、預託金の増加812百万円、販売用不動産の増加5,552百万円、販売用不動産への振替等による有形固定資産の減少865百万円によるものである。 負債合計は、前期末比4,829百万円増の23,210百万円となった。これは主に、事業拡大によるクラウドファンディング預り金の増加1,003百万円及び匿名組合出資預り金の増加3,770百万円、短期借入金の増加619百万円、長期借入金の減少1,046百万円によるものである。 純資産合計は前期末比372百万円増の3,483百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上349百万円によるものである。 同社の財務状況の特長として、負債の部にクラウドファンディング預り金4,510百万円、匿名組合出資預り金14,640百万円が、それと均衡して資産の部に現金及び預金5,917百万円、クラウドファンディングに関連する販売用不動産16,551百万円が計上されており、資産合計26,693百万円のうち、84.2%をクラウドファンディング関連の勘定が占めている点が挙げられる。なお、匿名組合出資預り金は、匿名組合出資であるため、法的に返済義務を負う性質のものではないが、貸借対照表には形式的に負債として計上される。このことから、実質的な自己資本比率は見かけに比べて高い状態にあるものと、弊社では捉えている。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《SO》
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不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の運営を行う。プロ向け不動産ファンド事業、個人向け不動産投資運用サービスも。SBIHDと資本業務提携。ホテル運営事業に参入。運用資産残高などの拡大図る。 記:2024/09/03
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