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オンコリス Research Memo(10):AI技術を活用した自動検査プラットフォームの開発は一旦優先順位を引き下げ

2023/10/4 15:40 FISCO
*15:40JST オンコリス Research Memo(10):AI技術を活用した自動検査プラットフォームの開発は一旦優先順位を引き下げ ■開発パイプラインの動向 5. テロメスキャン (1) 概要 テロメスキャンは、アデノウイルスの基本構造を持ったテロメライシンにクラゲのGFP(発光遺伝子)を組み込んだ遺伝子改変アデノウイルスとなる。テロメラーゼ陽性細胞(がん細胞等)に感染することでGFPが発現し、緑色に蛍光発光する作用を利用して、がん転移のプロセスに深く関与するCTCを高感度に検出する。検査方法としては、患者の血液を採取し、赤血球の溶血・除去後にテロメスキャンを添加しウイルスを感染させる。感染により蛍光発光したテロメラーゼ陽性細胞を検出、CTCを採取する流れとなる。これまでPET検査などでは検出が難しかった直径5mm以下のがん細胞の超早期発見や、転移・再発がんの早期発見のための検査薬としての実用化を目指している。また、検出したCTCを遺伝子解析することによって個々の患者に最適な治療法を選択する「コンパニオン診断」※としての開発も将来的に期待されている。 ※ 患者によって個人差がある医薬品の効果や副作用を投薬前に予測するために行われる臨床検査のこと。薬剤に対する患者個人の反応性を遺伝子解析によって判別し、最適な治療法を選択できるようにする。新薬の臨床開発段階でも用いられる。 (2) 開発状況 テロメスキャンの開発に関しては、課題であった目視によるCTC検出時間を大幅に短縮するため、2020年にAI技術開発のベンチャーであるCYBOと開発委託契約を締結して、AI技術を用いたCTC検査自動化プラットフォームの開発に取り組んできた。開発状況としては、2020年10月にT-CAS1(TelomeScan-CTC Analysis System)を完成させ、CTCの有無判定の自動化による検体処理時間の大幅短縮※と判定結果の標準化を実現した。ただ、同システムは発光するCTC以外の異物や健常人の正常細胞もCTCとして認識してしまうなど判別の精度に課題が残っていた。 ※ 目視検査で1検体当たり数時間かかっていた工程を、同システムを利用することで2~3分と大幅な短縮を実現した。 そこで改めて2022年3月にCYBOと共同開発契約を締結し、AI技術を活用したCTC自動検出ソフトウェアの開発を進めることにした。がん患者だけでなく健常人の検体データを多く学習させることで、CTCの判別精度を高め、CTCの可能性が高いと思われる細胞等にテロメスキャンを添加し発光の有無を確認する、二重チェックのシステム構成とすることで精度を高めていく。 サービスのイメージとしては、術後の移転・再発を早期発見するための検査サービスから開始し、将来的には成人病検診の際に行うがん検査項目の1つとして、テロメスキャンによるCTC検査サービスの普及を目指す。ただ、オンコリスバイオファーマ<4588>は現在テロメライシンに経営リソースを集中していることや、AIによる画像学習に必要な検体数も不足していることから、一旦開発の優先順位を引き下げており、CTC自動検査プラットフォームの完成時期も未定としている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SO》
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ウイルス遺伝子改変技術を用いてがん治療薬を開発する「ウイルス創薬」バイオベンチャー。テロメライシンは富士フイルム富山化学と国内販売提携契約を締結。研究開発費は増加。23.12期通期は米国売上が増加。 記:2024/02/25