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サンフロ不動産 Research Memo(3):既存不動産の活用などを通して、顧客の資産価値の最大化を実現(1)

2023/7/26 16:33 FISCO
*16:33JST サンフロ不動産 Research Memo(3):既存不動産の活用などを通して、顧客の資産価値の最大化を実現(1) ■サンフロンティア不動産<8934>の事業概要 同社グループは、ビル経営におけるすべてのステップをワンストップで提供している。最も影響力を発揮できる都心オフィスビル事業を中核に据え、ホテル・観光事業やその他事業にも取り組んでいる。ビル経営における各ステップで、同社グループの主要サービスを独自の事業として構築することで専門性を追求し、競争優位性を確保している。また、部門間を越えてサービスを連携・連鎖させ、専門性を持った人財の力を集めることで、顧客視点に立ったより大きな付加価値の提供を実現している。サービスの連携・連鎖の例としては、賃貸仲介が持つ地域密着の土地勘を生かしたテナント目線のリニューアル企画や、プロパティマネジメントの知見の活用によりビルの価値を最大化し、売買仲介と協業しながら売却するといったものがある。フィロソフィ経営により全従業員の価値観を揃え、顧客目線で課題解決に取り組むことで、連鎖複合型の付加価値の高い商品とサービスを生み出すという強みにつなげている。 1. 不動産再生事業 不動産再生事業では、「リプランニング」「賃貸ビル」を手掛けている。 「リプランニング事業」は、稼働率の低い収益不動産やリニューアルを要する建物を取得し高収益の不動産に再生したうえで、富裕層・資産家・事業法人へ販売している。日ごろからテナントのニーズを把握しているプロパティマネジメントや賃貸仲介部門のノウハウを活用して時代やニーズにマッチしたオフィス空間を企画・演出し、コストパフォーマンスを追求した改修工事を行っている。そして、地域密着によるリーシング力を生かして早期満室稼働を実現することで収益性を高めている。 リプランニング事業において特徴的な商品化方法の1つにセットアップオフィスがある。通常のオフィスビル賃貸では、間取りレイアウトの考案や内装業者の選定、内装工事といった労力及び内装コストが発生し、移転準備期間も最低数週間~2ヶ月程度は必要となる。セットアップオフィスでは、顧客視点により内装を作り込んだうえで賃貸募集を行っている。応接スペース・会議室・受付などの基本的なオフィス内装を施しているため、入居するテナントは移転から業務開始までの期間が短くなり、内装設備への投資も大幅に軽減できる。これは土地勘があり、入居テナントの動向を把握している同社グループならではの商品である。 「賃貸ビル事業」は、リプランニング事業における商品化中の物件数を維持しながら、不動産サービス部門で培ったオペレーション力を生かして、賃料収入を得ている。 2. 不動産サービス事業 不動産サービス事業では、「リーシングマネジメント」「プロパティマネジメント」「ビルメンテナンス」「滞納賃料保証」「貸会議室」を手掛けている。 「リーシングマネジメント」は都心主要エリアに10ヶ所の営業所を構えており、地域に根差した営業活動を行っている。売買仲介では、他部門からの紹介案件を着実に成約につなげることで安定的な収益を確保している。賃貸仲介では、約70人のリーシング営業マンを配置し、圧倒的なスピードと行動量により顧客課題を解決している。東京都心部のオフィスビルに特化して、移転計画・仲介・内装デザインまでのトータルサポートを提供するほか、居抜きオフィスサイト「そのまんまオフィス!」を運営しており、現在使われている空間・内装・設備・インフラを「そのまま貸したい・借りたい」というニーズとマッチングしている。 「プロパティマネジメント」は、ビルの収益向上と不動産価値の最大化をミッションに掲げている。ビル管理では、年間700件以上に及ぶ賃貸仲介実績によって得た「入居推進力」と、定期的にテナントを訪問し快適な事業環境を維持・提供することで得た「入居維持・契約更新力」を生かし、ビルオーナーが所有する不動産の安定経営を実現している。また、空室のテナント斡旋・リニューアル提案から相続・事業継承までのワンストップサービスを提供している。単なる賃貸仲介業やビル管理業ではなく、顧客の不動産を中心とした資産の「お困りごと解決」業を本業として掲げ、問題解決能力を持つ専門部門と連携することで幾世代にもわたる資産防衛・活用を実現している。 「ビルメンテナンス」では、ビルのトータルメンテナンス及び管理業務や各種工事を行っている。「東京を世界一美しい街に」を合言葉に、建物の清潔かつ安全なビルメンテナンスに取り組んでいる。また、環境にも配慮したメンテナンスを行っており、事業を通じてSDGsにも取り組んでいる。 「滞納賃料保証」は、テナントの賃料滞納発生時に、ビルオーナーに対して賃料を保証するサービスを提供している。同社グループが提供するビルサポートシステムにより、テナントには入居しやすい経済環境を、ビルオーナーには未回収リスクの移転と稼働率アップをそれぞれ同時に提供している。また、督促書面等の作成から裁判手続き・退去・原状回復に至るまで、解決に向けた煩雑業務を引き受けている。 「貸会議室」は、都心オフィスビルの空室を貸会議室・レンタルオフィス・コワーキングスペースとして提供している。都心不動産の「空間」と「時間」の価値最大化を目的として、建て替えによる取り壊しが決定しているオフィスビルなど、借主が見つかりにくく、空室のまま放置されているオフィスを借り上げ、様々な付加価値を乗せることで有効活用につなげている。オフィスビル事業で培ってきた土地勘と支店網が生かせる東京都心部に集中的に店舗展開し、スピード感と柔軟性のある対応により利便性を追求している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) 《AS》
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リプランニング事業、賃貸ビル事業等の不動産再生事業が主力。ビル管理や売買仲介、ホテルの開発・運営等も手掛ける。東京都心部の中小型オフィスビルに特化。不動産再生事業は順調。28.3期売上高1350億円目標。 記:2024/06/11