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スカラ Research Memo(11):2026年6月期に売上収益155億円、営業利益20億円を目指す
2023/9/12 12:31
FISCO
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*12:31JST スカラ Research Memo(11):2026年6月期に売上収益155億円、営業利益20億円を目指す ■今後の見通し 2. 中期経営計画 (1) 中期経営計画の概要と業績目標 スカラ<
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>は2019年8月に発表した中期経営計画「COMMIT5000」に関して、現在の進捗状況や市場環境を踏まえたうえで見直しを行い、2026年6月期までの3カ年の中期経営計画として発表した。「COMMIT5000」では、自社が保有するリソースや共創パートナーと組むことによって社会課題を解決しながら成長を目指す戦略を打ち出し、業績目標として2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円(2025年6月期に売上収益1,000億円、営業利益100億円)を目標に掲げていたが、当初の想定ほど共創パートナーとの案件が広がらず、コロナ禍で収益も低迷し業績目標との乖離が生じたことから、今回見直すことにした。新しい中期経営計画では今後の3年間を、「堅実な成長に向けた基盤固めと独自価値の再規定」を行う期間と位置付け、2026年6月期に売上収益155億円、営業利益20億円を業績目標として掲げだ。売上収益は年率7%成長となり、今後の市場環境や需要を考えれば達成する可能性は十分にあると弊社では見ている。 中長期戦略として、1)グループで創造する社会価値の中心に「人の成長に繋がる機会提供」を据え、各種サービスを提供していくこと、2)人的資本経営も鑑み、グループ内においても人の可能性を最大限に引き出す仕組み・施策を講じること、3)グループは「人の成長プラットフォーム」となり、経営資源や知見を循環させることで社会価値と企業価値の両立を実現していくこと、の3点に取り組む。 (2) スカラグループプラットフォーム また今回、同社は社会課題解決の相互作用を生み出す場となるスカラグループプラットフォーム(以下、PF)を、メタPF、共創PF、基盤PFの3層に分類した。今後は、社会課題の内容に応じてPF間の有機的連携やパートナーと共創することによって、社会課題解決に向けた最適なサービスを提供していく戦略だ。メタPFとは、「逆プロポ」等を通じて集まった社会課題を案件化し、パートナー及び他のPFとの結節点となるもので、価値創出までのプロセスを社内外に可視化することで、人や社会課題がさらに集まる循環を創り出し、社会課題を成長機会とするプラットフォームとなる。 共創PFとは、案件化された課題を解決するため、グループ内で展開する個別事業やパートナーとの共創によって社会へ価値を創出するプラットフォームとなる。提供する「成長機会」として、個人の可能性の拡大(リベラルアーツ)、心身の健康(ウェルネス)、環境の充足(エンパワーメント)の3領域でサービスを展開していく。既に提供しているサービスとして、保育園や学童サービス、フレイル検知/予防システムなど複数あるが、今後もPHR(Personal Health Record)管理サービスや、子育てと仕事の両立を実現するためのサービス、食や運動を通じて親子の心身の育成を支援するサービスなど、「人の成長機会」を提供する様々なサービスを独自またはパートナーの知見も活用しながら創出していく考えだ。 基盤PFとは、既存事業であるIT/AI/IoT/DX事業や人材・教育事業、保険事業、EC事業などであり、各事業により直接課題解決を図るケースもあれば、各事業の機能をデータ連携して課題解決するケース、共創PFの一部として機能するケースなどが考えられる。同社は学習して進化を続けるこれらPFとパートナーとの共創によって生み出される価値創造をスカラグループの独自価値として位置づけ、差別化戦略として今後より一層推進する考えだ。 2026年6月期までの3年間を「堅実な成長に向けた基盤づくり」を行う期間と位置づけ、業績目標も2026年6月期で売上収益155億円、営業利益20億円と実現性の高い目標に見直した。グループ内外の人の成長に関する事業に注力し、「社会課題の案件化」「グループ内の個別事業とパートナーで共創」「実現した価値に共感した人材・パートナーや新たな社会課題が集まる」の循環構造を創り出すことで事業規模を拡大する。また、経営管理基盤の強化を図り、グループ全体の収益性向上にも取り組む。株主還元方針としては従来と変わらず、安定的、継続的な配当を実施していくことを基本に増配の継続を目指す。 (3) 経営管理基盤の強化 重点施策の1つとして経営管理基盤の強化により、グループ全体の収益力改善に取り組む。具体的には、事業連携構造の再構築、シェアード部門の推進と高次化、多様な人材が活性化する制度、モニタリングの深化の4点を挙げている。 a) 事業連携構造の再構築 中長期方針に沿った、人の成長に繋がるサービスに注力すること、並びに独自価値の再規定に伴う既存収益事業の価値向上に取り組むことで収益力の向上を図るほか、経営資源の効率的な獲得(ヒト/モノ/カネ/情報が自然に集まる低コスト構造)により利益率を向上させ、また共創パートナーとの連携を強化することでリスク分散を図る。 b) シェアード部門の推進と高次化 2024年6月期に本社内にシェアード部門を新設し、新規事業企画の実現性検証支援が可能なレベルに高次化することで、グループ全体の収益化を支援し、グループ経営資源の投入効果の底上げを図る。具体的には、シェアード部門でマーケティングチーム(顧客訴求力の向上)や調査/分析チーム(事業仮説の構築)、開発チーム(実現性の検証)を組織化し、グループ各社が展開を計画している新規事業企画の実現性を迅速に検証していく。こうした検証を本社で統括して行うことで、新規事業企画の成功確率を高める効果が期待される。 c) 多様な人材が活躍する制度 多数の成長機会と柔軟な選択肢を提供することで、個の将来展望を明確化していく。現在の選択肢と得られる経験や、未来の成長機会を可視化し、社内人材の活性化を促進する制度を整備していく。例えば、特徴的なキャリアパスや獲得できるスキルが可視化できる制度や、共感できる人を巻き込める制度などが考えられる。こうした制度を導入していくことで、人材のリソース不足の解消と生産性向上を実現し、未来の活躍人材の育成を図る。 d) モニタリングの深化 企業価値向上につながる一手を打つ時機を逸らさぬよう、予測のための外部環境モニタリングや内部の効果検証のためのモニタリングを繰り返し行い、精度を向上させていく。 (4) プラットフォームの成長のイメージ 3つのPFの売上成長イメージについては、2026年6月期までは既存事業となる基盤PFが大半を占める格好となるが、2027年6月期以降は共創PFが加速的に成長し、また、海外の売上規模も拡大していくと同社では考えている。2030年6月期の売上構成比のイメージとしては、基盤PFが60%(うち海外5%)、共創PFが35%(うち海外20%)、メタPFが5%となる。海外事業については、アジア新興国をターゲットにヘルスケア領域のサービス展開を現地パートナー企業等と組みながら展開していく考えだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YI》
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