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ダイナムジャパンHD Research Memo(1):スマートスロット効果で収益回復、M&A戦略で店舗数も再び拡大へ

2024/1/12 12:41 FISCO
*12:41JST ダイナムジャパンHD Research Memo(1):スマートスロット効果で収益回復、M&A戦略で店舗数も再び拡大へ ■要約 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で国内第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業である。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みを持つ。ビジョンとして「地域のインフラとしてパチンコを誰もが気軽に楽しめる“日常の娯楽”に改革する」ことを掲げている。顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。 1. 2024年3月期中間期は2ケタ増収増益に 2024年3月期中間(2023年4月-9月)決算は、営業収入で前年同期比14.6%増の64,375百万円、営業利益で同13.4%増の4,400百万円と2ケタ増収増益となった。業界では、2022年11月から導入が開始されたスマートスロット(以下、スマスロ)が人気で若中年層を中心に客足が回復した。同社もスマスロ需要を取り込むべく店舗でスマスロ機の増台を実施したことなどにより、パチンコ事業の営業収入が同12.8%増の62,187百万円と好調に推移した。パチンコ事業の減価償却負担増(同6,030百万円増)はあったものの増収効果で吸収し、全社の営業利益も2ケタ増益となった。なお、パチンコ事業では2022年3月期より会計基準を変更※した影響で減価償却費が大幅増となったが、2024年3月期中間期にピークとなり、下期からは減少する見通しとなっている。同事業の営業収入はコロナ禍前の2020年3月期中間期と比べるとまだ84%程度と回復途上だが、遊技機関連費用を除いた収益力に関しては店舗の生産性向上やコスト低減に取り組んできたことで、コロナ禍前に近い水準まで回復した。グループ店舗数もM&Aで5店舗を取得したことにより、2023年9月末時点で前期末比5店舗増の434店舗と2018年3月期以来の増加に転じた。 ※遊技機の購入費について単年で費用計上してきたが、償却資産として認識し減価償却費として計上(2年定額償却)する方式に変更した(一部の機械は単年で費用計上)。 2. 2024年3月期の事業方針 2024年3月期は、集客力の高いスマート遊技機の導入による店舗の売上拡大、旗艦店のリニューアル実施による収益力向上、新規ユーザー層の獲得(幅広い年代層の開拓)、積極的なM&Aによる店舗数の拡大に取り組んでいる。スマート遊技機のうち、2023年4月より導入開始されたスマートパチンコ(以下、スマパチ)は従来機種とスペック面での差がなく集客力も差がないことから、導入は慎重に進め(2024年3月期中間期末1.7%→同期末3%台)、スマスロ機を積極導入する計画となっている(同20.8%→30%台前半)。営業収入の伸び率は前下期から始まったスマスロ導入効果が薄まるため、中間期に対して鈍化する見通しだが、一方で減価償却費も減少する見込みとなっており、利益ベースの成長率はさらに拡大する可能性がある。また、2023年12月に2店舗の営業権を取得したことを発表した。 3. パチンコ事業の見通し コロナ禍で厳しい市場環境が続いたパチンコ業界も、スマスロの導入を契機にようやく回復基調となってきた。スマート遊技機の普及スピードは、当初の想定よりも緩やかなペースとなっているが、今後はスマパチの普及促進を図るためスペック面での見直しが実施されるものと弊社では見ている。その際にはまだ完全に戻り切っていないシニア層(60歳以上)も含めて客足が増え、店舗の収益力も一段と向上するものと予想される。特に、同社の客層の4割強はシニア層で占めており、スマパチで魅力的な機種が登場すれば客数アップの効果も大きい。業界全体ではスマート遊技機への投資余力のある大手企業の寡占化が一段と進むと見られており、今後数年間はM&A戦略で店舗数を増やし、パチンコ事業を拡大する好機になると弊社では見ている。 ■Key Points ・スマスロ導入を契機に客足が回復、2024年3月期中間期は2ケタ増収増益に ・2024年3月期下期は減価償却負担の減少と営業収入増で増益率がさらに拡大する見通し ・スマート遊技機の投資強化と新規顧客層の獲得に向けた店舗づくり、積極的なM&Aによって再成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SI》